侵略・戦争・支援?東南アジアの人たちは日本をどう思う

 

きょう10月6日は「国際協力の日」

日本が1954(昭和29)年のこの日に、初めて援助国として国際協力に参加(コロンボ・プランへの加盟)したことを記念して、外務省とジャイカ(国際協力事業団)が10月6日を「国際協力の日」とした。

太平洋戦争が終わったころの日本は世界最貧国のひとつだったのに、わずか9年後には、途上国に支援する側になっていたという奇跡。
ちなみに日本経済が爆発的に成長した「高度経済成長」がはじまったのも、1954年(昭和29年)だった。

ということで今回は、日本と東南アジアのよき関係について書いていこう。

 

 

日本人は東南アジアとの関係について、どんなことに興味や関心を持っているのか?
それを把握しようとヤフーで検索すると、こんな関連用語が出てきた。

 

 

日本人にとってアジアといえば侵略や植民地など、太平洋戦争で日本のしたことが気になる人が多いらしい。
「進出」には侵略を言い換えたものと、日本企業による経済進出の2つのケースがある。

日本と東南アジアの関係を知るには現地の人たちの見方を知ることが大事で、それには平成29年に、以下のASEAN10カ国を対象に「日本についてどう思うか?」をたずねた世論調査の結果が役立つ。

「ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム」

これによると、東南アジアで日本は評価されまくり。

日本とは「友好関係にある」と答えた人はASEAN全体で89%(前回調査75%)。
日本を「信頼できる」という人は91%(前回調査73%)。

圧倒的じゃないか、わが軍は。とまでは思わなくても、日本人はアジアに対して自信と親しみを持っていい。

東南アジアの各国が日本に友好や信頼を感じている理由には、何と言っても戦後の日本が行ってきた支援活動が挙げられる。

日本の対ASEAN支援について,日本政府の開発協力(ODAによる経済・技術協力等)が,対象者の住む国の開発に役立っているかという質問に,87%(前回調査84%)が「とても役立っている」又は「どちらかというと役立っている」と回答し,日本のASEAN諸国に対する貢献が評価されていることが確認できました。

これ以上のことは外務省ホームページを見られよ。

ASEAN10か国における対日世論調査

 

日本が資金や技術を提供し、東南アジアで橋や学校、道路など生活で必要なものをつくってきた。
ボクがアジアを旅行したときにも、日本支援の事例をいくつか見てきたから以下に紹介しよう。

タイの首都バンコクの地下鉄は日本の資金援助と技術支援によって建てられて、地下鉄構内には、それを示すプレートがある。

 

バンコクに住む知人のタイ人はこれを見ると、日本が身近に感じるし印象もかなり良くなると言う。
同じことを思うタイ人は他にもたくさんいるはずだ。

 

ドリアンの持ち込みが禁止されている
あの悪臭は迷惑を超えて兵器

 

カンボジアへ行ったときは、500リエル札のデザインをよ~く見てほしい。

 

 

上のお札に描かれている橋は日本の支援によってつくられた「キズナ橋」で、その横にカンボジアと日本の国旗も描かれている。
日の丸のある海外の紙幣なんて、ボクの知る限りカンボジアリエルだけ。

とはいえ、東南アジアの人たちに先の戦争について聞けば、「アジア解放のための聖戦だった」と言う人は激レアで、「日本は侵略して悪いことをした」と答える人が多いはず。
でもそれは75年前のことで、アジアの人たちは過去と現在の日本を切り離して考えるから、現在の政治問題にはしない。
いまの日本に対する印象は、戦後おこなってきた支援の影響が本当に強い。
90%の人が日本と友好関係にある、信頼できると答えた背景にあるのはこれだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。