きょねん日本の大学で学んでいて、いまはブレーメンにいるドイツ人とこのまえスカイプ話をしたので、今回はそのときの内容を紹介しようと思う。
自分用のメモでもあるので簡単に書くし、それとこれはあくまでこのドイツ人の見方や意見。
・日本人のソウルフード、おにぎり。
そんな全国どこにでもあるような手軽な食べ物がドイツにあるか聞くと、「それならプレッツェルですね」と言う。
・お好み焼きやラーメンのようなB級グルメ的な食べ物をきくと、「それならカレーヴルストですね」と言う。
焼いたソーセージにカレーソースやケチャップを付けたものだけど、種類はいろいろある。
カレーヴルスト
・このフライドポテトはドイツ語でポメスという。
正式にはポムフリ(pommes frites)で、これは「揚げたジャガイモ」というフランス語(Pommes frites)がそのままドイツ語になった。
・ジャガイモを食べる習慣はドイツからフランスへ伝わり、フライドポテトの名称はフランスかベルギーからドイツへ伝わった。
はじめフランス人はジャガイモを食べようとしなかった。そんな食習慣をドイツの戦争捕虜となったパルマンティエが変えた。
・ドイツのソーセージは有名だけど、起源はドイツではないと思う。
ドイツの冬は長くて寒いから、そのための保存食としてソーセージが作られてドイツで発展した。
冬を越すための保存食ということなら、このまえ記事で書いた韓国のキムチを連想する。
・日本のお寺や神社に入るときは、手水で心身をキレイにする。
ドイツではカトリックの教会に入ると、指で聖水に触れて額で十字を切る。意味は神道の手水と同じで、神に近づくために心身を清めるのだと思う。
でも、エバンゲリッシュ(プロテスタント)の教会ではそんなことをやらない。
手水はカトリックの発想に近いか。
「風流だな」とボクは思ったけど、一緒にいたベトナム人はこの手水を見て「金魚がかわいそう」と引いていた。
・ドイツについて誇りに思うことは、個人的には特にない。
あえて言えば健康保険制度が充実していること。国民のだれもが病院で必要な治療を受けることができる。だからこの点でアメリカを「遅れてる」と批判するドイツ人もいる。
それと経済力かな。
「日本でも有名なノイシュバンシュタイン城は?」と聞くと、あれはドイツの自慢やシンボルとは言えないとのこと。
ノイシュバンシュタイン城
・ドイツで奴隷制度はあったか。
数百年前なら奴隷貿易は行われていたと思うけど、よく分からない。
アフリカの植民地に奴隷がいて現地で使役されていたけど、ドイツ本国に黒人奴隷を連れてきて使っていなかったという話は知らない。
ただ、「人間動物園」のようにしてアフリカ人の生活を見ていた。いまから考えたらひどい話だけどね。
ドイツだけではなく、19世紀~20世紀に欧米ではよく「人間動物園」があった。
「野蛮で未開」な人間の文化や生態を観察するというイベントで、人種差別や植民地主義を象徴するもの。
アメリカのミズーリ州で開かれた万国博覧会で、「展示品」となったアフリカ人(1904年)
・「人権」の考え方はヨーロッパで生まれて世界へ広がったけど、ヨーロッパ人がそれを誇ることはできない。
知人のフランス人は、現在の自由・平等・人権の概念はフランス革命でうまれたと歴史を誇るけど、ドイツ人だったら自国の歴史を自慢することはない。
> ・「人権」の考え方はヨーロッパで生まれて世界へ広がったけど、ヨーロッパ人がそれを誇ることはできない。
> 知人のフランス人は、現在の自由・平等・人権の概念はフランス革命でうまれたと歴史を誇るけど、ドイツ人だったら自国の歴史を自慢することはない。
それはまた、ずいぶんと自国に対する悲観的・自虐的な考え方ですねぇ。おそらく、かつてのナチス・ドイツの歴史に対する拒否感とか、現代の移民差別や社会不安が影響しているのだろうけど。
キリスト教の影響で「人権」という考え方が生まれ、紆余曲折を経て世界へ拡がりつつある(まだ完全に普及するには程遠い)ことは事実で、たとえ今でも運用を誤っている地域があるにしても、そのことをヨーロッパ人は誇りに思ってよいと思います。
フランス人だけでなく。