2019年にアメリカから帰国した知人が、日本の空港でもらったのがこのカード。
日本の夏の蒸し暑さはもはやクレイジー。
そんなことはいまでは多くの外国人が知っていて、京都で会ったフィリピン人は「気温ならフィリピンとそう変わらない。でも、こんなに汗をかくなんて信じられないよ!」とノックアウト寸前だった。
そんな酷暑を乗り切るための武器として、東京五輪ではアサガオの導入を決めたらしい。
マジかよ!おっさん記者も驚いた!#東京五輪 #酷暑対策
本気で「アサガオ作戦」を決行してんじゃん!!涼しさを感じるかなあ〜? pic.twitter.com/8m2EEDmEPn
— 日刊ゲンダイ ニュース記者 (@gendai_news) July 13, 2021
五輪の期間中、競技会場の入り口を花で飾る「フラワーレーンプロジェクト」が行われる。
小学生が育てたアサガオなどの花を設置することで、子供たちが五輪に関わることができるし、見た目涼しげなアサガオによって視覚的効果が期待できる。
まさに一石二鳥、五輪組織委員会は天才か!
と思ったネット民はレア中のレアらしい。
・いやー
お花畑ですね〜ははは笑
・視覚的効果って結構あると思うけどな
・こんなもんで効果あるなら
東京はとっくに朝顔で埋め尽くされてるわ
・暑すぎて枯れそう
・せっかくならゴーヤとかエンドウ豆とか食べられるものにすればよかったのに。
もちろん考えられるすべての暑さ対策をしたうえでの、最後の一押しとして「アサガオ作戦」が決行されるはずだ。
奈良時代に遣唐使が中国から持ち帰って、アサガオの栽培が始まったと言われる。
奈良・平安時代には薬用として使われていたアサガオが、いまのように鑑賞用となったのは、江戸時代に品種改良が進んでから。
2年前の夏にベトナム人とドイツ人、それと2人のリトアニア人と一緒に京都旅行をした。
夏の京都を歩くのはヨーロッパの中でも、アルプスより北にあるドイツとリトアニアの人間にとっては地獄をさまようも同然。
ベトナム人でさえ、「こんな暑さは経験したことないです。汗がとまりません」とフィリピン人と同じことを言う。
そんな外国人がもれなく絶賛したのが貴船で見た川床(納涼床)。
このへんの気温は実際に街中より低かったと思うけど、「これは見ているだけで涼しくなる!」と視覚的な効果が大きかった。
ヨーロッパ人にも東南アジアの人間にもこの納涼文化はすぐに通じた。が、彼らがまったく理解できなかったのがコレだ。
レストランや宿にあった風鈴の目的を聞かれて、「これは夏の風物詩。チリ~ンという気持ちの良い音を聞くと、涼しく感じるから」と答えたボクに共感する外国人はゼロ。
「いや待ってくれ。確かにとても良い音がするけど、それと涼しさはどう関係するんだ?」
「心がリラックスするというのなら分かる。でも、なんでこれを涼しいと感じるの?」
とベトナムも人ドイツ人もリトアニア人も不思議そうな顔をする。
京都なのに、日本人のボクが完全アウェーという理不尽な展開がそこにはあった。
これは日本人と外国人の聴覚の違いのせいか?
と思ったら、風鈴の音を聞いて涼しく感じるのは、どうやら日本人の脳が誤解しているかららしい。
言ってみれば、あれは気のせいだ。
脳の中で音を聞く場所(聴覚野)と涼しさを感じる場所(体性野)はまったく別でも、風鈴の音を聞くことと、風が吹いて涼しいという体験を何度もすることで、この二つが結びつくようになる。
「風鈴が鳴る→風が吹いている→涼しい」という経験を重ねることで、体感温度はまったく変わっていないのに、脳が涼しいと感じるようになる。
だから風鈴の音を涼しく思うのは聴覚ではなくて、文化的な影響が大きい。
アサガオを見て涼を感じるかどうかは未知数。
川床のような分かりやすい清涼感はないとしても、「風鈴大作戦」よりは成功する確率はきっと高い。
いまネットで見た目などに問題にあるアイスクリームを、400円で詰め放題できるというサービスを新潟の会社がやっているというニュースを見た。
これは全人類に通じる暑さ対策だ。
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> そんな酷暑を乗り切るための武器として、東京五輪ではアサガオの導入を決めたらしい。
オリンピックにアサガオですか? 大丈夫かなぁ・・・
日本人はあまり知っている人はいませんが、アサガオの種って、強い毒があるんですよね。漢方薬に使われたりもします。また海外では、「興奮剤」「幻覚剤」として利用されることもあるらしいです。(どうやって使うのか知りませんが。)
アサガオによく似た花を咲かせる「チョウセンアサガオ」という植物もあるのですが、これはもう完全な毒草・幻覚剤です。そのため「キチガイナスビ」と呼ばれることもある。