韓国人の朴(パク)氏の先祖・新羅の初代王は日本人だった?

 

韓国で「ゴルフ女帝」と言われるほど活躍している朴仁妃(パク・インビ)選手。
でも韓国の事情をよく知らない海外メディアから、よくこんな質問をされて辟易しているらしい。

中央日報日本語版の記事(2021.06.23)

「パク氏はみんな親戚か」…朴仁妃も困惑する米メディアの質問

日本人との大きな違いとして、韓国人には同じ姓の人が山盛りいることがよく挙げられる。
「金、李、朴、崔」の四姓で人口の半分ほどを占め、金だけで21.6%もいるのだから、街中で「金さん!」と叫べばかなりの人が振り返るはず。
(パク)も8.5%だからそこそこ多い。
ちなみに日本人では一番多い姓の「佐藤」でも、約1.5%しかいない。

いま女子界ゴルフではパク・ソンヒョン選手やアニー・パーク(パク)選手が活躍しているし、ちょっと前はパク・セリ選手もいた。
そのせいか、 「パク選手たちはみんな親戚ですか」と米国メディアから何度も質問されて、パク・インビ選手が困惑しているとか。
「いい加減ウザイ」と思っているはずだ。

実際、前大統領のパク・クネ、サッカー選手だったパク・チソン、歌手だとBTSのパク・ジミンと日本でも有名なパクさんだけでもけっこういる。
さてこのパク氏、その先祖をずっとずっとたどっていくと、日本人に到達するという説がある。

 

 

古代朝鮮半島には百済・高句麗・新羅の3国があって三国志状態だったなか、超大国の唐(中国)を退けた新羅が統一して一時代を築いた。

韓国の高校歴史教科書を見ると、新羅はいまの韓国の原型となったと言える。

新羅が唐の勢力を武力で追い出した事実は、三国統一の自主的性格を見せている。一方、三国統一は民族文化発展に大きな貢献をした。高句麗、百済文化の伝統の受容と経済力の拡充で、民族文化は多様に発展することになった。

「韓国の歴史 (明石書店)」

 

この新羅の伝説上の初代王が、赫居世居西干(かくきょせい きょせいかん:紀元前69年? – 後4年)と言われている。
紀元前1世紀ごろに成立したという新羅の建国神話がこれ。

六つの村の村長たちの強い要請で始祖朴赫居世が降臨し、六つの村の人々に推されてやがて君主となった。国号を徐羅伐といい、王位は朴氏から昔氏、金氏へと受け継がれ、和白という評議会によって政治を行い、王を立てたという。

「韓国の歴史 (河出書房新社) 水野 俊平(著) 李景珉(監修)」

*この徐羅伐(ソラボル)という新羅のことばが、現在の首都ソウルになったという説が有力だ。

 

赫居世居(かくきょせい)は朴姓の創始者で、現在では名目上、韓国の朴氏は赫居世居西干の子孫とされている。

ここでもう一つ、瓠公(ホゴン、ここう)という名前を出すけど、混乱しないように。
韓国の歴史書『三国史記』によれば、この人物は瓠(ひさご:ひょうたん)のような卵から生まれたため、古代の朝鮮半島にあったことばで瓠を意味する「バク」を姓にしたという。
また『三国史記』は、この人物は瓠を腰に下げて海を渡ってきたと伝える。
海の向こうからやってきたということから、瓠公は倭人(広い意味で日本人)だったと考えられているのだ。

あとはこの説明をみてもらおう。

三国史記の朴氏の始祖説話に登場する瓠公は倭人であり、これが朴氏初代の朴赫居世ともいわれる。日本側の記録では、『新撰姓氏録』において新羅の祖は鵜草葺不合命の子の稲飯命(神武天皇の兄)だとされている。

赫居世居西干 

 

韓国と日本の資料を突き詰めると、「瓠公(倭人)=赫居世居西干(朴赫居世、新羅の初代王)」となり、朴(パク)氏の先祖が倭人、つまり日本人だったという図式が浮かび上がる。
もちろんこれは歴史書の記述以外に根拠がないから、歴史的事実と断定することはできない。
瓠公が卵から生まれたとか書いてあるし。

でも歴史の勉強にはなるし、話としては面白い。
まぁあちらにとっては、そうでもないだろうけど。

さて韓国のゴルフ選手が、韓国史にくわしいアメリカ人記者から「パク選手たちはみんな赫居世居西干、つまり日本人の子孫ですか?」と聞かれたらどう答えるのか。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。