日本が「日本海」と呼ぶ海を韓国の人たちは「東海」と呼んでいて、それを「世界基準」にしようとしている。
20年以上前、マレーシアの首都クアラルンプールにあるこのゲストハウスで、そんな「日本海呼称問題」があることを知った。
このゲストハウスの壁に貼られていた世界地図で日本を見ると、「JAPAN SEA(日本海)」が横線で消され、その上に「EAST SEA」という文字がボールペンで書かれている。
「東海ってなに?」と思ってマレーシア人スタッフにきいたら、「それは韓国人の客が書いたんだよ」と言う。
「『日本海』は間違った名称で正しくは『東海』。だから地図を訂正してあげよう」という韓国人の考え方や“親切心”がいまなら分かるけど、このときはまだ知らず、マレーシア人から聞いて初めてそんな「韓日戦」があることを知る。
面白いことにその「EAST SEA」も線で消されていて、その上に「JAPAN SEA」と書いてあって、さらにそれも線で消されていて…とこんな感じにエンドレス状態になっていた。
EAST SEA
JAPAN SEA
EAST SEA
JAPAN SEA
マレーシア人スタッフにとっては「EAST SEA」も「JAPAN SEA」も関係ないから、「勝手にやってろ。ただし宿の中でケンカはするな」で終わり。
「国際社会では日本海が標準になっていて、「東海」が正しいという韓国の主張は間違っている」。
そんな日本の立場の正しさは、192カ国が加盟し、世界で最も中立的な国際機関である国連が日本海の単独表記を公認としていることから分かる。
くわしい説明は外務省のホームページでどうぞ。
日本の主張の正しさを裏付けるのが国際水路機関(IHO)の海図で、そこに「東海」はなく、「日本海」だけしか書かれていない。
韓国にはこれが不満で、できるならそこから「日本海」を消し去って東海の単独表記、それができないのならせめて「日本海・東海」の併記をねらってこれまで活動してきた。
ことしIHOの海図が新しくなるということで、そこに「東海」を入れようとする韓国と、それを阻止して「日本海単独表記」を維持しようとする日本のあいだで「韓日戦」が行われていた。
このたび結果が判明したことで、茂木外相が記者会見でこう話す。
産経新聞の記事(2020.11.17)
国際水路機関(IHO)の総会で、従来通り「日本海」との単独呼称を維持するとした事務局長案が暫定承認されたことに関し「きちんとわが国の主張が通っている」と述べた。
「日本海」単独呼称維持に「わが国の主張通った」 茂木外相
これまでどおり日本の主張が認められたのだから、「なんだ、日本はまた勝ったのか」と思いたいところだけど、これは「紙の海図」での話。
IHOはこれとは別にデジタル版の海図を作成する予定で、そこには「日本海」の呼称はなく、数字で表記されることになる。
それをもって韓国側は「勝利宣言」をした。
朝鮮日報の記事(2020/11/17)
出席国は各海域を名称ではなく数字で表記することに同意した。(中略)IHOの表記を根拠に東海を「日本海」だと主張するのは難しくなりそうだ。
IHOが海域名称を数字表記へ 「日本海」主張の根拠消えることに
なるほど。だが待て。
新しい海図では日本海・太平洋・大西洋・インド洋・地中海など世界中の海が数字で表記されるから、韓国の考え方だと、それらの海の根拠も消えることになる。
そんなことがあるはずなく、従来の「紙の海図」にはそれぞれの海が明記されていて、その中に日本海が単独表記されているのだ。
つまりIHOが公認した海図で、「東海」が記載される可能性は絶望的になったことになる。
それでもあちらは「韓日戦」で負けを認めるわけにはいかないから、いま新たな闘志を燃やしている。
中央日報の記事(2020.11.18)
「戦争」はこれからだ。(中略)韓国外交部の関係者は「東海表記が定着するよう総力戦をする」と述べた。
「東海・日本海」の代わりに数字導入、「東海」表記争いはこれから
これから「シーズン2」が始まるというから、世界中のゲストハウスは覚悟するように。
でもホントいい加減にしてください。
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