バングラデシュの首都ダッカに、「ながさき」という日本料理のレストランがある。
ここはゲストハウスもしていて、ボクがバングラデシュ旅行に行ったときにはお世話になった。
そのときにレストランのオーナーがこんなグチを言っていた。
「ダッカには、韓国人がやっている和食のレストランがあるけど、日本料理といいながらも、韓国料理や日本料理とはいえないようなものを出していてヒドイ。でも、ウチは違う。できるだけ本物の日本料理をめざしている。日本で食べる日本料理にも、そんなに負けていないと思う」
この店では本物の日本料理をつくっている。
けれど、バングラデシュ人はそのヘンテコな日本料理を出すレストランに足を運ぶという。
話を聞くと、本物の日本料理にこだわっているから、客の入りでそのレストランに負けてしまうらしい。
「バングラデシュで本物の日本料理をつくろうとしたら、どうしても値段は高くなる。日本食に合った食材を探したり、しっかりした料理のつくり方を指導したりすれば、そのぶん料理の値段は上がってしまう」
日本とバングラデシュでは風土が大きくちがう。
バングラデシュではおいしいマンゴーがいくらでも手に入る。
でも、日本食にあったお米や野菜を入手するのはなかなか大変らしい。
別の日本人から聞いた話では、バングラデシュにいる日本人で本格的な日本料理を食べたいという人はバンコクまで行くという。
たしかにバンコクなら、ハイレベルな日本料理を食べられる。
バングラデシュでも、妥協すれば安い値段で日本食を出すことができる。
「値段が高いと、どうしても一般のバングラデシュ人は店には来ない。韓国人の日本料理店では、いい加減な食材やつくり方でやっているから、食事代は安い。だからふつうのバングラデシュ人は、そっちを選んでしまうんです」
本物の日本料理にこだわれば、客足がはなれていく。
客を呼びたかったら、料理が日本からはなれていく。
これはむずかしい問題だ。
残念ながら、それが現実だと思う。
韓国人が経営する日本料理店は、「和食の価格破壊」をしたようなもの。
だから、そっちで食事をするバングラデシュ人は多いのだろう。
でもその店が破壊したのは、日本料理でもある。
これが先ほどの日本人からしたら腹がたつ。
外国で外国人がだす日本料理は、本物の日本料理からかけ離れたものも珍しくない。
「日本料理のネームバリューで客をよんで、ヘンテコな料理を出している。日本食を知らないバングラデシュ人は、それを日本食だと思い込んでしまう。あんなものが本当の日本食だと思われると悲しいし悔しい」
日本人としてこの気持ちは分かる。
ダッカの街
その日本人は信念として、日本料理の価格破壊はしないという。
それにもう、今さらそんなことはできなくなっていた。
以前から「本格的な日本料理を出す店」として宣伝していたから、今ではバングラデシュにいる日本人やバングラデシュ人の間ではそのイメージが定着している。
だから今になって方向転換して価格と味を安くしたら、今までの常連さんがソッポを向いてしまう。
だからそれはできないという。
「ウチの店は本物の日本料理の味で勝負する。ニセモノの日本料理を食べた後にウチで食べれば、日本料理の本当の良さに気づいてくれるはずだから」
オーナーはそんなことを語っていた。
これは応援せざるをえない。
これがそのお店
バングラデシュの日本料理店「ながさき」
ここで注意しておきたいことがある。
このオーナーが問題視していたのは、韓国人という「人」ではなくてその「行為」。
日本料理のブランド力で客を集めておいて、とても日本料理とはいえないような食べ物を出していることに対して怒りを見せていた。
これと同じことをアメリカ人や日本人がやっても、オーナーは同じように怒ったはず。むしろ、日本人がこんな詐欺行為をしていたら、その方が許せないかもしれない。
まあ、韓国人がフランスでも似たようなことをやっているけどね。
「日本のブランド力を利用して、韓国の物を売って金をもうける」
そんな行為に腹を立てる日本人はたくさんいる。
「ジャパンエキスポ」になぜ韓国が?①日本の「韓国嫌い」を増やすぞ
困ったもんだ。
海外では、日本食とはいえないような料理を提供する日本料理店がよくある。
そんな日本料理店について、外国人はどう考えているのか?
外国人の声をひろってみた。
「中国人、韓国人が経営してると・・」海外の日本食レストランのクオリティー 海外の反応
自分の経験上はアメリカの日本食レストランのレベルは高い。日本からの移住してきた人がプライドを持ってやってるからね。
日本人がやってるアメリカの日本食レストランはかなり良いぞ。
南カリフォルニアには日本食を装った店がたくさんあるよ。インスタントラーメンに野菜を入れて日本のラーメンだと言ってるんだ。俺達をバカだと思ってるの?って言いたくなるよ。。
アメリカのほとんどの日本食は良くはないね。経営しているのは中国人か韓国人。。でも日本人がやってるとこに行けば最高にうまいよ。
こんな外国人のコメントを見ていると、「本物の日本料理で勝負!」という「ながさき」の先は明るいもののように見える。
でも、気になることがある。
この「ながさき」のホームページが2010年から更新していない。
2016年7月には、日本人7名を含む23名が殺害されたテロが起きている。
この事件の後、たくさんの日本人がバングラデシュを去っているし、日本人旅行者も激減している。
「ながさき」は今でも元気でやっているのだろうか?
こちらの記事もいかがですか?
国王ラーマ5世が「神」と尊敬されている理由・「タイの三大大王」
イギリス人が見た日本・日本が世界の歴史で初めてした誇っていいこと
コメントを残す