【親ガチャ】日本・米・スウェーデンで社会問題になった名前

 

子どもは親を選べない。
親の職業や資産は自分が生まれてから分かることで、それによって人生が大きく左右される。
そんな発想から「親ガチャ」というイヤな言葉がうまれた。

人生の成功・失敗を親のせいにすることはできないけど、でも罰ゲームのような親はたしかにいる。
1993年に東京で、生まれた子どもに「悪魔」と名づけて役所に出生届を出したバカ親がいた。
役所はいったん受理するも、法務省に確認すると「子供の福祉を害する可能性がある」ということで結局は不受理になる。
でも、どうしても自分の子どもに「悪魔」と名づけたいこの親は、この決定を不服とし東京家裁に訴える。すると勝訴してしまった。
でも市が東京高裁に抗告して第二ラウンドが始まり、その後なんだかんだあって、結果として「悪魔」という名前に許可は下りなかった。
こういう親なら、ガチャで大ハズレを引いたと言っていい。

くわしいことは「悪魔ちゃん命名騒動」をどうぞ。

 

欧米社会では「悪魔」とよべる人物に、ホロコースト(ユダヤ人虐殺)を行ったアドルフ・ヒトラーがいる。

ちなみにヒトラーがユダヤ人を憎悪し差別していたことは有名だが、日本人も蔑視・差別していたのだ。

ヒトラーは『わが闘争』の中で、日本人について、「文化的には創造性を欠いた民族である」とし、日本語の発音を鵞鳥のようだと酷評している。

アドルフ・ヒトラー・対日本観

 

2008年にアメリカ・ペンシルバニア州の都市で、わが子に「アドルフ・ヒトラー」と名づけたバカ親がいて注目を集めた。
なんでそれがわかったかというと、3歳になる「ヒトラーちゃん」の誕生日ケーキを注文したところ、「その名前ではムリ」と店に拒否されて、「何が問題なのかわからない」と両親が騒ぎだしたから。

この店の決定については賛否両論。
ユダヤ人団体は店を支持したけど、「ケーキを拒否するのは差別では?」という批判もあってアメリカの世論は分かれた。
でも、最大の被害者は子どもであるという点では満場一致で、「アドルフくん、誕生日がおめでとう。あなたの両親がバカで気の毒に思う。」「これは完全に合法的な虐待だ」と同情が集まった。

くわしいことはこの記事を。

Holland Township family angry that supermarket won’t personalize cake for their son

 

そして2021年のいま、注目を集めているのがこの名前だ。

AFPの記事(2021年09月21日)

「プーチンちゃん」はダメ 赤ん坊の名、当局が拒否―スウェーデン

子どもに「ウラジーミル・プーチン」と名付けたスウェーデン人の親に対し、当局がその名前での登録を拒否。(「悪魔ちゃん命名騒動」と似ている)

「ウラジーミル・プーチン」を子どもの名前にしようとした親に、当局がこう諭したという。

「その名を持つことになる人物が、悪意を持たれてはならないし、苦痛を伴うこともあってはならない」
「プーチンという世界的に有名な名字はファーストネームとしてふさわしくない」

「悪魔」や「ヒトラー」という名前が社会的な問題になるのは当然というか論外としても、「プーチンはいいのでは?」と個人的には思ってしまう。
でもスウェーデン人の価値観ではNGらしい。
なんせそう名付けられた子どもはその後の人生で悪意を持たれたり、苦痛を伴うことが予想されるというのだから。
18世紀・19世紀にロシア・スウェーデン戦争があったことなんかで、両国の関係は良くないのだろうか?
それともスウェーデンでのプーチン大統領個人への印象がオソロシク悪いのか。

「親ガチャ」というのは世界的にあるようだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。