「軍人」という言葉の意味が、日本と世界には違いあるのではないか?
前回そんなことを書いた。
軍人を英語でいうと、「サービスマン」になる。
女性だと「servicewoman」。
サービスとは、人のために力を尽くすことや奉仕という意味だから、「serviceperson(軍人)」は「人のために力を尽くす人、奉仕する人」ということだろう。
日本人が「軍人」という言葉を聞いても、ふつうは「奉仕」という意味が思い浮かばないと思う。
日本で「軍人」というと、「軍隊に属する戦闘集団」という意味が強いように思う。
「軍人」と聞いて、戦争を思い浮かべる人もいると思う。
「軍人=奉仕する人」どころか、日本では、軍人というと「軍人=人殺し」というとんでもない発想をする人もいる。
しかも、政治家で。
2016年の6月に、それが問題になった。
朝鮮戦争で戦った韓国軍の軍人
韓国人の友人が使っていた歴史教科書には、表紙にこの写真が使われていたという。
これらの韓国軍の兵士は、韓国では英雄とされている。
今年の6月、共産党の藤野氏の発言が大きな問題となった。
テレビの討論番組で、防衛費を「人を殺すための予算」と言ったのだ。
この言葉には、そのときに同席していた自民党や公明党の議員が驚いてる。
それはそうだろう。
国の防衛を「人殺し」と認識している政治家が、世界のどこにいるのだろうか?
この発言に驚かなかったら、その感覚に驚いてしまう。
自民党や公明党の議員は、その場ですぐに「防衛費は国を守るためのものだ」「“人を殺す予算”というのは訂正した方がいい」と注意をしている。
でも、藤野議員はこの注意を無視して訂正を拒否した。
「この発言は間違っていない」と考えたことは、政治家としては致命的にイタイ。
この発言は、所属する共産党でも問題となる。
共産党は、「労働者の側に立ち、あらゆる差別を許さない」という立場なのだから、こんな暴言を放っておくことはできないだろう。
企業の内部を含め、社会生活の各分野で、思想・信条の違いによる差別を一掃する。
日本共産党は、労働者階級をはじめ(中略)すべての人民と連帯し、人類の進歩のための闘争を支持する。
こんなすばらしい考え方や価値観をもっている共産党が、特定の職業への蔑視や差別を助長させるような発言を見逃すはずがない。
「これは藤野氏の個人的な言葉で、党の考え方とは違う」と発表する。
「今回の藤野氏の発言は、党の方針と矛盾する」――。藤野氏の辞任にともない政策委員会代行を兼任することになった小池氏はこう述べた。
こうして藤野氏は、共産党の政策委員長という重要な職を辞任することった。
就任して、わずか2カ月後のこと。
でも、この辞任は仕方がない。
政治家が、国民を守るための防衛費を「人を殺すための予算」なんて言って、その場で訂正もしなかったら、これはもう弁解の余地はない。
所属する党でも、さすがにこれはかばいきれない。
これは、藤野氏の個人的な問題発言ということで終わった。
だけど日本では、他にも自衛隊を「人殺し」なんてとんでもない偏見をもっている人がいるように思う。
そのことを次回に書いていきたい。
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