【空気ヨメナイ】日本人の遠回し表現に米国・インド人が困惑

 

「日本語で詠むアラビアのニュース」

そんなキャッチコピーのメディア『アラブニュース』でこんな記事を発見。(29 Aug 2021)

日本で”空気を読む”には

ノーや否定的な意見を言うとき、日本人はそれをハッキリ伝えることが苦手で、遠回しな表現をして「相手に気づかせる作戦」をとることがよくある。
日本社会においてその”真意”がわからない人、相手の気持ちを察することのできない人は「KY」のレッテルを張られて、避けられたり嫌われたりする現象は小学校から職場まで広く見られる。

文化や伝統の違う外国人にとって日本人の気持ちや意思を正しく理解する、「空気を読む」の難度はエベレスト級で「無理ゲー」に近い人もいる。

ただタイ人の間では相手に配慮し“察する”文化がわりとあるけど、欧米人は自分の言いたいことを明確に伝えて相手にもそれを求めるから、空気を読むのは苦手という人が多い気がする。
アラブ人にとってもそれは同じらしく、日本は「ハイコンテクスト(文脈が多くの情報を持つ)社会」として記事にはこう書いてある。

メッセージから意味や行動を推測する際には文脈に依存している。そのため言葉やコミュニケーションは間接的で柔らかく、含みを持ち、繊細なものになる。

 

といってもアラブ人の住むサウジアラビア、ヨルダン、エジプトを地理的に「中東」とひとまとめにするのはOKとしても、国民性には違いがあるから「いくつかの国」ではハイコンテクスト社会もあるという。
でも、日本社会の「空気を読む」のむずかしさはアラブ人にはきっと異次元レベル。

この記事に日本のネット民の感想は?

・黙ってればいい。
・空気を読む=何もしない事でしょ
分かってるふりして実際は分かってない
・ネット見てると空気どころか日本語すら読めない人がかなりいる
・どこの国でも空気を読むはあるんじゃないの
・空気読めとか陰でしか本音を言わない陰険陰湿な日本人独特の文化だろ

日本社会の「空気」についてくわしいことはここを参照のこと。

場の空気を読む、すなわち場の空気を意識することは暗黙知であり、心理学ではこのような能力を「社会的知能(ソーシャル・インテリジェンス)」と呼んでいる。

場の空気 

 

外国人はだいたい「空気読み」が苦手で、日本で日本語を学ぶ外国人のなかには漢字と同じぐらい、日本人がかもし出す”空気”を読むことはむずかしいと言う人もいた。
そういう感覚があると、日本人の表現は自然と「間接的で柔らかく、含みを持ち、繊細なものになる」。
では、その壁とぶつかったアメリカ人とインド人の事例を紹介しよう。

あるアメリカ人男性が日本人の女性を遊びに誘うと、「それは面白そうだけど、その日はむずかしいです。ごめんなさい」と言われる。つまりノーだ。
にもかかわらず、これを「行きたい気持ちがある」とポジティブ解釈したアメリカ人は、「むずかしい」の内容を聞いて、どうやったらその問題を解決できるか考えようとした。
何回かやり取りをしたあとに、やっと「行きたくない」という事実を知って彼はえらく傷ついた。

この件から離れて一般的に、英語圏では「誰が~した」と主語(=責任)を明確にする言い方が普通である一方、日本語ではよくそれを省略するから、アメリカ人には相手が何を言いたいのかつかみにくいことが多いという。
それに日本人は拒否することに罪悪感を感じて、「ノー」をはっきりさせないで遠回しに表現するからストレスを感じるらしい。

 

次にインド人のケースはこんな感じだ。
そのインド人女性は交流会で知り合った日本人女性と紅葉を見に行くことになり、当日はその日本人が車を出して、彼女はインドの料理やスイーツを用意することとなった。
それを楽しみにしていた彼女に、5日前ごろ一通のメールが届く。
中を開くとこんなメッセージが。

「いま急ぎの仕事があって、会社からその日に仕事をするよう言われる可能性が高いです。突然行けなくなることもありますので、前もって伝えておきますね」

ちょっと不自然な内容で「よくわからん」と思ったインド人が別の日本人に意見を求めると、「それはきっとキャンセルの連絡だね。何かの用事が入って行けなくなったけど、ドタキャンするのは失礼だし、それを自分の責任にしたくなかったんじゃないかな。」ということを聞く。

行くのか行かないのか、アイマイなまま時間が過ぎていって2日前に、「やっぱり会社から仕事をしろとの指示が出てしまいました。あなたと紅葉に行きたかったのですが、残念です」というメールがくる。
別の日本人の読み通りの展開だ。
埋め合わせについてもスルーしているから、こうなると最初からキャンセルするつもりだったという日本人の見方は正しかったと思うしかない。
キャンセルするのは別にかまわないとして、なんでそれをハッキリ伝えないのか?
このインド人的には「行く・行かない」の結果より、その伝え方や態度に腹が立った。

 

まぁこの日本人女性の言い方は少数としても、ドタキャンは基本的にしたくないし、その責任を回避するために遠回しの表現になる日本人は珍しくないと思う。
個人的な経験から言うと、全体的に外国人は遊びの予定ぐらいならドタキャンすることに罪悪感を感じない。
欧米人はその感覚がわりと高い一方、東南アジアの人たちはほとんどない。
アメリカ人やヨーロッパ人に比べて、タイ人、インドネシア人、ベトナム人のドタキャン率は明らかに高い。でも逆にこっちがドタキャンしても、「そっかー」と彼らはほとんど気にしない。

ということで日本人が外国人と接するときは、ノーやキャンセルを伝えても相手は日本人ほど気にしないと気軽に考えたほうがいい。
そして配慮や礼儀を重視して「間接的で柔らかく、含みを持ち、繊細」な表現にならないよう、単純・明確に伝えたほうがいい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。