【日本人とインドネシア人】時間・対人・言語感覚の違い

 

ことし3月、4人のインドネシア人と富士山を見に行ってきた。

なのでこれから、そのときボクが感じた、または彼らから聞いた日本人とインドネシア人の考え方や文化(というか言語)の違いなんかを書いていこう。

まず、感じさせられたのは時間感覚の違い。
ボクが待ち合わせ場所である彼らのアパートに5分前に着いたとき、到着する10分前に連絡したにもかかわらず、そこで待っていたインドネシア人は2人だけ。
5分後に1人が降りてきて、10分以上遅れて最後の1人がやってきやがりました。

友人を待たせてるというのに2人ともあせる様子は皆無で、ラスボスが登場するシーンのようにゆっくり歩みを進めて、「ごめんなさい」の代わりに「よっ!」と笑顔でみんなにあいさつする。

このルーズな時間感覚や礼儀のなさは一体なんなんだ!
と怒ったのは昔の話で、これまでいろんなインドネシア人と行動をともにしてきたから、こうなることは知ってた。
だから今回もインドネシア人との“時差”は想定済みで、来てほしい時間の15分前を集合時間に設定して連絡していたから、今回のメンバーは予想より5分“優秀”だ。

でもやっぱり、「いま準備している。5分遅れる」といったメッセージもなしで遅刻してきて、1ミリの罪悪感もない表情を見るとやっぱり少しウンザリする。

 

あとで個別に話を聞いたら、先にいた2人のインドネシア人は彼らに対する怒りはゼロ。
「10分、15分遅れても何の問題もないですよ。多少の迷惑をかけるのが友だちじゃないですか」と話す姿はあなたは菩薩ですか?
そんなさわやかな表情をされると、あの態度に少しイラっとしたこちらの器が小さいようで居心地の悪さを感じてしまう。

そもそもこの2人に「待たされている」という感覚はなく、その時間も誰かと話をしていれば楽しいし、もし1人だったらネットで至福の時間を過ごせばいいと言う。
これはインドネシア人全般に言えることだけど、彼らは基本怒らないし、どんな状況にも発想を変えてポジティブに対応する柔軟性がある。
ということを他のインドネシア人も知っているから、堂々と平気で遅れてくるのだ。

 

 

さて、日本とインドネシアにはどんな同じと違いがあるだろう?

どっちも「アジアにある島国」という点では共通しているけれど、同質性が高い日本に対してインドネシアには多様性が高い。
日本は全国どこに行っても同じ人間がいて同じ言葉を話す一方、多民族国家のインドネシアには200~300ほどの民族がいて500以上の言語がある。

そんな多様性は今回の富士山ツアーでも感じた。
高速のSAでトイレ休憩をとったとき、先に車に戻っていた2人が何やら楽しそうに話をしている。
近くで言葉を聞いていると、何となく「インドネシア語と違くね?」と思ったから話をきくと、2人ともジャワ出身だからジャワ語で話をしていると言う。
でも、4人で会話をするときは公用語のインドネシア語に切り替えるというのが、インドネシア人にとっては日常茶飯事で常識。
さらに言えば、外人のボクが入ると英語と日本語のちゃんぽん言語になる。

相手の出身地によって使う言葉をかえるというのは、例外をのぞけば、日本人どうしではあり得ない。
秋田と青森出身の人間が東北弁で話をしているのを聞いたとき、できれば字幕がほしいところだけど、なくても内容の7割ぐらいは理解できた。

でもインドネシア人の場合はそんな「分かりにくい」というレベルではなく、まったく別の言語だから、違う地域の人間にとっては外国語も同然。
そんなことで他の地域の人には知られたくないことを言うときには、あえて身内の言語を使うことがあるとか。
といっても悪い意味ではなくて、例えば誕生日のサプライズパーティー(インドネシア人はドッキリが好きらしい)をしているときに、「プレゼントはどこだっけ?」「あそこの棚」といった感じに秘密のメッセージとして使うと言う人もいた。

 

同質性の高い日本にこういう多様性はない。
けど、表情や態度などの全体的な「空気」で意思を伝えるのは日本人の得意とするところ。
言葉を使わなくても、考えや気持ちを伝えて理解する日本人の必殺技「以心伝心」が、インドネシア人には分かりづらいから、日本人との付き合いでけっこう苦労するらしい。
そんな日本人のコミュニケーションの話をすると、1人のインドネシア人が「日本人は忍者ですからね」と感心する。
何がどう忍者かよく分からないけど、インドネシア人は忍者にそんなイメージを持っているらしい。
まぁ彼だけかもしれないけど。

 

 

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2 件のコメント

  • >10分前に連絡したにもかかわらず、そこで待っていたインドネシア人は2人だけ。
    >5分後に1人が降りてきて、10分以上遅れて最後の1人がやってきやがりました。
    >でもやっぱり、「いま準備している。5分遅れる」といったメッセージもなしで遅刻してきて、1ミリの罪悪感もない表情を見るとやっぱり少しウンザリする。

    うーん、どうかな。それはちょっと、ブログ主さんの感覚の方が厳しすぎると思いますよ。

  • ああ、それともう一つ。
    一般国民が誰でもほぼ例外なく、私生活においても、腕時計をしている(もしくは腕時計に代わり得る携帯電話やスマホを持ち歩いている)なんていう国は、おそらく、世界でも日本だけじゃないですかね。
    少なくとも東南アジアにはそんな国はありません。私が知る限り、ヨーロッパでも、北米でも、そんな国はありませんでした。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。