このまえ朝日新聞でこんな記事を発見。(2020年9月28日)
ミャンマーの自然が育む「タナカ」 美肌守って2千年
ということで今回はミャンマー文化の「タナカ」について書いていこうと思う。
でもまずは、この国のキホンをおさえておこう。
・面積:68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
・人口:5,141万人
・首都:ネーピードー
・民族:ビルマ族(約70%)、その他多くの少数民族
・言語:ミャンマー語
・宗教:仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等
以上の数字は外務省ホームページの「ミャンマー連邦共和国 基礎データ」から。
日本との関係でいえば、太平洋戦争までは直接的な接触はなかった。
日本で軍事訓練を受けてビルマ独立義勇軍を結成したアウンサン将軍が1942年に、日本軍と一緒にイギリス軍と戦い、翌1943年に日本後押しでバー・モウを元首とするビルマ国が建国された。
個人的にはミャンマーの文字がとても印象的で、こんな感じにとにかく丸々している。
ဒီနေ့ပိုးတွေ့ရှိသူ 1344 ယောက်
ဆေးရုံဆင်းခွင့်ရသူ 518 ယောက်
သေဆုံးသူ 18ယောက်
これは新型コロナの感染者数で、「今夜の感染者 1344人、退院者 518人、死亡者 18人」と書いてあるらしい。
日本軍の軍服を着たアウンサン将軍と娘のアウンサンスーチー氏
ミャンマーには「タナカ」という独特の文化がある。
タナカと田中はぜんぜん関係がなくて、ミャンマーのタナカとはそういう木から作られる天然化粧品のこと。
ミャンマー中部によくあるタナカの木
タナカの木の根っこや木片を水と一緒にうすなどですりつぶすと、ペースト状のタナカという化粧品が出来上がる。
ミャンマーではこれを子供なら男女、成人だと女性がほっぺたにこれを塗る習慣がある。
タナカには日焼け止めや美肌の効果があって、これを顔や体に塗る文化はミャンマーで2千年の歴史があるという。
タナカの木の値段は質によってピンキリだけど、数十センチほどの長さで値段は約80円~約800円といったところ。
タナカをすりつぶすためのうす「チャウッピン」
タナカを塗ったミャンマーの人たち
日本では朝起きるとまず歯を磨く人がいるけど、ミャンマー人のばあい、朝はタナカから始まるという人が多いらしい。
朝日新聞の記事(2020年9月28日)
ミャンマーでは今でも多くの家庭にタナカの木片と、それをこするための石板があり、子どもたちは「顔を洗ったらすぐにタナカをつけないと悪いことが起こる」と親から教えられるという。
ミャンマーの自然が育む「タナカ」 美肌守って2千年
これに日本のネットの反応は?
・ミャンマーの可愛い子のタナカはマジで惚れる
・懐かしいな。「なるほど ザ・ワールド」で出題された。
・2.3年前ミャンマー行ったけど
だんだん田中廃れつつあるらしい
・スズキもちったぁ見習えよ
・好事家はこれを舐めとるのだそうな。
・タイとか日差しがキツいから24歳超えたら大抵肌のトラブル抱えてるね
コメントにあったタナカが廃れつつあるというのは、タナカの代わりに外国の化粧品を使う女性が増えたからだろう。
10年ほど前ミャンマーに行ったとき、すでに資生堂の製品が人気を集めつつあるという話を聞いた。
でも海外の化粧品が文字どおり肌に合わないこともあって、タナカに戻すと調子が良くなるという人もいる。
まえに日本に住んでいるミャンマー人に、夏に風鈴の音を聞いて涼しくなるか聞いたところ、他の外国人と同じように「は?まったくそう感じないけど」と言われた。
それでミャンマーには、風鈴のように暑い時期に涼をとる文化があるかたずねると、スイカやアイスクリームを食べると言うから「いやそれ文化じゃねえし」とツッコむと、ちょっと考えて「タナカですね」と言う。
あれは日焼け止めじゃないか?と考えたけど、そういえばミャンマーに行ったとき、ガイドにすすめられるままタナカをほおにつけてみたところ、少しひんやりして気持ちよく感じたのを思い出した。
現地ガイドの話ではタナカは日本人旅行者に好評で、お土産でまとめ買いする人も多いらしい。
ミャンマーの中で風鈴のようなものを探すと、まさかタナカが出てくるとは思わなかったけど、でもあれもたしかに東南アジアの納涼文化といえる。
ミャンマーのヤンゴンにあるシュエダゴンパゴダ
こちらの記事もいかがですか?
アウンサンスーチーと浜名湖。ノーベル平和賞、受賞の理由とは?
コメントを残す