「そんなこと知らなきゃよかった!」と思うことは人生でたまにある。
気づかなかったらそのまま平穏無事に過ごせていられたのに、知ってしまったためにそれが気になってストレスを感じてしまう。
例えばA男がB子と結婚したあとに、B子が実はA男の友人と付き合っていたことを聞かされたとしたら、心が穏やかではいられなくなる。かといって新妻から、その詳細を聞き出すわけにもいかない。
触れないほうがいい過去もあるのだ。
こんな感じに、知ってしまったことでツライ思いをしたり混乱を招くことを韓国語で「知ることは病だ(아는 것이 병이다)」というらしい。
朝鮮日報のこの記事を読んで、そう思った韓国人は多いと思われる。(2021/07/02)
教室内の太極旗も「親日残滓」、撤去対象に=京畿教育庁
1910~1945年の統治時代に日本から朝鮮半島へ伝わった言葉や建物などの文物で、いまも韓国社会に残っているものを日帝残滓(ざんし)や親日残滓と言う。
韓国で「親日」という言葉には「裏切り者・売国奴」といったネガティブな意味があり、「残滓」とは残りカスのことだから、親日残滓は社会の悪で排除の対象になる。
ただその基準は見る人によって違うあいまいなものだから、何が親日残滓になるかは韓国でもよく議論になる。
その対象は言葉や建築物などのほか、印鑑証明といった制度や国旗掲揚に用いる額縁、何かに対する「誤解」という概念まできわめて多岐にわたる。しかし、「グラ」などを筆頭に日本由来のものでは無いのが日本語由来とされている。
何を親日残滓と認定し、それを除去するか残すかは韓国の国内問題だからそちらの自由にすればいい。
ただ第三者の立場からこういう報道を見ると、戦後75年以上たっても、韓国社会には日本の影響が本当にたくさんあることに驚かされる。
でも、教室内の太極旗も「親日残滓」で撤去対象ってなに?
太極旗は韓国の国旗だから、教室にそれがあるのは韓国の価値観からすると愛国的で素晴らしいことだと思うのに、これが大日本帝国の“残りカス”という。
では記事を読み進めていこう。
まず韓国の京畿道と京畿教育庁(教育委員会)は2019年から「親日残滓清算プロジェクト」を進めている。
大統領候補で京畿道知事の李在明(イ・ジェミョン)氏はことし3月に行った演説で、「今年を京畿道親日清算元年にしたい」と宣言し、“親日狩り”が本格化する。
それで道内の学校の教室にある国旗が問題視され、さらに韓国国民がスポーツの応援でよく使う「ファイティング!」も親日残滓とみなされたようだ。
教室の正面に掲げられた太極旗の額も「日帝への忠誠心を強要したことに由来する」として、撤去の対象に挙げられた。応援スローガンの「ファイティング」は、第2次大戦当時の日本軍の出陣スローガンだったという理由から、韓国語で「うまくやろう」「がんばれ」と言わないといけない。
こんな理屈で、教室内に掲げられていた国旗や応援のエールが撤去対象となる。
どちらも長年の慣行で慣れ親しんだものだから、この判断に違和感を感じる韓国人は多いはずだ。
そもそも 「ファイティング」は英語の「fight(ing)」に由来する言葉で、「ファイト!」を日本語と言われても日本人としては微妙なところ。
ほかにも京畿道と教育委員会による「親日残滓清算プロジェクト」ではこんな提言をしている。
・「東西南北」の方角や「第1」などの順序を示す言葉は日帝残滓だから変えるべき。
*韓国には「第1~学校」といった校名があるから、それがダメということ。
・「修学旅行」「遠足」「修練会」は、それぞれ「文化探訪」「現場体験学習」「リーダーシップキャンプ」などに変えるべき。
・『うちになぜ来たの』『尻尾取り』『碑石打ち』といった遊びも、”慰安婦の強制動員を合理化しようとする遊び”だから教科書から削除すべき。
でも教育委員会は、「現場で参考にせよという趣旨で送っただけで、代替せよと要求したことはない」と学校に責任を押し付ける。
つまりこれは結局、イ・ジェミョン知事の支持率アップをねらった反日アピールとみていい。
だから、そういう愛国的姿勢を国民に見せればいいだけで、具体的なことは現場に丸投げして深いことは考えていない。
判断をまかせられた現場としてはこの上なくド迷惑のはず。
今さら教室の国旗や上の言葉をなくすのも面倒だし、そもそもその必要があるかどうかも疑問だから、「知ることは病だ」と思う人は少なからずいるだろう。
でも京畿道は「日帝残滓清算・抗日推進」のために、7億5000万ウォン(約7380万円)の税金を使うと発表し、記事の中で京畿道の関係者は「日帝残滓清算と抗日・独立運動についての京畿道民の認識を高めるため推進する事業」と語っている。
でもそれは結局、何も知らせなかったら、これまで通り何も問題にならなかったものだろう。
とはいえ、韓国人の価値観や考え方は一つではない。
親日認定とその撤去という反日的政策はリベラルの人からはよろこばれる一方、保守派の朝鮮日報などからは嫌われる。
ちなみに文政権は「日帝残滓清算」を積極的に支持する立場だ。
コロナ不況の中、このために7400万円も使うと発表したら、日本だったら知事が撤去される。
でも「デザートは別腹」みたいに京畿道としては、”正義”を実現するためならこれだけの出費はやむなしか。
政治家が自分の利益のために、過去をほじくり返す行為は社会の混乱や分断を生むだけだろうけど、それは隣国の国内問題だからまぁ好きにしたらいい。
でも、日本との過去問題でそれはやめてくれ。
こっちまで病気になりそう。
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実に恥ずかしいことです。
李在明は、次期大統領選候補の中でも最も急進的な左派関係者です。
彼が大衆に人気を得る最も易しくて楽なことは反日扇動でしょう。種族主義に陥没している左派で、できることは「我が民族同士」という感情的なキャンペーンしかありません。
過去に執着すると前進できないのですが、これらの者はまだ植民地朝鮮時代にとどまっているのだからもどかしいです。日本の支配に、なぜやられたのか反省はせず、日本に対する憎悪ばかりあおっては、何の役にも立ちません。問題は、このような煽動が韓国国民に受け入れられているということです。 非常にもどかしい現実です。
「文化」も「探訪」も」「現場体験学習」も日本語訳ですけどね。