トルコ人が親日的なワケ:エルトゥールル号事件で見せた大和魂

 

むかしトルコを旅行していたとき、首都イスタンブールの宿で出会った日本人から、「ボクが日本人とわかったら、きょうトルコ人からチャイ(紅茶)をごちそうしてもらいました」という話を聞いた。

「トルコの首都はイスタンブールじゃなくてアンカラだろっ」とツッコミは終わったと思うから、話をさらに進めるとしよう。
*「都市へ(で)」というギリシャ語に由来するイスタンブールはトルコ最大の都市だけど首都じゃない。

その日本人旅行者の“不思議体験”のワケを書く前に、まずはこの国の基本をおさえておこう。

 

トルコのチャイ

 

 

面積:780,576平方キロメートル(日本の約2倍)

人口:79,814,871人(2016年,トルコ国家統計庁)
*日本の約6割。

民族:トルコ人(南東部を中心にクルド人,その他アルメニア人,ギリシャ人,ユダヤ人等)

言語:トルコ語(公用語)

宗教:イスラム教(スンニ派,アレヴィー派)が大部分を占める。
その他ギリシャ正教徒,アルメニア正教徒,ユダヤ教徒等。

以上の数字は外務省ホームページ「トルコ共和国(Republic of Turkey 基礎データ」から。

トルコは中東だけどアラブじゃないよ。

 

さて、「ボクが日本人とわかったらトルコ人が~」の背景については、きのうABCニュースが報道していた。(09/17)

和歌山県沖で130年前に沈没 トルコ軍艦「エルトゥールル号」追悼式

明治時代の1890年、神戸に向かって進んでいたエルトゥールル号が和歌山県の沖合で、強風と高波におそわれ沈没。
この事故で500人以上の乗組員が死亡するものの、付近の住民による懸命の救出活動によって69人が助け出された。

この時、台風によって出漁できず食料の蓄えもわずかだったにもかかわらず、住民は浴衣などの衣類、卵やサツマイモ、それに非常用のニワトリすら供出するなど、生存者たちの救護に努めた。

エルトゥールル号遭難事件

 

これ自体は大きな悲劇だったけど、和歌山の人たちの情にあつく勇敢な大和魂が発揮されたことによって、トルコ人が親日的であることや日本・トルコが友好関係にあることの大きなきっかけとなった。
和歌山県串本町では毎年、遭難事件があった9月16日に追悼式典が開かれて、下の慰霊碑に頭を下げている。

 

 

この記事にネットの声は?

・救助大変だったよね
ただでさえ酷い嵐なのに人数も多いからめっちゃ疲れた
・これ映画になってたよね?
・エルトゥールル♪まゆしいです☆
・これ日本とトルコとの友好美談だろ。オレ知ってる。
・クックドゥードゥルドゥー
・難破したのは夜、しかも崖下で島民は屈強なトルコ水兵を担いで崖をよじ登った。

 

ただ2012年にトルコでおこなわれた調査によると、エルトゥールルの遭難事件を「知っている」と答えた人は29.9%だったから、誰もが知ってる話というワケではなさそうだ。

 

イスタンブールの夜景

 

冒頭の日本人旅行者に話を戻すと、彼がイスタンブールの観光地を歩いていたとき、お土産屋の主人から「コンニチワ!」と声をかけられて、「このあたりで日本語で声をかける善人のトルコ人は絶滅したはず」と思ったものの、「日本人か!じゃあ中へ入れ。チャイをごちそうしてやる!」という店主の勢いに引きずり込まれて店内でチャイをいただいたという。

「日本人はトルコの友人だ。わたしは日本人に親切にしたいんだ」と言う親日的な店主にそのワケをたずねと、エルトゥールル号事件の話をして、そんなことは初耳だった日本人は感動してチャイのおいしさも倍増。
今回の場合はそれだけではなく、そのトルコ人の親戚がさいきん結婚したから、それがうれしくて誰かに話したかったらしい。
日本人に比べるとトルコ人は超フレンドリーでおしゃべり好きで、いい加減な人たちでルールを守らない。
でも、情にもろくて勇気を大切にする大和魂はトルコ人の価値観に合っていると思う。

ただ恩を仇で返す人もいるから、観光地で日本語で話しかけるトルコ人にはまずは警戒したほうがいい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。