日本とリトアニアを結ぶ3つ:本田圭佑・カニカマ・杉浦千畝

 

「持ってる男」はやっぱり持っていた。
9月26日に新天地・リトアニアでデビューした本田圭佑選手がいきなりゴールを決めた。
オランダ・アゼルバイジャン・メキシコなどでプレーしてきた本田選手は、これで9カ国の1部リーグで得点したことになる。
世界中のプロリーグを渡り歩いて、日本サッカー界の葛飾北斎(生涯で93回引っ越した)といわれる面目躍如。いやしらんけど。

これにはネットの声は?

・これはマジで本田△
・おまいら早く謝れよ
・やるねぇ・・・で、リトアニアてどこ?
・なんかどこ行っても最初は調子いいな
・森保「よし日本代表に招集して俺たちのサッカーで勝つ」

「持ってる」ことは証明したから、あとは維持できるかどうか。

では反対に、あちらでは本田選手の移籍をどうみているのか?
このまえリトアニア人とスシローに行ったときに話を出したら、こんなことを言う。

「ああ、日本のサッカー選手がリトアニアに来るってニュースは見たよ。彼は無名か、ピークを過ぎた選手なんだろ?」

それでいうといまの本田選手は後者になる。
でもなんで、そんなネガティブな二択なのかきくと、日本と違ってリトアニアのサッカーは弱いから、日本の有望な選手がくるはずないと思ったらしい。

*いまFIFAランキングを見たら、26位の日本に対してリトアニアは137位。
一部といってもレベルはJ2かJ3くらいか。
でもシーズン100ゴール決めたら、ACミランからミラクル・オファーがくるかも。

 

さて「で、リトアニアてどこ?」というように、日本でこの国の知名度は絶望的に低い。
日本に3年間住んでいた知人のリトアニア人も初対面の人に自己紹介すると、「えっ、もう一度いい?」「そこはどこ?」と国名と位置を確認する日本人の反応にはすっかり慣れた。
自分よりも母国の説明をすることが多くなった彼を困らせたのは、日本で有名なモノも、日本とのつながりもほぼないという事実。
いまは日本で無名でも、これから本田選手の活躍とともにリトアニアの知名度は上がってくることが予想されるから、この国と日本の関係についてあと2つ知っておこう。

 

 

これがリトアニアの基本情報

面積:6.5万平方キロメートル
人口:約279.0万人(2020年)
首都:ビリニュス(人口約54万人)(2020年)
言語:リトアニア語
宗教:主にカトリック

外務省ホームページ「リトアニア共和国(Republic of Lithuania)基礎データ」から。

 

本田△の次は、インスタントラーメン、レトルトカレーとならんで「戦後の食品の三大発明」と呼ばれることもあるコレ。

 

画像:Natto

 

カニ肉と外見や味、食感がそっくりのカマボコ「カニカマ」は1970年代の日本で作られた。
この世界最大の消費地がフランスやスペインなどの西ヨーロッパで、主原料となるスケトウダラは北の冷たい海でよくとれる。
この2つの条件からするとリトアニアは理想的で、いまでは世界最大のカニカマ生産国となった。
まえにリトアニア人にその話をしたら、彼はカニカマが日本生まれということを知らず、こんなことを言う。

「Well, it’s good, I like it, and we can make lots of different dishes with them, quite easy ones. Maybe that’s why」

ヨーロッパ人はカニカマを使って、いろんな料理をつくるから人気になったという。
くわしいことはこの記事を。

日本発祥の「カニカマ」海外へ。世界一の生産・消費国はどこ?

 

本田選手、カニカマときて次はこの人物だ。

 

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杉原千畝(すぎはら ちうね:1900年~1986年)

 

第二次世界大戦中、リトアニアにいた外交官の杉原千畝はナチス=ドイツの迫害を受けて苦しんでいた多くのユダヤ人にビザを出して、6000人の命を救ったといわれている。

それでイスラエル政府は『イスラエル建国の恩人』として杉原を表彰し、2018年にリトアニアを訪れた安倍首相は、「杉原氏の勇気ある人道的な行動は世界中で高く評価されている。同じ日本人として誇りに思う」と語った。

「ユダヤ人を救った日本人」については樋口季一郎もマスト。

日本人の誇り・ユダヤ人を助けた杉原千畝と樋口季一郎。

 

杉原がユダヤ難民に出したビザは「命のビザ」と呼ばれる。

 

杉原が描かれたリトアニアの切手(2004年)

 

切手まで発行されているように、杉原千畝はリトアニアでも広く尊敬されていればよかったけど、現地での知名度は本当に低いらしい。
知人は杉原が住んでいた(日本領事館のあった)都市カウナスの大学に通っていたのに、杉原の「ス」の字も知らなかった。
ユダヤ人救出もリトアニア人にとっては、どこか「他人ごと」という印象があるらしい。

ではこれから本田選手の活躍を聞いたら、時々でいいから、カニカマと杉浦千畝のことも思い出してください。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。