【韓国の無責任】慰安婦問題が解決しても終わらない理由

 

日本と韓国の間では、いつまでたっても歴史問題が終わらない。
その大きな理由は問題をつくり出す韓国側の無責任にある。
問題でないものを問題視することで問題化してしまう。
すでに終わった過去を蒸し返して、「あれで終わったことにはならない」と言い出して現在の問題にしようとするから、日韓にはいつもいろんな過去問題がつきまとっている。

旭日旗問題もそのひとつで、それについてはこの記事をどうぞ。

韓国の「問題視」という大問題。日本がとるベスト対応は?

 

現在の慰安婦問題もまったく同じで、これは韓国側がつくり出した問題だ。
この問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」だけど、それに納得しない韓国側に日本がゆずって、2015年に慰安婦合意を結んで「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。
このとき日本は安倍首相が心からのお詫びを表明して、韓国側に10憶ドルをわたしている。
でもその数年後、ムン大統領が「あれで解決したと言ってはいけない」などと言い出して、ことしになって慰安婦財団を解散させてしまった。

韓国政府は慰安婦合意を一方的に破棄したと同じで、これによって「韓国は約束を守らない無責任な国」というイメージが日本で広く定着する。

これまで二度の最終的解決を確認した慰安婦問題だけど、韓国ではいま「三度目」が始まっている。
元慰安婦やその遺族らが日本政府を相手に損害賠償を求めた訴訟がソウル中央地裁で開かれた。
これに対して日本政府は国際法上の「主権免除の原則」にもとづいて出廷を拒否。
外国の政府が他国の裁判を受けることを免除されるのは、国際法上、認められているから。

いまはだいぶ慣れてきたけど、日本を相手にした韓国の国際法無視は相変わらず。

この事態を産経新聞は社説(2019.11.17)で、「慰安婦訴訟 国際法無視の暴挙である」と怒っている。

日韓合意について、韓国政府は「合意には法的拘束力がない」(康京和(カン・ギョンファ)外相)とする立場だ。国家間の信義など、どうでもいいということなのだろう。

「どうでもいい」ということはないだろうけど、反日愛国はそれを上回る正義ということだ。

 

訴訟を静観している、韓国政府の姿勢もおかしい。一連の「徴用工」訴訟で、「政府が介入することではない」として司法に責任転嫁した構図と同様である。

 

韓国司法が国際法を尊重して主権免除を認めて原告側の主張を退けたら問題ないのだけど、「主権免除の適用外」という判断が出たら、日韓はとんでもないことになる。
そうなると日本統治時代に起きたことなら、何でも日本政府を訴えることが可能になりかねないから。そしてその場合、原告側がきっと勝つ。

朝鮮日報の記事(2019/11/14)

3・1運動、関東大地震当時の虐殺行為、穀物・鉱産物の収奪、創氏改名など日帝の不法・強制的行為の大半について、被害者とその子孫が日本政府を相手取り訴訟を起こせば、勝訴する可能性があるためだ。

韓国で日本政府相手取り慰安婦裁判、両国に新たな波紋

 

今回の司法判断は慰安婦問題を超えて、日韓関係を根底から破壊する衝撃を秘めている。
それを不安に思う人は韓国側にもいて、上の記事では韓国の大学教授が「国内にある日本政府の資産が強制執行の対象となり、その場合は取り返しのつかない外交紛争に発展しかねない」と話している。

でも、国民情緒が法を上回る「情治国家」でこんな理性的な主張がどこまで通じるのか。

中央日報の記事(2019.11.14)が伝える裁判の様子を知ると不安しかない。
*「李さん」は原告のひとりで元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん。

李さんは発言の機会を得ると椅子から立ち上がって法廷の床に座り込み「賢明な裁判長、私たちには何の罪もありません」として「日本は堂々としているなら裁判に出てこなければならない」と泣き叫んだ。

慰安婦被害者の李容洙さん「私たちには何の罪もありません」法廷で嗚咽

これを見て傍聴席からはすすり泣く声が聞こえて、弁護団も涙を流す。

 

日本政府はこの人たちを「罪人」なんて言っていないから、韓国国内でそんな声があるのだろう。
国際法にもとづいて日本は裁判に出てこなかったのだけど、そんな主張は、泣き叫ぶ老婆の前ではきっと役に立たない。
韓国の裁判長や司法が本当に賢明かどうかが試されている。
でも、きっと法は負けるだろう。

二度も「最終的な解決」を確認した慰安婦問題がいまだに終わらない理由はシンプルで、韓国側が合意や法を守らないから。
それを“正義”に変えて正当化するというデタラメな態度をとるからだ。
そのときの都合で封印した過去を問題視して問題にするから、解決したのに終わらないという状態が生まれてしまう。
韓国の無責任には、日本は法の順守で対抗するしかない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。