日本人の生活の様子がはじめて歴史に登場したのはいつか?
それは3世紀の中国人・陳寿の書いた「魏志倭人伝」で、それによると弥生時代の日本人はいまと違って身体に入れ墨を入れていた。
「倭の諸国の体の入墨は、国々によって左右や大小などにちがいがあり、身分の尊卑によっても異なる。」
現代の日本で入れ墨というと、犯罪者や前科者といったネガティブなイメージがあるけど、弥生時代では身分の高さをあらわすこともあった。
そんな魏志倭人伝にはこんな記述もある。
「婦人は淫らでなく、嫉妬もしないし、盗みもなく、争いごとも少ない。」
これ以上のことは弥生ミュージアムのホームページをどうぞ。
このときから約2000年の月日が流れたいま、中国の人たちは日本をどんな国とみているのか?
「百度」という中国メディアが最近、日本を「世界一信頼を重視する国」と高く評価する記事を載せた。
サーチナの記事(2020-08-13)
世界で最も正直さを大切にする国日本、中国は?=中国メディア
中国では詐欺や偽装といった人をだまして金もうけをする連中が後を絶たず、むかしから社会問題になっている。
でも、隣国には別天地が広がっていた。
この中国メディアは日本を安心して暮らすことができる国と言い、こんな例を紹介する。
・財布をズボンのポケットに見えるように入れていても誰も盗らない。
・財布をおとしたら警察に届けられ、帰ってくることがある。
・車が通っていない横断歩道でも赤信号なら立ち止まる。
・マンションのベランダには避難用の脱出スロープが用意されているが、それを悪用して別の階の他人の部屋に侵入する人もいない。
つまり、これをひっくり返すと中国になるらしい。
正直さや信頼は中国でも重視されているけど、残念ながら実現していない。
日本の社会が高い信頼によって成り立っている理由を中国メディアはこう推測した。
「日本人が古代から互いを一つの氏族、家族とみなしてきたことに関係する」
「古くは封建社会の“主従関係”の中でこうした社会における結びつきがはぐくまれ、その関係性の中で互いに対する「信頼」という基盤が築かれてきた。」
でもこれなら中国の歴史と似ているような?
とにかく日本では、あとから別のことを言わない(=1度言ったことは必ず守る)という「武士に二言はない」の精神が封建時代に広く浸透したということだろう。
こんな歴史的背景があるから、現在の日本では、自分の行為が他人にどんな影響や迷惑を与えるかを考えるという。
たしかに中国人は、良い意味でも悪い意味でも自己主張が強い。
でもあちらの社会では、そんなタフな精神がなければ生きにくい。
それに日本では子どものころから、正直・誠実でいることの大切さがよく教えられているから、盗みや詐欺行為が少なくて、「互いに騙し合わず、信頼によって社会を築くという良い社会的風潮が日本をこれまで発展させてきた」と百度は分析する。
「世界で最も正直さを大切にする国」という中国メディアの記事に日本のネットの反応は?
・日本人は確かに嘘は言わないが本当の事も言わない
あいまいな物言いで誤魔化し自分から察さなければならない国
・「白髪三千丈」をはじめとして、「大言壮語」が
もてはやされるお国柄ですからねー。
・日本人は持続化給付金を不正取得しまくった挙句に、
逮捕にビビって返金するくらい正直です。
・「お天道様が見ている」という感覚が分かるかどうか。
・「村八分」への恐怖ってのもある
日本は信頼性が高い社会で、人をあざむいたり物が盗まれることが少ない!
圧倒的ではないか、わが国の民度は!
中国メディアの記事を読むとこう思いたくなるけど、国内に目を向けるといまはこんな問題がある。
朝日新聞の記事(2020年8月12日)
エコバッグは「怪しまれない武器」 万引き多発で悩む店
レジ袋が有料化されて、エコバッグを持参する客が増えたら万引きも増えたでござるの巻。
東京にあるスーパーの社長は、万引きが1、2割増えたとため息をつく。
10年ぐらい前の中国で、工場の排水溝や下水溝にたまったクリーム状の油からつくった食用油・地溝油(ちこうゆ)が大問題になった。
販売価格が正規の食用油の半額近い価格であるため、2012年現在で生産量600万トン以上と急成長中のニュービジネスになっており、中国国内では社会問題化している。
日本にはない発想や技術力。
でもきょねん、2019年に中国人から聞いた話では、いまの中国は豊かになったから地溝油のようなインチキ油はもう消えたらしい。
でも日本について、「盗みもなく」と心の正直さに言及するのは3世紀から変わっていない。
「争いごとも少ない」という印象も、現在でもきっと同じだ。
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