反日と親日を使い分ける政治家に、韓国メディアもあきれ顔

 

きょねん韓国社会で猛威を振るった日本製品の不買運動(いまも消えてはいない)。
これが国民的な運動に盛り上がった背景には、文政権や与党「共に民主党」の政治家らが国民の反日感情を刺激したことが挙げられる。
ほとんどの政治家がゴーサインを出すのだから、ボイコットジャパンが全国に広がるのはもはや必然。

そのことを朝鮮日報がコラム「萬物相」で指摘する。(2020/11/14)

歴史問題・輸出規制問題の確執局面で反日扇動を率先し、「竹槍歌(竹槍を手に日本軍に反乱を起こした東学軍を題材にした歌)」を歌った共に民主党は、東京五輪の競技場が放射能影響圏にあるという地図を公開し、「五輪ボイコットを協議する」と言った。

「竹槍部隊」が突然「土着倭寇」になったワケ

 

竹槍(やり)を持って日本に抵抗したという19世紀の民衆や、日本の支配と戦った「義兵」を持ち出すなど、韓国与党は国民をあおりにあおって「反日戦士」へと駆り立てた。

でも、ここ最近の与党政治家の様子はこのときと180度違う。

「日本が歴史問題で謝罪しなければ、全世界の良心が五輪ボイコットをするだろう」
「経済戦犯国に平和の祭典を主催する資格はない」

と去年はこんなふうに東京五輪反対を叫んで国民にアピールしていたのに、いまでは国家情報院院長や与党議員があいついで日本にやって来て「平和五輪になるよう積極的に支援する」と正反対のことを言う。
日本に対抗するよう「竹槍部隊」を訴えていた与党政治家がとつぜん、裏切り者や売国奴といった意味の「土着倭寇」になったという。

与党の院内代表も「新型コロナに疲れた全世界の人々を癒す東京五輪になるよう期待する」と語るなど、朝鮮日報によれば、いま韓国政府内は「猫もしゃくしも東京五輪を祭り上げている」という状態。
一年前に比べて、何という手のひら返し。手首の関節を痛めてしまわないか、不安になるほど。

そんな与党政治家を皮肉った上のコラムでは、そのワケとして「文在寅大統領は東京五輪のことで頭がいっぱいだ」と指摘し背景をこう説明する。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と米大統領選で当選を確実にしたバイデン氏を東京に呼び、南北米日首脳会談というイベントを繰り広げようということだ。「平昌冬季五輪」のような夢だ。これを実現させるには日本との関係が良くなければならない。

 

新型コロナがまだまだ世界的に大流行していてワクチンも未完性という現状を見れば、東京五輪を期待している日本人だって実際はどうなるか不安だ。
そんな日本をふくめ、北朝鮮やバイデン氏が韓国政府の呼びかけに応じるかどうかはまったくの未知数で視界は五里霧中。
でも北朝鮮との和解に無我夢中の文政権は、捕らぬ狸の皮算用をしながらワクワク感でいっぱいらしい。
そのためにいまは日本との友好をアピールしているのだ。

 

「経済戦犯国に平和の祭典を主催する資格はない」と怒ったと思えば、「平和五輪になるよう積極的に支援する」と目を輝かせて言う。
韓国の政治家がそのときの最善の利益に応じて「竹槍部隊」が突然、「土着倭寇」になるような反日と用日を使い分けるのは昔からある伝統的手段だ。
でも何度もそうされると、目の前の利益が変われば、「日本が歴史問題で謝罪しなければ、全世界の良心が五輪ボイコットをするだろう」とまた言い出すことは目に見えているから、韓国政府の言うはやっぱり信用ができない。
180度の変化を2回繰り返せば、結局は元に戻るだけ。

 

 

こちらもどうぞ。

【反日のツケ】議員の“親日行為”に、韓国で批判噴出

3月1日は「反日の日」。日本人の韓国旅行は危険なのか?

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

圧倒的多数が「韓国と断交を!」。日本の反応に韓国が衝撃。

 

2 件のコメント

  • 私は反日キャンペーンの脅威を感じながらも、今年の初めに日産自動車を購入しました。
    しかし、韓国を襲っている日本製品不買運動の影響で、日産自動車は韓国での事業から撤退してしまいました。
    私は非常に困っていて狼狽しています。全世界が自由貿易市場になった現代に、いまだに特定国家、それも切り離せない隣国の製品に対して不買運動をするということは恥ずかしい限りです。
    しかし、韓国が正常な政治力を回復すれば、このような問題は漸進的に解決されるでしょう。

  • 知人の韓国人が日本企業で働いています。
    韓国社会で言う「戦犯企業」で新しい取引先にその会社の名前を出すと、「そこの会社とは取引できない」と言われて拒否されることがあるといいます。
    値段や品質が良くても「戦犯企業」ということで拒絶して、高くて質の悪い別の会社の製品を使うのはバカげた話です。
    でも、いまの韓国はネットでたたかれるのが怖くて、日本企業との取引がむずかしいそうです。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。