【足元のアート】外国人を魅了する日本のマンホールカバー

 

埼玉県の所沢市で最近、マンホールのふたが新しく取り付けられた。

所沢市民やほかの日本人にとっても、「それで?」っていう出来事だけど、カワイイ大国がそれをすると世界的なニュースとなるらしい。
AP通信、ロイターにならぶ世界三大通信社の一つ、フンラスAFP通信がこんな記事(2020年9月13日)を掲載。

所沢市に光るマンホール登場、アニメキャラ・デザインで街の活性化に

ニュースといっても読者の興味を引きそうな、世界の国の変わったネタを紹介しただけのものだろうけど。

でも、アニメキャラのマンホールカバーなんてもう日本全国に山盛りあるし、いまさら感しかないけど、所沢市は街の活性化のために、夜になるとキャラクターのイラストが浮かび上がる「光るマンホール」という、これまでなかったものを設置した。

 

 

左が昼で、右が夜バージョン

 

所沢市ホームページのキャプチャー

 

他にも、ガンダム・エヴァンゲリオン・涼宮ハルヒの憂鬱・ファイブスター物語・ソードアート・オンラインのキャラクターが描かれた、日本初の光るマンホールカバーが所沢市の各所にある。

これを目当てにたくさんの愛好家(?)や観光客が来ることで、地域経済の活性化を所沢市は願っているという。
変わったマンホールカバーを求めさまよう人を「マンホーラー」と言うらしい。

 

種類が多いし、質も高くて驚いた。

 

マンホールのふたは古代ローマ時代にあったというから、2000年ほどの歴史がある。

いまでは世界中の国にあるけど、ふつうマンホールには汚い・臭いといったネガティブなイメージがあるけど、それをこんなふうにアニメキャラでかわいく、カッコよく昇華させて観光の目玉にするのは日本だけ。
臭い物にふたをするという発想はどこでもあるけど、ふたをした上でアートに変えるのが日本人。
日本を旅行する外国人のSNSを見てると、マンホールカバーの写真を投稿する人がよくいる。

 

英語版ウィキペディアでも日本のマンホールを取り上げていて、海外の専門家(マニア?)が、日本の自治体の95%は独自のデザインを持っていて、多くの場合、カラフルなものになっていると話している。

According to Remo Camerota, the author of a book on the subject titled Drainspotting, 95% of Japanese municipalities have their own cover design, often with colorful inlaid paint.

Manhole cover

 

ちなみに他の国では世界的に金属価格が上昇すると、よくマンホールのフタが盗まれると書いてある。
イギリス・カナダ・インドなど世界各国でそんな事件が起こるけど、2004年には北京で24万個のマンホール・カバーが盗まれたというから恐ろしや。

 

では最後に、日本を訪れた外国人の感想を紹介しよう。

I love manhole covers in Japan. They really are works of art.
日本のマンホールカバーが大好き。ホント芸術品。

Wherever you go, you will find customized manhole covers, some brightly painted.
どこに行っても独特なマンホールカバーを見るだろうし、鮮やかな色彩で描かれたものもある。

We are fascinated by them and have lots of our own photos of many.
わたしたちはカバーに魅了されて、たくさんの写真を撮った。

My best friend and I lived in Japan for three years, and she would stop to take a photo every time she saw a cool drain cover.
親友とわたしは日本に3年住んでいる。彼女はクールなフタを見つけるたびに、止まって写真を撮る。

 

古代ローマで使われていたマンホールのフタ(1世紀)

 

 

外国人の価値観とタトゥー/アリアナグランデの「日本好き」

アメリカ人の日本の印象は?信頼関係・歴史・文化・盆栽など

世界よ、これが日本の夏だ。蒸し暑さに外国人「軽く死ねる」

試合終了からのゴミ拾い。日本人のマナーと世界の反応。

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。