【文化盗用?】韓国人が「日本のかるび」で怒ったり喜んだ理由

 

いまから1週間前、7月20日は「ハンバーガーの日」だったのだよ。
1971(昭和46)年のこの日、銀座にマクドナルド1号店が開店したことを記念してこの記念日が爆誕。
そのころ日本はこんな感じだった。

 

 

マックといえば去年のいまごろ、「”肉らしいほどうまい”ビーフバーガーが期間限定で登場!」とこんなキャンペーンをしてたっけ。
オーストラリアの「ベーコンラバーズ」とカナダの「マイティビーフオリジナル」はいいとして、日本が「かるびマック」をチョイスしたことから、怒りが爆発した国があったらしい。

 

 

ニュースサイト「SIRABEE」の記事にそんなことが書いてある。(2020/06/18)

マクドナルドの期間限定バーガーに韓国人激怒 「なぜカルビが日本代表?」

「カルビ」は韓国語(朝鮮語)だから、「日本が韓国料理をパクった!」「文化盗用だ」といった批判が玄界灘の向こう側で上がっていたとか。

で、これに日本のネットの反応は?

・焼き肉そのものはどこの国のものでもないだろ
あんなもん料理じゃなくて「素材」だ
・そういう部位を分けて焼き肉としての文化が出来たのは日本だがね
・うるせぇなw
・トウガラシも漬物の技術も日本からもらっておいて
・韓国って焼肉より蟹の料理を押して行ったほうがいいと思う
なんとかケジャンてやつ
あれのほうが美味しいよ
・中国のラーメンと日本のラーメンが別物みたいなことだよ

 

マックが「照り焼きバーガー」を日本代表に選んでいたら、こんな騒ぎにはならなかったんだが、でもこの程度の炎上ならいい宣伝になったかも。
さて「かるびマック」が文化盗用になるかというと、そんなワケねー。

まず火と肉があればできる焼肉なんて数千年、数万年から地球上の各地で自然発生的に生まれただろうから、この起源は誰も主張できない。
ちなみにいまネットで見たら、人類が火を起こすようになったのは約45万年前のことらしい。
それにカルビは部位に関係ない牛のバラ肉、ただの食材の名称だから韓国料理とは基本的に関係ない。
ロースが英語だからといって、「ロース肉バーガー」がアメリカ料理になるわけでもない。
「イクラ」はもともとはロシア語だけど、寿司のイクラを見て「日本がロシア料理を盗んだ!」と激怒するロシア人なんてこの世に存在しない。

そもそも韓国語のカルビはモンゴル語に由来すると言われているし、中国語がそのまま韓国語になった言葉は星の数ほどある。
日本語の「大統領」を韓国人が使っていても、気にする日本人なんていない。

 

インドネシアの焼肉

 

東京に住んでいた韓国人が日本に来てから驚いたことが、「カルビ」や「サンチュ」など焼肉で使う言葉が韓国語だったこと。
日本人の友人と焼肉屋に行ったらサムギョプサルがあったし、肉を巻くレタス(カッティングレタス)を「サンチュ」と言うことを知って、「こんなにたくさんの韓国語を使っているのですね!」とよろこんで、友人と韓国語や韓国料理の話に花を咲かせた。
戦後、在日韓国・朝鮮の人たちが焼き肉を広めたことで、こうした言葉が日本語として定着したのだろう。

ちなみにカッティングレタスは奈良時代からある古い日本の野菜で、レタスの和名「チシャ」から「カキヂシャ」と呼ばれていた。でもいまの日本人には、レタスやサンチュのほうが圧倒的に馴染みがある。

「かるび」もいまでは日本語だから、韓国に「かるびマック」と同じ物でもない限り、これを「韓国料理のパクリ」と主張するのはムリ筋。
「プルコギバーガー」はかるびマックとはまったく違う。
材料も調理法も韓国とは関係ない「かるびマック」が「文化盗用」という指摘は間違いだし、これが日本代表になってもおかしくはない。
まぁあんまり細かいことは気にするな。
そもそもこのハンバーガーに「激怒」した韓国人なんて一体どのぐらいいたのか。

 

 

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日本と韓国の職人の違い。文化を育てる「天下一」の考え方

 

1 個のコメント

  • 日本の「カルビマック」が文化盗用? 何を的外れなことを言ってんだか。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。