いまは2020年の7月だけど、朝鮮日報が3年前のコラムをのせていた。(2017/01/22)
ナミビア人に笑われる「謝罪するドイツに日本は見習え」論
ドイツを持ち出す場合の韓国理論とはだいたいこんなもの。
日本とドイツは同盟関係にあってともに、他国にひどいことをした。
ドイツは心からの謝罪することで被害国の許しを受けた一方、日本は韓国に対して真の反省や謝罪をしていない。
こんなふうにドイツを引き合いに出して、日本の道徳性のなさを非難することはずっと前からあったし、いまも変わらない。
きっとこれからも。
そんな韓国メディアの報道はこれまで山盛り見てきたから今さら驚かないけど、ナミビア?
ナチス=ドイツがホロコースト(大虐殺)をおこなったユダヤ人(イスラエル)や空爆で街を廃墟にしたポーランドは韓国メディアによく出てくる。
記事の展開はほぼワンパターンだからイスラエルとポーランドなら理由が分かるけど、アフリカのナミビアには違和感しかない。
そう思って記事を読んだら見えてきた。
まずこのコラムが言及しているのは、ドイツがおこなったヘレロ・ナマクア虐殺だ。
これは当時ドイツ領だったナミビアで、1904~08年ごろにドイツが先住民族を大量殺害した出来事で、「20世紀最初のジェノサイド」と表現されることもある。
首にくさりをつながれた先住民
1904年にドイツがアフリカ南部のこの地に侵攻(侵略)したことがことの発端。
それによって土地を奪われた先住民族ヘレロ族がドイツへの攻撃をはじめるものの、攻撃力の差はまさに天と地。
この時代のアフリカ先住民がドイツ帝国にかなうわけない。
ドイツ軍にせん滅された先住民は敗走し、その途中で多くの人が命を失った。
また、別の先住民もドイツに攻撃を加えるも同じく惨敗。
そしてドイツは先住民を、のちのユダヤ人虐殺を思わせるような強制収容所に入れて殺害する。
ドイツは先住民を強制収容所へ収容したり強制労働に従事させた。結果、戦後の人口統計からみて、約6万人のヘレロ族(全人口8万人のうち、80%)、1万人のナマクア族(全人口2万人のうち50%)が死亡した。
ナミビアと言えばこの美しいナミブ砂漠が有名。
このときドイツはナミブ砂漠の井戸に毒を入れたうえで、先住民を砂漠に追いやり、多くの人を中毒死させた。
生き残った幸運な先住民
ここでは話を韓国に戻そう。
朝鮮日報のコラムによると、ドイツは7万5000人以上を虐殺した「ヘレロ・ナマクア虐殺」の事実を100年以上も認めず、やっと前年(2016年)に謝罪したという。
ナミビア人は謝罪をずっと拒否してきたドイツを知っている。
だから彼らの前で韓国人が、「ドイツを見習って日本も謝罪しろ」と言えば笑いものになるだろうとコラムは言う。
ナミビアまで引用したこのコラムで言いたいことはコレ。
日本がわれわれと慰安婦合意を行い「謝罪と反省」を表明したのもそうだ。日本による慰安婦関連のこれまでのさまざまな妄言と比べて、今回も心が込められていたかどうかは疑わしい。(中略)われわれが本当に満足できるような謝罪を受けるには、相手もそれだけの謝罪をする必要性を感じなければならない。
慰安婦問題を解決するには、韓国側が納得できるような真の謝罪を日本にさせる必要がある。
そのためには、日本が無視できないほどの国力を韓国はつけないといけない。
このコラムが強調するのはだいたいそんなところ。
なるほどなるほど。
しかし待て。
2015年の日韓合意にもとづいて安倍首相が心からのお詫びを表明し、韓国側がそれを受け入れて慰安婦問題の「最終的・不可逆的な解決」に同意したはず。
不可逆的というのは、過去にさかのぼってこの問題を蒸し返すことはできないという意味なのに、2年たつと韓国はこんなことを言い出す。
日本との約束を守る気はまったくないようだ。
それと今回は、ナミビアに対してドイツがおこなったヘレロ・ナマクア虐殺を引き合いに出したけど、この蛮行と日本の朝鮮半島統治は次元が違い過ぎるし、まったくの別もの。
日本は統治時代、「創始改名」によって名前を変えさせたなど、韓国人に苦しい思いをさせたことは事実。
*積極的に創始改名を受け入れた人もいるから、この問題は本当に複雑。ただ、いまの日本の歴史教科書では「強制説」の立場をとっているのがほとんどだからここでは一般的な見方を示しておく。
くわしいことは創始改名を。
でも当時の韓国人が高等教育を受けることや、選挙権・被選挙権を与えられて国政に参加できたもの確か。
こんなことはそれまでの韓国社会では不可能なことだった。
それに人を動物のように扱って、首に鉄のくさりをつなぐなんて蛮行もなかった。
統治時代についての見方は日韓ではまったく違うから、これはもう両論併記するしかない。
でもその時代に朝鮮半島に、強制収容所なんて恐ろしい施設はなかったし(=ホロコーストやヘレロ・ナマクア虐殺のようなことはなかった)、また夏になると多くの韓国人が海水浴場を訪れていたのも間違いない。
海水浴客でごった返す釜山の海水浴場
日本と韓国の関係は、ドイツとナミビアとはあまりに違い過ぎて比べることは不可能だ。
ナミビア人に「その時代、海水浴はできましたか?」と聞いてみればいい。笑われるのではなくて、きっと殴られる。
でもその前に、理解できずに聞き返されるだろう。
「謝罪するドイツに日本は見習え」なんて論理はナミビア人には一切関係ないし、まったく違う内容を結びつけるのはデタラメだから。
ちなみに日本統治について韓国が唯一、比較対象できるのが台湾だ。
韓国と同じ時代に、日本統治を受けていたのは世界で台湾だけだから。
(中国東北部:満州は微妙)
でも台湾では統治時代を良く思っている人が多くて、中には旧日本軍の軍人「杉浦茂峰少尉」 (享年21歳)を神として祀る廟まである。
くわしいことは公式ホームページをどうぞ。
「日本に感謝する」という台湾の態度は、「謝罪と反省が必要」という韓国の価値観と正反対だから都合が悪い。
個人的には日韓関係の理想はいまの日台関係だけど、韓国は台湾を絶対に取り上げない。
それでとうとうナミビアまで持ち出してきたわけだ。
「飛虎将軍廟」は特別だとしても、日本統治の比較としてはヘレロ・ナマクア虐殺よりずっと適切だ。
こちらの記事もどうぞ。
創氏改名をしっかりと勉強したほうがいいですよ。
あくまで許可を与えただけで手続きをしなければそのままでなんの問題もなかった。
希望者だけ日本式に名前を変える許可を与えただけです。
洪思翊、金錫源とかは朝鮮名のままで軍で出世しています。
創始改名を嫌って自殺した朝鮮人もいました。
この問題の解釈はさまざまですが、現在では「日本の歴史教科書のほとんどが、この(強制説の)立場に沿った記述をしている」ということなので、ここでは一般的な見方を示しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B5%E6%B0%8F%E6%94%B9%E5%90%8D
>現在では「日本の歴史教科書のほとんどが、この(強制説の)立場に沿った記述をしている」ということなので、ここでは一般的な見方を示しました。
嘘を言ってはいけませんね。
「一般的な見方」ではなくて、単に「多くの教科書の記述に沿った見方」でしょうが。ブログ主さんは「一般的な」とはどういう意味だと考えておられるのですか?
一人の自殺者の存在が、社会制度全体に対する見方への反論の根拠になりますか?
教科書に書いてあることが正しいとは限らないし、世の人々の間で「一般的」であるとも限らないですよ。
特に、近代以降の韓国・朝鮮地域を含む歴史に関しては、特定の政治的思想に偏った学者・教員がこれまで多くて、そのことが事実と異なる記述を多くの教科書に普及させる原動力になっていたと考えます。ブログ主さんもおそらくご承知でしょうが。
日本の歴史教科書より自分のほうが正しいと思うのなら、それはそれでいいと思います。
>一人の自殺者の存在が
この数字はどこから出てきましたか?
ドイツはアフリカだけでなくポーランド ギリシャにも賠償をしていない。ポーランドは、嘗て賠償放棄をしたそうだが、それでドイツはしなくていいのか?と現実、妥当性で判断すべきと思う。何年か前に読んだ本で、ナチスは公の場ではポーランド人を劣等民族と言いながらアーリア人的な外観のポーランド人の子供を拉致してドイツ人として育て成長してからようやく探しあてたポーランド人家族が取り戻す事が書いてある本を読んだ。ナチスは様々な残虐な事をして、さらに誘拐、拉致もしていた。呆れるのは公の場では劣等民族と言いながらカッコの良いポーランド人をドイツ人として取り入れる神経がいいかげんだ。韓国にポーランドが如何に酷い目にあい、ドイツが賠償をしていない事を世に知らせなければならないかな