【ナスの英語】英国でAubergine、米国でEgg plantと呼ぶ理由

 

4月17日はなすび記念日。
417で「よいな(す)」の語呂合せと、この野菜が好きだった有名人の命日にちなんでこの記念日がつくられた。(冬春なす主産県協議会が制定)

ではその人物とはいったい誰でしょう?
*4月17日は旧暦で現在のカレンダーだと6月1日。

 

 

答えは徳川家康。

もともとナスビは関西でよく作られていた野菜で、徳川家康が江戸でも育てるよう命じたことでナスビが関東にも広まったという。
「茄子」という漢字の読み方は、ナスビでもナスでもどっちでもオケ。
はじめはナスビと呼ばれていたものが、江戸時代に縁起の良い「成す」の語呂合わせで「ナス」と呼ばれるようになったという話がある。
そのせいか関西では「ナスビ」、関東では「ナス」と呼ばれることが多い。

この野菜の呼び方が場所によって違うことは英語圏の国でもある。
ナスがイギリスやアイルランドでは「Aubergine」、アメリカやカナダでは「Egg plant」と呼ばれている理由をご存じだろうか。

 

 

インド原産とみられるこの野菜は、いまでは全世界で食べられまくり。

ヨーロッパにはアラビア世界から伝わったから、ナスを意味する「 باذنجان 」(バーズィンジャーヌン)」というアラビア語が、スペイン語のナス「berenjena(ベレンヘーナ)」、イギリス英語の「Aubergine(オーバァジーン)」、フランス語の「aubergine(オーベルジーヌ)」の語源となった。

アメリカ英語でナスがなんで「Egg plant」になったかというと、その理由は一目瞭然、見た目がニワトリの卵そっくりだったから。

 

 

日本ではこんなナスばっか見てたから「どこが卵やねん」と思ってたら、この上なく「Egg plant」だったござる。

 

 

よく見ると江戸時代のナスにも「Egg plant」があった。
いまの日本でも「白なす」として生産しているところがあるらしい。

 

18世紀の記録に初めて登場した「eggplant」はアメリカやカナダの北米、オーストラリアやニュージーランドでも使われている。

The name eggplant is usual in North American English and Australian English. First recorded in 1763, the word “eggplant” was originally applied to white cultivars, which look very much like hen’s eggs (see image).

Eggplant 

 

イギリスの「Aubergine」だと読み書きできる自信が1ミリもわいてこないから、ボクならエッグプラントをチョイス。
アメリカ人やオーストリア人は複雑&格式ばったものを嫌い、単純&楽なほうを好む気がする。

またアメリカ南部ではナスがギニア(西アフリカ)に関連するということで、「ギニアのカボチャ(guinea squash)」 と呼ばれているという。
*squashはpumpkin (パンプキン)とは別種のカボチャ。

また西インド諸島では、ナスはユダヤ人がもたらしたという考えから「ユダヤ人のリンゴ(Jew’s apple)」 と言われる。
国や地域によってホント、いろんな呼び方があるもんだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。