東南アジア旅行で見た「感謝される日本」、誇るべき技術力

 

さて今回の内容はこんなんですよ。

・アジアで活躍する日本の技術力
・それでも、バングラデシュ人は日本が好き
・福沢諭吉の「世界に誇るに足るべき事実」

 

・アジアで活躍する日本の技術力

東南アジアの国では反日感情なんてものはない!
と言っていいほど、日本人が肌で感じるレベルでそんな感情はほぼないのが実情だ。

東南アジアでは日本のイメージはとても良いし、親日国であふれている。
その理由は戦後から現在まで、日本がアジアの国々してきたことを現地の人が正しく認め、評価してくれているからだ。

いま東南アジアの人たちが関心をもっているのは、「日本がむかし母国に何をしたか?」ではなくて、「日本がいま何をしているか?」ってこと。

彼らが知っている日本は70年前の日本ではない。
東南アジアで技術支援をおこない、橋や学校をつくっている現在の日本だ。
海外旅行に行くと、日本の技術が現地で活躍していることがよく分かる。

 

バンコクの地下鉄にあるプレート。
日本の技術支援があったことを伝えている。

 

日本の支援は、現地の人たちとても良い影響をあたえている。
このことによって、アジアの人の心に親日感情が芽生えている。

たとえば、カンボジアに行ったときにはこんなことがあった。
ボクが日本人だと分かると、そのカンボジア人が「これを知ってるか?」と500リエル札を見せる。

そのお札には川にかかる橋がデザインされている。

 

500リエル札の「キズナ橋」

 

「いえ、分かりません」とボクが言うと、そのカンボジア人はこんなことを言う。

「このお札にある橋は、日本がつくった橋なんだ。『キズナハシ(きずな橋)』って言うだ」

500リエル札はよく使っていたけど、そんな話はまったく知らなかった。
彼は「キズナ」の意味は知らなかったから、それは教えておいた。

「いい意味だな。この橋は日本とカンボジアをつないでいるんだな」

と言って彼が笑顔を見せる。

 

キズナ橋
スパンは「橋」という意味。

 

ベトナムからカンボジアへ向かっているときにも、日本の技術支援の話を聞いた。

ボクが日本人だと知ったベトナム人が、建設中の橋を指して言う。

「あの橋は今、日本が作ってるんだぞ」

このときはそれが何の橋か分からなかったけど、これが去年完成した「つばさ橋」のことだったと思う。

この橋については、JICAのホームページにくわしく書いてある。

カンボジアで「つばさ橋」開通――ベトナム・カンボジア・タイが1本の道路でつながった

この橋は、2羽の鳥が手を取り合い、翼(つばさ)を広げているように見えることから、カンボジアと日本のさらなる関係発展を祈って、「つばさ橋」と命名された。

 

このページを見て知ったことがある。
カンボジアの新しい500リエル札にも、この橋がデザインされている。

つばさ橋の開通を機に発行される新500リエル札には、カンボジア・日本の国旗と共に、きずな橋とつばさ橋が描かれる。カンボジア国民にとって、二つの橋がますます身近な存在となるに違いない。

ミャンマーのバス
From the people of Japan(日本の人たちから)の文字が見える。

 

現地の人から「見ろよ、あれは日本がつくった橋だぞ」と言われると、やっぱりうれしくなる。
日本の技術力が海外で活躍しているのは良いことだ。

韓国もそうしてくれたら良かったのに。
ソウルの地下鉄は日本の経済支援と技術支援があって完成している。
でも日本の支援については国民に知らせようとはしない。

韓国の発展に日本が貢献していることを知っていたら、国民の反日感情も今のものよりは小さかったのではないかと思う。

 

タイのミスド

 

・それでも、バングラデシュ人は日本が好き

最近、バングラデシュのダッカでテロ事件が起きた。
このテロで7人の日本人が亡くなったている。

この事件について、テレビ番組でコメンテーターがこんなことを言っているのを聞いた。

「日本が現地で貢献してきたことは何だったんだ?」
「日本がしてきたことは意味がなかったのではないか?」
「親日的な国、親日的な人びとというのは過去の話になった」

そうだろうか?
そんなことはないだろう。
現地のふつうの人たちは、テロリストとは違う考え方や価値観をもっている。
テロリストにとっては「意味がない」と見えた日本の貢献は、圧倒的多数の人たちからは感謝の対象になっている。

 

週刊新潮(7月14日号)でも、「日本人を守れなくて申し訳ない」という現地の警察官(グルジャン警察署ジャキール副署長)の言葉を伝えている。

彼らはバングラデシュを良くするために日本から来てくれた。バングラデシュの地下鉄などインフラプロジュクトで一生懸命に働いてくれた。
彼ら日本人は非常に温和で平和的な人間だ。そんな人たちを救えなかった。そのことを恥ずかしいと思う。とても、とても恥ずかしいと思う。

バングラデシュの人たちが今でも親日的であることは変わらない。

 

 

・福沢諭吉「世界に誇るに足るべき事実」

日本人の技術力の高さは、江戸時代の日本に来たアメリカ人のペリーも気づいていた。

実用的、機械的技術において日本人は非常に巧緻をしめしている。(中略)かれらの手工業の技術の熟練度は素晴らしい。日本の手工業は世界のいかなる手工業者にも劣らず熟練である。

(日本賛辞の至言33撰 ごま書房)

 

この言葉の正しさを証明するようなことを、幕末の日本人はやってのけている。

初めて蒸気船を見たとき、日本人は自分たちの手で蒸気船をつくることを決めた。
そしてその船で外国に乗り出そうと考えた。

日本人は外国人から航海術を学んで、とうとうアメリカに向けて出発するまでになる
そのときの気持ちを、福沢諭吉はこう記している。

万延元年とは1860年のこと。

日本人が初めて蒸気船なるものを見たのは嘉永六年、航海を学び始めたのは安政二年のことで、安政二年に長崎においてオランダ人から伝習したのがそもそも事の始まりで、その業成って外国に船を乗り出そうということを決断したのは安政六年の冬、すなわち目に蒸気船を見て足掛け七年目、航海術の伝習を始めてから五年目にして、それで万延元年の正月に出帆しようというその時、少しも他人の手を借りずに出掛けて行こうと決断したその勇気といいその技倆といい、これだけは日本国の名誉として、世界に誇るに足るべき事実だろうと思う

(福翁自伝 岩波文庫)

 

2015年に、国産のジェット旅客機「MRJ」が登場した。
このときの日本人の喜びも、明治の福沢諭吉が感じた「日本国の名誉」や「世界に誇るべき事実」といったものに通じるものがあると思う。

現在の世界では、日本の技術力は日本だけのためではなくて世界の人のためにも役立っている。
それは海外旅行に行けば分かる。
外国で見かける日の丸は頼もしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。