【JRの英断】世界中を感動させた、北海道の小さな駅の物語

 

通常の数倍もする“ぼったくりチケット”を売りつける男がいる駅を「卑怯駅」と言い、これは実際インドにあった。(しらんけど)
そうではなく、自然に囲まれていて人の気配がほとんどないところに、小さくたたずむ駅を「秘境駅」と言う。
「ポツンと一軒家」みたいな魅力があって、秘境駅のファンは全国にいる。

さて世界で一番有名な日本の秘境駅といえば、それはどこかお分かりだろうか。

ボクの知ってる範囲で、いまは廃駅だからそれでもOKなら、北海道の「上白滝駅(かみしらたきえき)」一択。
1932(昭和7)年に開業して、JR北海道が2016年3月26日に廃止するまで、石北本線にあった小さな小さな駅だ。
いまでも建物は残っている。

この駅について、人類の涙腺を崩壊させる物語があったということを、このまえ知人の外国人から教えてもらった。

 

 

JR北海道が乗客の少ない不採算駅を廃止しようと考え、その中のひとつに上白滝駅があった。
でも、その駅から高校へ通っていた女子高生がいたことがわかる。
するとJR北海道はそのたった1人の乗客のために、彼女が卒業するまで駅を存続させ、電車の運行も続けることをきめた。

 

上白滝駅

 

 

廃駅になる直前まで、女子高生の登下校に合わせて1日2回の電車を走らせていた。
3月26日に廃止されたのは、もうこの必要がなくなったから。

 

高校生の卒業と同時に、駅の使命を終わらせようとしたJR北海道の英断を知り、中国、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アラブ世界など海外のメディアがこれを報じた。

たとえばこれはイギリス紙「デイリーメール」の記事(12 January 2016)

The train that stops at a station everyday to pick up ONE passenger so she can get to school

英語版ウィキペディアには Kami-Shirataki Station という項目が作られている。
こんな世界的な日本の秘境駅なんてここだけだろう。

 

でも、このハートフルストーリーには少し間違いがあった。
まずその駅は上白滝駅ではなくて旧白滝駅だ。
そもそもWikipediaの項目自体が間違っているように海外では誤解が広がっているから、「上白滝駅」と思っている人がほとんどのはず。

それに個人的な用事があって、旧白滝駅を利用する人は他に数名いた。
でも、まいにち定期的に利用していた客はこの女子高生だけで、地元の人たちの思いとJR北海道の配慮から、1日2回の運行が続けられたようだ。
もしこれが男子高校生だったら、電車は卒業まで動いていたかどうか。

まぁとにかく海外で広まっている説は大筋では合ってるし、国籍や宗教に関係なく、世界中の人がこの北海道の駅の物話に感動したのも事実だ。

・The Japanese thinks differently from us Malaysians. They are so very thoughtful and most likely regard education as very very important. They do not want this girl to be left behind.

日本人は私たちマレーシア人とは考え方が違うね。彼らはとても思いやりがあって、教育をすごくすごく重視しているようだ。
彼らはこの少女が取り残されることを望まない。

・Respect all the way to Japanese govt, lucky girl she was not born here in India.

日本政府に最大の敬意を表したい。彼女がここインドに生まれなくてラッキーだった。

・Only happens in Japan 🇯🇵 ❤️

こんなの日本だけ。

・let’s move to Japan.

さあ、日本に引っ越そうか。

・This would never happen in America, lol

アメリカじゃ絶対にありえない。

・mikasa!

ミカサだ!

・That’s why I admire and love this country.

だからわたしはこの国を尊敬しているし、大好きなんです。

・This will never happen in my country; not even in the next 50 years. Go Japan!!

わたしの国ならこんなことは50年先でもありえない。

・I hope one day Singapore will be like Japan. Just because one person needs it service , the train company keeps the train running for that person. This is great.

シンガポールがいつか日本のようになることを期待している。1人の人間がサービスを必要としているというだけで、鉄道会社はその人のために列車を走らせる。素晴らしいね。

・What an awsome school service! 🙂
This is an inspiration to all the countries/politicians who are selfish.

なんという素晴らしいサービスなんだ!
世界中の自分勝手な国や政治家にこれは良い刺激になる。

なかには「駅で1人で待っていることが知れ渡ったら、彼女は襲われないか?大丈夫か?」という不安の声もあり。
そういう意味でもこれは「Only happens in Japan」かも。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。