今回は歴史クイズから始めよう。
江戸時代に享保の改革をおこなったことや、「米将軍」というニックネームでも有名な将軍って一体だれ?
ヒント(になってるか知らんけど)、この将軍の時代に象がやって来て江戸で「ゾウさんブーム」がおきた。
答えは8代将軍の徳川吉宗。
将棋が大好きだった吉宗公は、1716年から年に1度、11月17日(旧暦)に将軍の前で将棋の対戦をおこなう「御城将棋(おしろしょうぎ)」を制度化する。
それを記念してきょう11月17日は「将棋の日」となったのだ。
ご先祖の徳川家康もこれが好きで囲碁と将棋を幕府公認にしたというから、徳川家には「将棋好きの血」が流れていたのかも。
徳川吉宗(1684年 ー 1751年)
将棋を楽しむ江戸時代の子供
以前、中国を旅行していて、どこぞの街を日本語ガイドと歩いていると、路上で将棋をさしているおっさんを発見。
「中国人は将棋(象棋:シャンチー)が好きなんです。お金がかからないし、好きなときにどこでもできますから」
とガイドが言うのはいいけど、節度はほしいところだ。
上海にスターバックスが登場したころ、水筒を持参したおっさんが何人も入ってきて、冷房の効いた快適空間で麻雀か将棋をやり始める。
何も注文しないで席だけ借りて、心ゆくまで数時間ほどゲームを楽しんで出て行った。
そんな話を上海の日本語ガイドから聞いて、日本人とのいろんな壁を感じたことがある。
話を路上将棋に戻すと、そのガイドは将棋好きだったらしくてやり方をいろいろ説明してくれたのだけど、もうすっかり忘れた。
唯一おぼえているのは、「中国の将棋が日本に伝わったのです。日本文化の起源は中国にありますから」と客を相手に上から目線で言いやがったことだけ。
でもあとで調べてみると、この説はかなりアヤシイ。
まず日本将棋の起源は古代インドのゲーム、チャトランガにあるという説が有力だ。
このチャトランガが西のヨーロッパへ伝わってチェスとなり、東の中国ではシャンチー、朝鮮半島のチャンギ、タイのマークルック、そして日本で将棋になったといわれる。
日本に伝来した時期については諸説あるけど、6世紀から平安時代までのあいだに将棋が伝わったことは間違いない。
そのルートとしてはインドから直接日本へ伝わったという説もあれば、インド~中国~朝鮮~日本、それにインド~東南アジア~日本という説もある。
日本で将棋がいつどのように始まったかについては、ハッキリしないことが多くて謎につつまれたまま。
ただ中国起源説は薄いものの経由地になった可能性はあるから、それなら「原型は中国にある」と言うはことはできなくもない。
*6世紀~平安時代なら中国から伝わったと個人的には思うから、タイトルに「中国伝来」を入れたけど、これが歴史的事実かどうかは不明。
まぁとにかく中国には、「日本文化のルーツは中国文化にある」と思い込んでいる人が多杉。
中国将棋
津田 左右吉(つだ そうきち:明治6年 – 昭和36年)
日本文化の中には、中国文化の影響を受けたものが多いことはたしかだ。
ただ歴史学者で思想史家の津田左右吉は、日本が中国文化の世界につつみこまれたことはなく、変化を加えて独自の文化に変えたと指摘し、こう結論づけた。
日本のことを知れば知るほど、支那のことを知れば知るほど、日本人と支那人とは全く別世界の住民であることが強く感ぜられて来るのである。
「支那思想と日本 (津田 左右吉)」
*支那は中国のこと。いまこの言葉は侮辱語になるからNG。
日本は中国からいろんな文物を受け入れたけど、それをコピーするのではなく、新しい価値観や表現を加えて日本独特のものにしている。
その変化が日本文化の大きな特徴で、それは日本化された着物・扇子・ひな祭りなどで見ることができる。
将棋もこの法則の例外ではなく、「持ち駒使用」という日本オリジナルのきまりが作られて中国とは別のゲームとなった。
日本将棋連盟に言わせればそれは「画期的」。
将棋史上で特筆すべきこととして、日本ではこの時期に相手側から取った駒を自分側の駒として盤上に打って再使用できるルール、つまり持ち駒の使用が始まりました。
持ち駒の起源もあいまいで、11世紀~16世紀のあいだにできたという。
その時期はいつであれ、これによって将棋はさらに複雑で奥深いゲームへと昇華して、それを土台にしていまの日本将棋が築かれたのだ。
よかったらこちらもどうぞ。
> 「中国の将棋が日本に伝わったのです。日本文化の起源は中国にありますから」と客を相手に上から目線で言いやがった
> まぁとにかく中国には、「日本文化のルーツは中国文化にある」と思い込んでいる人が多杉。
あははー、いくら「カチン」と来ても、その場で反論しないところが、さすが、外国人に対して心優しいブログ主さんですね。
そのように内心考えている中国人が多いことは私も知っていますが、もしもそのような考え方をこの私に向かって口にした場合は、100倍くらいの勢いで具体的論拠をぶつけて反論して、相手の間違った認識もプライドもズタズタにしてやります。別に嫌われたってかまいません。
もっとも、私にも知り合いの中国人が何人かはいますが、全員が私の性格をよく知っているので、そのような無謀な態度を表に出すことは決してありませんけど。
わたしは「和を以て貴しとなす」が信条ですから。