【基本テキトー】日本人がインドネシア人と付き合う心がまえ

 

上の写真はマレーシアの鉄道駅。
ヒジャブをかぶったイスラーム教徒の女性がかっ歩している。

ここ数年の間に、日本の街でもヒジャブをかぶったイスラーム教徒を見かけるようになったと思いませんか?

個人的には浜松のマクドナルドやイオンなんかでたまに見る。
そんな彼らはインドネシア人である可能性がとても高い。

ここ数年、日本に来るインドネシア人旅行者は右肩上がりで、2014年には約16万人だったのが2018年には約40万人と2倍以上に伸びているのだ。
インドネシア人の約9割がイスラーム教徒だから、日本でインドネシア人のイスラーム教徒を見かける機会も当然増えている。

だから多文化共生が進むこれからの日本では、いつかインドネシア人の友だちができて付き合いが始まるかもしれない。
“いつか”は未定だけど、くるときは突然だ。
ということで今回は、インドネシア人との付き合いで日本人に必要な心掛けや覚悟について書いていこうと思う。
最初に言っておくけど、これはボクの経験による個人的な意見ですよ。

 

まずは、最近あったインドネシア人とのやり取りを紹介したい。

インドネシアについて知りたいことがあったから、日本の大学で学ぶインドネシア人留学生に飯でもおごって話をきこうと考えた。
それで彼に都合をたずねると11月15日(金)ならOKというから、「ではその日に会いましょう」とメッセージを送った。
すると13日に恐れていたことが発生。

「すみません、15日私できなくなりました」

理由はなしの、結論だけのシンプルで腹立つメッセージだ。
問いただしたいことは多々あったけど、「相手はインドネシア人だから」の一言でその思いを断ち切って、次の日の土曜日に時間がないかたずねてみた。

するとこんな返事がくる。
*臨場感(そのとき、その場にいるような感じ)をだすために、日本語の間違いはそのままにしておこう。

「明日、私は9時から15.00バイトです」

土曜日の夜はこちらに用事があったから、あさって日曜日に2時間ぐらいヒマがないかきく。
するとそれきり返事がなくなった。

そして次の日の土曜日、深夜1時ごろにこんなメールが届く。

「こんばんは今バイト帰ったばかりです」
「私は明日はの朝なら暇です」

このときボクは夢の中で、翌朝(日曜日)このメールに気づく。
15時に終わる予定が深夜まで伸びるか?ひどいブラックバイトだなと思いつつ、とりあえずきょうの朝なら大丈夫ということだから、すぐにこんなメールをする。

「おはよう。では今日の10:00に会いましょう。このまえのローソンに来てください。」

このとき7:46。
でもこのあと返事がこない。
9時30分に、10時の待ち合わせでいいかどうかもう一度メッセージを送る。
でも何の反応もなく、ラインも既読にもならない。
そのまま午前中は終わって午後に入って時間は過ぎていき、午後5時13分に彼からこんなメールが。

「すみません、私は今日の朝11時起きてました」
「そのあとlineを見てなかったです」

「朝11時起きてました」はきっと「朝11時に起きました」ということだろう。

 

彼は本当に、すがすがしいまでにインドネシア人だ。
ボクが頭に思い描くインドネシア人がまさにこんな人。

「私は明日の朝なら暇です」と言ったにもかかわらず、その日の朝は11時に起きてメールを確認しないで午後まで過ごす。
でもこれは言い訳で、午前中、同じアパートのインドネシア人の友だちと遊んでいたかもしれない。

とにかく経験上、こういうインドネシア人はきわめて多し。
日本人なら「相手に迷惑がかかるから」と思ってすることを、インドネシア人はまるでしない。
今回のケース、日本人なら9時ごろには起きて、メールがきてないか確認するだろう。

「明日の朝なら暇です」というメッセージを送っておいて、そのままにしておくと相手を「待機状態」にさせてしまうかもしれない。
そのへんのことを考えないで、その日の午後5時まで放置するという無責任は日本人だったらまず考えられない。
「親しき中にも礼儀あり」の原則にしたがえば、キレてもいい案件。
でも、「相手はインドネシア人だから」の一言で万感の思いを断ち切って前に進むしかない。

 

インドネシア人には、「人間の付き合いだから相手に迷惑をかけることもある。でもそれはお互いさま。それを許すのが友人というもので、迷惑をかけたりかけられりするのが友情だ」という寛大で甘えた認識があるから、時間に遅れるしドタキャンもする。
そしてそれについて謝罪することはない

上のインドネシア人留学生には前にもこんなことがあって、そのときも「すみません」を何度か言ったけど、相手が日本人だったからだろう。
それにそう言ったところで、その後の彼の行動にはまったく変化がなかった。
「言えばいい」と思っているのでは?

 

ということでもし日本人がインドネシア人と付き合うなら、遅刻やドタキャンを前提にすることをおススメする。
そしてそうなった場合はすみやかに「プランB」へ移行するのだ。
あらかじめ相手が来ないことを想定していて、それがわかったら、読書や掃除、買い物などひとりでできることをする。
今回の場合、10時ごろに「今日は無理だな」と思ったから、話をきくのはあきらめて、その日はブログ記事を書く日にした。

「相手が遅刻しても、それを謝らなかったとしても絶対に怒らない」と自分に誓う。
ドタキャンされたら、「そのおかげでこんなことができた!」と明るい気持ちになれる別プランを用意しておく。
*今回はメールのやり取りで腹が立ったから、この怒りを記事に昇華してやろうと考えた。
メールが遅かったり、こなかったときも同様だ。
日本人がインドネシア人と付き合うときはこういう心掛けが大事だと、これまでの経験から言わせてもらいたい。

 

まあ、さんざんなことを書いてきた感もあるけど、こんな思いでインドネシア人と付き合っているのも、それ以上にメリットがあるから。
イスラーム教について本で知ることとイスラーム教徒から聞くことは別で、やっぱり信者でないと分からないこともある。
イスラーム教の教えを守りながら、ほぼ無宗教の日本でどう暮らしているのかも興味深い。
日本の神社仏閣や日本人の信仰について外国人やイスラーム教徒の見方を知ることで、日本を再把握することもできる。
でも価値観や基準は外国人と日本人では違うから、そこから生まれる摩擦は当然ある。
そんなストレスを軽減させるなら、こちらの心がまえを変えるしかない。

 

 

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2 件のコメント

  • > 今回のケース、日本人なら9時ごろには起きて、メールがきてないか確認するだろう。

    そりゃそうですが、そんなことを国民の大半がやるのも日本人とスイス人・ドイツ人くらいじゃないですか?
    ビジネスの段取りじゃないんだから。朝起きて、まあ、時間があって気が向いたら着信チェックくらいはするかもしれない、その程度が世界の標準・主流派だと思いますよ。
    相手は友達とは思ってないかもしれない。本当は気がすすまないけど、無下に断るのも申し訳ないと思っただけかもしれない。また、本当に急用が突然舞い込んだのかもしれないし。あるいは「その日本人には会ってはならぬ」という神のお告げがあったのかもしれない。
    日本人は、カチカチせかせかし過ぎです。自分達と同じ考え方を、よく知りもしない外国人に期待してもしょうがない。血圧が上がって早死にするだけですよ。イスラム教では、約束ごとには「インシャラー(神のおぼしめすままに、つまりは「運が良ければ」ということ)」と答えるのですから。

  • そんなこともないです。
    外国人もメールの確認ぐらいしますよ。
    インシャラーは、自分は最善を尽くすけれど最後はアッラーが決めるということで、できない言い訳を先にするわけではありません。
    まあ、そういう人もいるでしょうけどね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。