アメリカ人が感じた日本と韓国の違い／運転が荒い理由とは？

日本の小中学校で３年間ほど英語を教えていて、いまは韓国の小学校で英語の先生をしている知人のアメリカ人がいる。

彼女は20代の黒人女性で、ソウルで知り合った韓国人男性とこの前めでたく結婚式を挙げた。

そのアメリカ人が韓国に住んで１年が過ぎたころに、日本と韓国の違いについて聞いてみたところ、「車の運転！韓国人の運転は本当に荒くてビックリした。そこは日本人とぜんぜん違う！」と言う。
結婚祝いということで、今回はこれをテーマに書いていこう。（いやいやいや）

結婚がおこなわれた場所。
とても韓国的な空間で良いのだけど、左の白いコンセントプレートと手前の段ボールがすごく気になった。

猛スピードで走ったり、信号を「やや無視」するドライバーは日本でも見たし、どこの国でもそういう人間はいる。
だからそれはいいとしても、上のアメリカ人は韓国では乗客を乗せたタクシーやバスまで運転が荒いことに衝撃をうけた。
日本にいたころもいまの韓国でも、毎日バスを使って学校に行っているからその違いはよく分かると言う。
日本ではどの運転手でも安全を最優先し、マナーを守って丁寧に運転をする。

それに対して韓国ではどのドライバーでも運転は基本荒くて、日本と比べてこんな違いを感じる。

・乗客が座席に座る前にバスを発進させる。
・信号が黄色になって日本なら絶対停まるタイミングでも、韓国のバスは交差点に突入する。
・発進するとすぐにスピードを上げるから恐ろしい。
・ブレーキのタイミングも急でスマートフォンを操作していると危ない。体が何度も前後に揺れるから、つり革を持つ手が疲れる

日本のバスでこんな体験をしたのは本当にレアだけど、ここではほぼエブリデー。
日本人に比べて全体的に韓国人はせっかちで、「待つ」ということが嫌いで何でも早く結果や返事をもらいたがる。
学校での仕事も日本より意思決定は速いけど、中身は雑で計画性に欠けているし、韓国に来たばかりの自分に丸投げすることもよくあった。こんなことは日本の学校ならあり得ない。
でも、「日本人の仕事は細かすぎる」と思うことはあったから、韓国のやり方がそのアメリカ人の性に合っている面もある。
韓国人の車の運転が荒い理由もこんな気質によるもので、早く目的地に着くことを最優先にするから、マナーや安全は二の次になってしまう。

＊先ほどのコンセントプレートと段ボールも、あのせまい空間を考えたら日本の結婚式場ならあり得ない。こういう日本人との感覚も違いも、このアメリカ人が指摘したことに通じると思う。

「みんな見て！」とそのアメリカ人が撮影したある日のバス

なんで韓国には荒い運転をする人が多いのか？

これは国内でも問題になっていて、全国紙の朝鮮日報は社説（2016/08/13）でその原因をこう指摘した。

韓国人の乱暴運転、交通違反者に赦免を繰り返す限り減らない

2016年に韓国政府は交通違反者への特別赦免をおこない、過去１年間に免許の停止や取消処分を受けた約129万人全ての罰点が削除された。

全国の違反者がシャンペンを開けて祝うのは想像できるけど、この「劇薬」にはこんな副作用がある。

問題は、赦免が交通事故の増加につながっているという現実だ。交通法規違反者に対する大規模な赦免があると、次の年は例外なく交通事故の発生件数が増加する。1998年に交通法規違反者552万人を特別赦免したら、翌年は交通事故が15％も増えた。

記事を読むと、政府の特赦によって2015年には交通違反者220万人、14年には288万人の罰点がなくなっている。

こんな大盤ぶるまいをしていたら、「交通法規違反者は道徳的な節度を失って安全不感症が拡大し、自分勝手な乱暴運転が減らない」と朝鮮日報が怒るのも当たり前だっつーの。
「特別赦免」というけど、毎年あったらもう特別感はない。

こんなことがあるから韓国では、「交通法規は違反してもまたすぐに赦免されるだろう」という認識が広がって、「無秩序な運転がますますひどくなり、自動車を運転するのが怖いという韓国人は多い」という状態を生んでしまうという。

政府が何度もこんなことをする理由は、朝鮮日報に言わせれば「手柄にしやすいから」。
政権支持率を上げるための”テコ入れ”として、韓国政府は毎年こんなことをしていて、もはやイベントになっている。
日本との人口比を考えれば、毎年500万人の交通違反者の罰点がなくなるようなものだから、これじゃ取り締まりの意味がない。
これが韓国人の乱暴運転を助長するのは必然。

でも朗報がある。

いまの文在寅（ムン・ジェイン）になってから、以前なら見逃されていたような交通違反もいまではスルーされず、バンバン警察に捕まるようになった。

交通違反の取り締まりが不自然なほど激増した背景には、政府の税収不足がウワサされている。

朝鮮日報の記事（2020/07/25）