きょう11月21日、富士市に住んでいるインドネシア人がこんな写真をSNSにアップした。
ことしは富士山の初冠雪が過去130年で最も遅かった(11月7日)けど、やっと本気を出してきたようだ。静岡人としては、雪化粧の富士山を見ると「もうすぐ冬だな」と思う。
さて、この前、日本に住んでいたイギリス人女性と話をしたので、これからその内容を紹介しようと思う。テーマは「季節の移り変わり」について。
ーー日本で秋は「食欲の秋」と言われていて、旬を迎える食べ物には鮭・サンマ・さつまいも・かぼちゃ・きのこと山盛りあるた。でも、イギリスは違うらしい。しょくよ
ロンドンに住んでいた日本人が、スーパーに行っても並んでいるものは1年中ほとんど同じだから、「旬」の感覚が薄くなったと言っていた。
それはそうかも。日本にいたころは意識したことがなかったけど、確かにスーパーでは旬のものをアピールしていた気がする。
昔はイギリスでも、市場で売っている野菜や果物は季節によって変わっていたけど、今では外国から輸入されているから、スーパーの品ぞろえは一年を通してそんなに変わらない。
でも、味や質は変化する。たとえば、イギリスでイチゴは夏にとれるから、その時期のものはおいしいけど、今の11月に売ってるイチゴは輸入物で味はイマイチ。
ーーそれだと「旬」の感覚は鈍感になりそう。
イギリスにも旬の考え方がなくもないけど、イギリス人は日本人ほど、季節の移り変わりに敏感じゃないから。
ーーこれも旬の一部だと思うけど、日本人は初物をすごく大切にしている。
江戸時代には、初物は縁起が良いと大人気になって社会問題になったから、幕府が初物を禁止する法律を出したこともある。
イギリスにも初物を重要と考える文化はある?
うーん、それはないと思う。
ーーお茶は?
日本では、その年の最初に収穫された新芽で作った新茶も初物の一つで、人気がある。イギリスでもその年の最初の紅茶は人気がある?
ないないww。
イギリスでは国内で紅茶の木を育てていなくて、一年を通して海外から輸入しているから、「新茶」なんて分からない。紅茶で季節感は感じないけど、ジャガイモなら、春ごろに出る「新じゃが」がとてもおいしい。
ーーそうか。
(紅茶のシステムに関しては、世界中の植民地から輸入していた大英帝国の時代と同じでは?)
日本の季節の移り変わりは魅力的だけど、一年中スーパーで同じものを売っているほうが安心感があって、イギリス人にはそのほうが合っていると思う。
ーーまぁ、季節によって売っているものが変わることは、良いことでも悪いことでもない。
日本に住んでいるアメリカ人から、「四季があるのは一つの特徴で、アフリカや南極より優れているわけじゃない」って言われたことがある。日本に豊かな四季があることは事実でも、“季節マウント”を取ろうとする日本人はウザいと思う。
イギリス人は天気の話をよくするけど、日本人は季節の話が多いかも。
ーー旬とは関係ないけど、日本に住んでいたインド人が、夕方の半額シールが貼られるころに行くのが日本での新しい習慣になったと言ってた。
それはわかるwww
ーー食べ物ではあまり変化がないとしたら、イギリスでは季節の移り変わりをどんなふうに感じる?
木や花などの自然の変化とか、個人的には行事で季節の変化を感じる。
10月にはハロウィンがあって、それが終わると今度は11月5日にボンファイアがある。今はそれも終了して、スーパーに行くとクリスマスのグッズを売っている。
ーースリランカ人やインドネシア人に季節の変化について聞くと、自然環境は大きく変わらないけど、マンゴーやドリアンなどのフルーツが出回ることで、季節が変わったと実感すると言っていた。
熱帯の国は果物で、欧米はイベントか。
おもにキリスト教に関する行事。日本で春の象徴は桜や花見だけど、イギリスではイースターになると「春が来たな」って実感する。
ーー日本の気候と違って、イギリスには雨期がなく、台風に襲われることもない(例外はある)。雨や雪がドカドカ降ったり、蒸し暑くなったりしなくて、一年を通してわりと安定しているから、イギリスでは行事が季節の移り変わりの目安になっていると。
そうだと思う。
日本の桜や紅葉はとても素晴らしいし、大好きだった。イギリスに戻ってきて、そういう変化を楽しめなくなったのはちょっと残念。
1605年の11月5日、ロンドンで国王が爆殺されそうになったが、直前に発覚して未遂に終わった。ボンファイア(ガイ・フォークス・ナイト)はその火薬陰謀事件を記念するイベントで、盛大な花火が打ち上げられる。
イースターはイエス・キリストが復活したことを祝う祭りで、欧米では春の風物詩になっている。
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