【だが断る】韓国のツートラック原則に、日本は戦略的無視

 

新しく韓国大使となった相星氏がソウルで韓国政府の当局者に会って話をしたところ、お互い分かり合えないことが分かった。

中央日報の記事(2021.02.26)

日本大使に会った韓国外交次官、「慰安婦」判決では隔たり確認

もちろんすべてではない。
相星大使もチェ外交部第1次官も日韓関係がいまおそろく冷え切っていることに異論はないし、「日韓間の人的交流協力の復元」「外交当局間の円滑な意思疎通」が重要という認識では一致したという。
だが以上。

その前提となるのは、韓国側が元徴用工問題と慰安婦問題で現実的な解決を提示すること。
なのに文政権は数年前から冬眠状態に入ってしまい、有効的に動かない。
日本は韓国に対して約束と国際法を守ることを要求していて、これは両国関係の基盤だから1ミリもぶれない。
問題を起こした側が解決する責任を負う。
窓を修理するのは壊した人間なのは、どこの世界でも当たり前のこと。

だから日本がこの点でゆずる必要はなく、いまは韓国政府が検討可能な、現実的な解決案を示すことを待っている。

でも結局、相星大使とチェ外交次官は互いの隔たりを確認しただけで、まったく歩み寄れなかった。
このあと外交次官が口にしたのは、いつものこの単語。

崔次官は「両国間の複数の懸案を結びつけず着実に解決していく過程が重要だ」とし「ツートラック基調で未来志向的な協力を拡大していこう」と強調した。

 

ここでいう「トラック」は2トンとか4トンのほうじゃなくて、陸上競技で複数の人間が走るトラック(走路)のほう。
韓国のいうツートラックとは、日本に対して反省や謝罪を要求するけど、同時に経済的利益も追及するというものだ。

ツートラックについてウィキペディアを参照しようと思って、「ツートラック」と打ち込んだけどページが出てこない。
あれ?と「ツートラック ウィキペディア」で検索すると「用日」のページがヒット。
これは韓国の対日政策のひとつで、自国の利益のために日本を有効に利用するというものだ。
でもこれは世界中の国がしていることだから特に問題はなくて、日本も同じ考え方で韓国と接すればいいだけのこと。

ちなみに韓国の用日についてウィキペディアには、
「反日を国内外で行いながらも、日本および日本人から技術や資金など利益を得ようとする行為を指している」
という正確無比な説明がされている。
その考え方だといまの韓国政府がしている、歴史問題の反日と他の経済的な案件などを切り離すツートラック外交も代表的な「用日」といえる。

韓国側が強調した「ツートラック基調で未来志向的な協力を拡大して」というのは、日本に対してこれからも過去問題で追及していくが、同時に経済面などでは協力していこうというものだ。
このツートラックは韓国の利益を最善・最優先に考えた、あまりに一方的な論理のため日本での受けは最悪といっていいほど悪く、ネットでは、

・嫌がらせしといて、何がツートラックだよ
・自分の都合を押し付けてるだけじゃねーか
・ダブスタ二枚舌外交

と「ノートラック」状態だ。
日本政府も韓国の主張するツートラックには「戦略的無視」の態度を貫いていて、合意の履行だけを求め続けている。

 

さて今月18日、韓国のチョン外交部長官(外務大臣)が国会で文政権の対日姿勢についてこう語った。

「日本に対しては過去の問題は対話を通じて解決し、未来志向的な協力分野は合意をするというツートラック基調を一貫して維持した」

ここでもやっぱり日本に対しては、過去の問題と経済・安保協力を分けて扱うという「ツートラック原則」を強調する。

だがしかし、この「対日原則」であるツートラックは、政府が自ら破ってしまったと韓国の全国紙にツッコまれてしまった。
文大統領が2019年に、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長中断を発表したことを持ち出して中央日報がこう書く。(2021/02/19)

大法院(最高裁)の強制徴用賠償判決に輸出規制で応酬しながら先に政経分離原則を破ったのは日本だが、政府も過去の問題を安保事案と結びつけてツートラック原則を自ら破ったからだ。

最悪の韓日関係の中でも…韓国外交長官「ツートラック原則」ばかり反復

 

日本が先に原則を破ったと言うけれど、そもそも日本は「ツートラック原則」とやらを守るなんてひと言も言ってない。
約束していないものは破れない。
そもそも日本はそんな勝手な対日原則には「だが断る」と、スルー対応を通しているのは韓国も知っているはずだ。
だから日韓関係は1ミリも前の進まないのだから。
なのに韓国政府は通じない原則を繰り返すだけだから、「ばかり反復」と自国メディアからあきれられた。
そもそも自分で言って自分で破る原則なんて、相手にしなくて正解だった。

 

ちなみにこのチョン外交部長官は最近就任した人で、国会で日本の茂木敏充外相との会談について問われると、「できるだけ早期に電話会談をする意思がある」と答えた。
しかし日本にその意思がないらしく、「しかし就任から1週間以上も日本とは電話会談をしていない」と記事にある。
ここまでくると戦略的というより、「ひたすら無視」だ。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

1 個のコメント

  • > ここまでくると戦略的というより、「ひたすら無視」だ。

    少し前には「放置プレイ」という言い方があったけど、最近は使わないのかな?
    このやり方、韓国に対して最も効き目のある対策です。放っておけば現勢力はそのうち自壊しますよ。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    アバター

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。