日本の首相がアベからスガに変わったとしても、菅新首相は安倍政権の中心人物だったから、韓日関係がただちに改善されるわけではない。
ということは韓国側もわかっているのだけど、でも「それでも菅なら…菅なら、きっとなんとかしてくれる…!」という期待はやっぱりあるようだ。
韓国大統領府の報道官によると、未来指向の韓日関係のために文大統領は菅首相にこんなメッセージを送った。
聯合ニュースの記事(2020/09/16)
基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも向かい合って対話し、意思疎通する準備ができており、日本側の積極的な呼応を期待していると伝えたという。
文大統領が菅新首相に書簡 関係改善へ対話呼びかけ
文大統領は先月15日にも日本に対して、「今も協議の扉を大きく開いている」と言っているから特に新しいこと何もない。
文政権は、韓日が未来に向かうために対話をする用意はあると言うだけで、そのための前提となる国際法違反の状態を是正する気はない、ということだ。
菅首相は安倍政権の外交政策は基本的には継続していくと言うから、韓国に変化がないなら、中国をより重視する考え方は変えないだろう。
ではここでクエスチョン。
日本と韓国には資本主義や自由民主主義という共通点があって、この点では共産主義の中国とは明確な一線を画している。
でも、日本とは経済的・政治的に基本的な価値観を共有していないにもかかわらず、安倍前首相が韓国より中国を信用した理由はなんでしょう?
答えは中央日報のコラム(2019年06月03日)に書いてある。
ある知韓派の日本の要人(つまり韓国寄りの人)が安倍氏に提言を行ったところ、その場で却下されたという。
彼は安倍と2013年にゴルフをしながら「韓国を重視せよ」と助言した。すると安倍は「私は中国を信頼する。中国は一度決めれば確実に守る」と言った。一緒にゴルフをした人々が「最近の韓日関係を見ると安倍の言うことが正しいのでは」と面と向かって非難すると言って苦笑いを浮かべた。
なぜ日本は「いっそ韓国はいないことにしよう」というのか
言論の自由や人権の尊重などについて、日本と中国にはあまりに多くの違いがあるけど、たしかに中国は日本と交わした重要な約束を一方的に破棄したことはない。
相手が民主主義者か共産主義者かということより、日本にとっては自分の言葉をちゃんと守る人が重要。
韓国の報道官は、新生日本に対して文大統領が「積極的に協力して歴史問題を賢明に克服し、経済・文化・人的交流などの分野で未来指向的かつ互恵的に実質的協力を強化していく」と述べたというけど、肝心な日本との合意を守る意思は示していない。
これじゃあ日本が、一度決めれば確実に守る中国をより重視するのは当然。
「信なくば立たず」で信用がなかったら、地理的・文化的に最も近くても友人にはなれないのだ。
では、なぜ韓国は約束を守らないのか?
先ほどのコラムを書いた韓国人記者がきょねん東京にいたとき、いろいろな日本人から「なぜ韓国は国同士の約束を守らないのか」と聞かれ、「日本列島の雰囲気は冷たかった」となげく。
いまこう思っている韓国人は他にたくさんいるだろう。
そしてまた聞かれた。明らかに私たちのほうが慰安婦・強制徴用の被害者なのに、ある瞬間加害者に転落した。澄んだ精神では受け入れ難い反転だ。
「なぜ韓国は国同士の約束を守らないのか」と聞く日本人は濁った精神を持っているらしい。
過去の歴史問題については1965年と2015年に、すでに二度も最終的な解決を約束したのに、韓国はまだ被害者でいようとする。
安倍前首相はこういう態度を認めなかったし、菅首相も被害者を強調する相手より、考え方はどうあれ有言実行の人間を信頼するはずだ。
もう日本にこの政治カードは通用しない。
いまの韓国を見ていると、中国重視の日本外交は変わりそうにない。
菅首相が初めて記者会見をしたときも、アメリカ・北朝鮮・中国・ロシアなどには言及したけど、韓国はスルーしたから中央日報が不満そうな記事を載せた。(9/17)
菅新首相が初めて記者会見…韓日関係に言及せず「拉致問題に全力」
日本政府の戦略的無視は継続される見通し。
こちらの記事もどうぞ。
>慰安婦・強制徴用の被害者なのに
>なぜ韓国は国同士の約束を守らないのか
このふたつは別の問題。被害者だったら約束を破っていいか?っていう単純な話(この被害ってのもあれだけど)
記者はこの質問に対してなんて答えたんだろう?
あと韓国じゃ「あるところから加害者になる」って感覚ないのかね?
>たしかに中国は日本と交わした重要な約束を一方的に破棄したことはない。
韓国に比べて、中国はより戦略的であるだけの話です。
慰安婦合意で日本はすべての約束を守りましたが、韓国は履行することなく破棄しました。
日本が被害を訴えてもいいぐらいですよ。