5月29日の記念日は「こんにゃくの日」。
529で「こんにゃく」と読む語呂合わせは、5月27日の「こまつなの日」よりは強引さはないけど、だったら「コニャックの日」でもいけそう。
5月にコンニャクの種芋の植え付けが行われることも、このタイミングでこの記念日が制定された理由になっている。
さて、コンニャクは漢字で書くと「蒟蒻」とかなりハードモードになる。
この食べ物ははるか昔に中国から日本へ伝わって、はじめ日本人は漢語の「蒟蒻」を「コニャク」と読んでいたものの、いつしか「コンニャク」に変化したと言われる。
大昔の中国語だからむずかしいのは当たり前。
この食べ物、辞書を見ると英語で「devil’s tongue」ということばがある。
おでんに欠かせない具のひとつで、味噌との相性の良さも最高。
日本人にはとてもなじみと親しみのあるコンニャクが、なんで英語圏では「悪魔の舌」になるのか?
その理由は、このグニョっとした食感が欧米人には気持ち悪くて受け付けず、さらに平べったい見た目が”舌”のようで「devil’s tongue」と嫌われたから。
ちょっとまえの日本のお化け屋敷でもこれがぶら下がっていて、冷たくベタッとした感触が恐怖感をさらに盛り上げたのだから、欧米人がこれを”悪魔”とみてもおかしくない。
…ということではなくて、コンニャクが食べ物として加工されるまえの、植物の状態を見るとその理由がわかる。
この植物が上に向かって赤く細長い舌をビヨ~ンと伸ばしているように見えることから、「悪魔の舌」になったようだ。
14世紀のフランスで描かれた悪魔(左)は口から赤い舌を出している。
こういうイメージがあったから、この植物を見て西洋人は「悪魔の舌だっ!」と思ったのだろう。
タコを英語で「Devil fish」と言うこともあるらしいから、見た目がグロいものを「悪魔」と呼ぶ発想は広くあったと思われる。
ちなみにこれまで何人かのアメリカ人やイギリス人に聞いてみたけど、タコを「Devil fish」と呼ぶことは誰も知らず、みんな「octopusだろ」と言う。
でも辞書には「Devil fish」と書いてあるから、これは昔のタコの言い方か限定的な使い方だろう。
ほかにもコンニャクには「voodoo lily(ブードゥーのユリ)」という名称もあるから、やっぱり英語圏ではこの植物におどろおどろしいイメージがあるのでは?
ブードゥー教は西アフリカやカリブ海のハイチで信仰されている宗教で、動物を生贄(いけにえ)として殺したり誰かを呪う儀式を行ったりするから、西洋社会ではあやしく恐ろしいものといったイメージがある。
ただこれには先入観もあるだろうから、くわしいことはブードゥー教で確認。
辞書には確かに「devil’s tongue」ということばが書いてある。
でも現代では、日本語のコンニャクを英語にした「Konjac」という呼び方が一般的だ。
悪魔を駆逐したとか、海外での日本料理の影響力の強さがよくわかる。
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