日本政府が福島原発の処理水を海に放出すると発表した。
いまも原発からは汚染水が出ていて、それを入れる東電の巨大タンクも2022年には満杯になる。
新しく土地を確保してタンクを作って、そこに水を保管することは現実的に不可能だから、放射性物質を含む処理水を海洋放出するしか方法がなくなった。
結論から言えばこれは問題ない。
日本は飲料水と同じ放射能レベルにまで薄めてから放出する予定で、これは韓国やカナダなどの原発もしている一般的なことだから、国際原子力機関(IAEA)は「技術的に実行可能で、国際慣行に沿う」と日本政府を支持する声明を発表した。
海洋放出が始まるのは2年後から。
ではこの「放射性物質を含む水」とは、実際どれほど人体にとって危険なのか?
本人は気づいていないだけど、日本に住む人が日常的に飲んだり使ったりする水道水にも、放射能物質が含まれている。
東京都水道局のホームページに書いてある、「水道水については放射性セシウムの管理目標値として10Bq/kgが設定されました」という基準は全国共通で、日本人は日常的にそれぐらい被ばくしているのだ。
*10Bq/kgは水1kgあたり10ベクレル。
地球上に住む人は自然と放射線を浴びていると考えていい。
今回日本が放出する処理水は、世界保健機関(WHO)が示す飲料水の基準以下まで危険のレベルを下げるから、それを流した海にいる魚や貝などを食べたところでまったく問題はない。
にもかかわらず韓国では科学より「反日」を優先し、政治家やメディアが騒ぎ出すから、これがいま大きな社会問題になっている。
ハンギョレ新聞の記事(2021-04-26)
釜山市議会「福島原発放射能汚染水の海洋放流を撤回せよ」
釜山市議会が怒る「放射能汚染水」なら、いま韓国の月城原発が海に流している。
自分たちが放出すれば「処理水」で、日本が流せば危険な「汚染水」になるというのは科学を無視した感情論でしかない。
どちらも国際基準を満たした安全な処理水のはずで、日本にだけ「撤回せよ」と要求するのはもはや“暴論”。
でも釜山市議会では参席者全員の賛成によって、「全面撤回要求決議案」が成立した。
これが議員たちの決議文の内容だ。
「福島原発汚染水に含まれる放射性物質は、生態系と環境に蓄積され回復できない永久的な海洋汚染を発生させ、現在の世代のみならず未来世代の生活の基盤まで脅かすだろう。日本政府の今回の決定は(中略)全世界の人の安全と海洋環境に回復不可能な損傷を招く無責任な行為」
なるほど。
だが待ってほしい。
日本の処理水放出については、きょねん韓国政府が「国民と環境への影響はない」と確認したはずだが?
しかも韓国原子力安全委員会の見解を見ると、日本の技術力を信頼しているようだ。
聯合ニュースの記事(2021.04.15)
原子力安全委員会が7回にわたって行った専門家懇談会の内容を引用したもので、「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題はない」とも結論付けた。
汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書
こうした自国の科学に背を向けて、「未来世代の生活の基盤まで脅かすだろう」「全世界の人の安全と海洋環境に回復不可能な損傷を招く無責任な行為」と議員が無責任に叫んで、メディアがそれを記事にする。
釜山は港町だから、議員は「韓国国内の水産業が打撃を受け、輸出の断絶で水産業界の被害が莫大になる」と怒る。
でも韓国の水産業界にとって一番困るのは、存在しない恐怖をあおって風評被害をつくり出す人間のはずだ。
甚大な被害が不安だと言うのなら、IAEAや韓国原子力安全委員会の見解に従って騒ぎ出さなければいい。
最大の問題は問題ではないことを問題視する、政治家やメディアの「問題化」という態度にあるのだから。
市議会が科学ではなく反日で行動するから、地元の高校生も日本では考えられないようなことをする。
中央日報日本語版の記事(2021.04.29)
高校生10人ほどが釜山の日本領事館前で記者会見を行い、「日本はいま汚染水を放出しても飲むのには問題ないという暴言を連日吐き出している。汚染水はお前ら(日本人)が飲め」と話した。
釜山の高校生が集会「福島原発の汚染水、日本人が飲め」
この高校生は日本の対応を支持したアメリカも許せないらしい。
「米国人に汚染水を飲ませるパフォーマンスをしながら手にしていたプラカードを丸めて投げつけた」と記事にある。
上のニュースはヤフーに載って、こんなコメントに支持が集まった。
現代のネット社会では小さな出来事でもすぐに日本へ伝わるから、自然とそれに応じた「韓国観」が形成される。
「全世界の人の安全と海洋環境に回復不可能な損傷を招く」なんてものは想像上の恐怖で、現実は韓国政府報告書にあった「科学的に問題ない」。
政治家が国民感情を刺激する言動をおこないそれに呼応する市民が出てくるから、日本に伝わって「嫌韓」が発生する。
これは本来、うまれる必要のなかった問題だ。
政治家が科学を無視して、安全な処理水を「放射能汚染水」と言い換える。
これが結果的に自国の水産業に風評被害を与えて、さらには日韓関係を悪化させてと、どんどん別の問題に発展していく。
「反日」をスタート地点にするから、こういう負の連鎖が発生するのだ。
この流れをいままでどれだけ見せられてきたことか。
「正しく恐れる」って態度はホントに大事。
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韓国にはいわゆる「陰謀論」というのがあります。
世界が日本の原発処理数に何の欠点もないとしても、政治家やマスコミが乗り出して『日本と世界が何かを隠している』と煽動すれば、韓国人はそう信じるということです。
しかし、何より深刻なのは、韓国人は日本を全然信じていないということです。
> しかし、何より深刻なのは、韓国人は日本を全然信じていないということです。
最近になって、ようやく、日本人も韓国のことを信じない人が増えてきたようだから、これでおあいこですよ。
冒頭シーン、コルレオーネ家の事務所にて、葬儀屋ボナセーラがドン・ヴィトーに向かって:
I believe in America. America has made my fortune…..
(セリフはイタリア訛りで。日本人のカタカナ英語に少し似ている。)
中学1年のとき母親に連れられて行った映画館で初めて見た洋画でした。長すぎて寝ちゃいましたけど。
その後大人になっても何度も見直しました。今から思えば自分の英語学習の原点だった。