10年以上も日本で生活していて、母国よりも人種差別が少なくて住みやすいからと、日本への帰化を考えているアメリカ人が知人にいる。
歴史が好きな彼が先週の12月7日、ある有名人のこんな言葉をSNS上でシェアしていた。
—Remembering December 7th, 1970–
“The most dramatic moment of (Willy) Brandt’s career happened during his visit to Poland’s capital, Warsaw, in 1970.
1970年のこの日、西ドイツのブラント首相がポーランドの首都ワルシャワにあるユダヤ人犠牲者の追悼碑を訪れ、その前で跪(ひざまず)いてナチス=ドイツが戦争中におこなったユダヤ人虐殺について謝罪した。
この追悼碑の前で、ブラント首相は下のように跪いて献花した。
これを「最もドラマチックな瞬間」と感動するのはいい。
こんないさぎよいブラント首相とは対照的に、過去の蛮行について跪いて謝罪していないリーダーが世界にいるという。(By contrast, think of the many other leaders who did not kneel and apologize)
このあたりでした嫌な予感は的中して、「Japanese Prime Ministers to Korean and Chinese」とある。
でも、ドイツと日本ではやったことがまったく違う。
ナチスはユダヤ人という民族を絶滅しようと本気で考えて強制収容所を建設し、ヨーロッパ各地にいたユダヤ人を強制連行して「害虫」を駆除するように毒ガスで殺害していった。
「ホロコースト」と呼ばれるこの大虐殺の犠牲者は約600万人といわれる。
それに対して日本は戦争中、朝鮮人や中国人の絶滅を考えたことは一度もなく、そのための強制収容所なんて存在しない。
当時の日本がひどいことをしたのは事実としても、ホロコーストは別次元にあるから、それと同一視して「ブラント首相と同じように謝れ」と要求されても困る。
それにドイツが植民地支配した国々に謝罪したという話は聞いたことがないけど、日本は韓国に何度も謝罪した。
1965年の国交正常化交渉ではばく大な経済支援金を約束して、過去問題について日韓両政府が「最終的な解決」を確認していまの関係がある。
日本は治安がいいし便利だし、日本人は控えめで親切だから、ここでの生活をすごく気に入っている。
という彼がこの文章をシェアして、「日本にはこの誠実な態度に欠けている。だから中国・韓国の許しを得られていないし、関係もギクシャクしている」と非難する。
日本とドイツでは過去が違うし、跪いて手を合わせるというやり方ではないけど、韓国・中国にはすでに謝罪した。とメッセージを書くと「日本の首相がいつ南京に行って、大虐殺について謝罪した?」と彼から返信がきた。
でも、いまの中国政府はそんなことを求めていない。
習近平国家主席が3年連続で南京事件の追悼行事を欠席したことは、対日関係を重視し改善させようという意思の表れで、中国政府がこの事件を記憶するのは当然としても、日本に謝罪を要求したのはいつごろのことだったかちょっと思い出せない。
少なくともいまの中国は日本との友好を大事にしていて、「ドラマチックな瞬間」なんて頭にないだろう。
知人の中国人の話では、旅行を通じて日本を好きになる中国人が増えている一方で、中国企業を圧迫するアメリカを嫌う中国人がそれ以上に増えている。
韓国に対しては読売新聞の社説が指摘するように、いま日本人は繰り返される謝罪要求にウンザリしているのだ。(2019/06/12)
慰安婦問題で日本がさらに謝罪すべきかについて、日本では「必要はない」が80%、韓国では「必要がある」が87%だった。
対韓感情の悪化 「歴史蒸し返し」への苛立ちだ
日本が謝罪の気持ちを表明して約束したお金を渡しても、韓国はあとからそれをひっくり返して「真の謝罪」を要求する。
そんな韓国政府でさえ、日本の首相がソウルに来て「日帝の犠牲者」の碑の前で跪いて謝罪しろという要求はしていない。
ここまで非現実的なことを言うのは、韓国の過激な市民団体ぐらいだ。
日本人に親しみや敬意をもっていて、一般の外国人よりも日本を深く理解しているアメリカ人がそんなことを当然のように言う。
個人的に彼を知っているだけに、これには本当にビックリした。
でも日本の外に出ると残念ながら、これが常識的な見方なんだろう。
この誤解を解くべき日本政府は「遺憾の意の表明」以上のことをなかなかしないし、ベルリン慰安婦像の撤去にも失敗した。
これで偏見はまた世界に広がった。
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おそらく、南京事件は中国人が主張していたような「何十万人もの犠牲者を出した大虐殺」なんかではなかったでしょう。正規兵でも、ゲリラ兵でもない一般市民に対して、それほど無駄に武器弾薬を使用して死体を処理するなんて余裕は、当時の日本軍にはとてもなかったでしょうから。
日本を貶めるプロパガンダ映画の影響も大きいですね。「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」でしたっけ? 原作小説の作者が謎の死を遂げた。
こういう主張を米国人からされると、「では一般市民を無差別に大虐殺した広島・長崎、および空襲被害を受けた全国多数の都市住民に対し、跪いて謝罪しろ」と言いたくなります。
たとえ南京が本当だとしても原爆・東京大空襲での民間人殺害となにがちがうんだ?
あと韓国に関しては最低でも『THE NEW KOREA』を読んでからにしてほしい。英語は読めるんだから
よく言ってくれました!
悪意ある宣伝で日本がアジアで最終的解決の如き行動をしていたとの
認識をもっている人は結構居るもんですね・・・
残念ながらホロコーストはレベルが違います。
首相が謝罪する価値はあります。
南京についても戦時ですから多少の悲劇はあったかと思われますが、数十万の虐殺があったのなら
東京裁判でなぜ中華民国が提訴しなかったのでしょうか?
敗戦側が声高に主張するのは気が引けますが、国も言うべき事はしっかり主張して欲しいものです。
両国共戦中、戦後どの位日本人を殺戮したのか!戦後の日本人婦女子への暴行殺戮の現実を知らずに、又武器を置いた日本兵への殺戮は戦後起きた事実、此の現実を知らず語るべからず。戦中戦後の毛沢東盲従派の平定時の数千万人の中国人大虐殺等勉強してから出直しなさい。