若い在日韓国人が考える、国内の「反日」の現状と原因

 

昨年末、日本に住む20代のヤング(死語)の韓国人男性と話を話をした時に、「これは大丈夫かな」という手応えがあったんで、韓国の「反日」について聞いてみたから今回はその内容を紹介しよう。

 

「反日」の韓国人なら20年ぐらい前の方がたくさんいて、今はむしろ減ってる感じ。
それは国が豊かになって、日本との差がかなりなくなったからだと思う。
それに若い人たちの趣味や興味は多様化していて、それぞれ自分の好きなことに目を向けているから、「反日」についてふだん意識することはない。
韓国では日本好きの人はたくさんいるけど、そういう人は目立たない。

でも、日本を悪く思う感情はある。
日本は1910年から45年まで韓半島を占領し、国民を弾圧したという教育を受けているから、日本への拒否感はたしかにある。
いつもは眠っているけど、元慰安婦・徴用工問題で摩擦があったり、日本政府による2019年の「輸出規制」(管理厳格化)のような出来事があると、「反日」の感情が刺激されて目を覚ます。
でも、韓国の人たちは熱しやすくて冷めやすいし、それに飽きっぽい。
だからほとんどの人はすぐに元の日常生活に戻って、日本のことは頭から消える。
もちろん、骨の髄から反日という人も中にはいる。

若い世代では、いまの生活を思い切り楽しみたいという刹那的な考え方をしている人が多い。
慰安婦問題については70年以上も前のことだし、もう過去を変えることはできない。
だからそのことよりも、韓国経済に必要な素材の輸出を停止した「輸出規制」の方が大きな問題と思っている人が20代の間では多い。
何十年も前のことと違って、こっちはいまの自分たちの生活に直接影響するから

 

日本人に比べれば、韓国には良くも悪くも感情的な人が多い。
国内では政治や女性の権利などで考え方の違いから、ネットで対立してケンカに発展することは日常茶飯事。
瞬間的に熱くなって、過激な言葉で相手を攻撃することはよくあるし、それはもういまの韓国社会の病気になっている。
自分はそういうのが面倒でイヤだから、基本的に政治的な話は日常でもネット空間でもしない。

韓国・日本のネットコメントを見ていると気持ちが重くなる。
韓国人がネットに日本へのひどい悪口を書き込むと、それは例外的なのに、「これが韓国人だ」と日本で伝わってしまう。
国内で韓国人同士がケンカしている感じで書き込むと、日本人にとってはかなり強い表現になるから、それを見た人は韓国への悪感情が増大していくと思う。
もちろんこの逆もある。
日本の「嫌韓」コメントが韓国に伝わると、眠っていた「反日」が刺激されるという負の連鎖が起こる。

 

いまはお互いの国で何かあると、知らなくていいことまで一瞬で伝わって拡散されるから、小さな火花から炎上してしまう。
ネット社会のいま過激な言葉を使って、相手をひどく攻撃することが問題になっているのはどこの国も同じ。でも、韓日はそのきっかけとなる地雷があり過ぎる。
いっそのことネットを遮断して、相手の情報が伝わらなければいいとも思う。
でもそれは無理だから、自分はこの手のニュースやコメントを見ないようにしている。

反日・嫌韓の一番大きな原因は両国の政治家にある。
彼らが注目を浴びるために、必要以上の激しい言動をするからいけない。
メディアがそれを取り上げるから、名前が“売れる”政治家はよろこぶし、自分への支持がほしくなるとまた過激なコトを言う。
韓日では反日・嫌韓に一定の需要があるから、メディアもこうした報道をよくする。

 

 

さて、この韓国人との話で意外に思ったのが、若い世代の間では慰安婦問題よりも、日本政府の輸出厳格化のほうに反感が高いということ。
それで思い出したのが中央日報のこのコラム。(2021.12.06)

トップ10の国になったというのに…=韓国

まずこの数字はムン・ジェイン大統領が、「あらゆる面でトップ10の国になりました。世界の客観的な評価です」と国民に訴えたもの。
まぁ韓国が豊かな国になったのは間違いない。

最近、アメリカの研究所が17の先進国の国民を対象に、「何があなたの人生に意味を持たせるのですか?」と質問したところ、14カ国では「家族」が1位になり、韓国だけ「物質」が1位になった。

友人と共同体が人生の意味の源泉にあると答えた韓国人は3%だけ。
学び・恋人・奉仕も欧米とは違って、韓国でそれらは最下位圏にあり、高い価値が置かれていなかった。
人生の大部分は家族・恋人・友人・職業で満たされるはずなのに、いまの韓国はそうなっていない。
お金と不動産という物質が何よりも重視されていることから、コラムの筆者は「生きることが最も重要だがそれさえも難しい社会が韓国という意味だ」と、あらゆる面で世界のトップ10になったわりには悲しい現実を書く。

ちなみに人生で価値や意味があるものとして、日本人が選んだのは1位:家族、2位:物質的な幸せ、3・4位:職業/健康、5位:趣味。
韓国人は1位:物質的な幸せ、2位:健康、3位:家族、4位:一般的な満足感、5・6位:社会/自由。

 

人生は一度だけだから、自分のやりたいことやって最高に楽しもう。
そんな考え方を「YOLO(You Only Live Once)」という。
*ただし『007』は二回生きることができる。(You Only Live Twice:二度死ぬ)

韓国人との会話でいまの韓国の若い人たちには、こんな生き方を選ぶことが多いような印象を受けた。これを実現するには資本となるカネが必要だ。
元慰安婦・徴用工問題といった国民の情を動かす問題よりも、輸出厳格化の方が大きな問題とするなら、それは国益や自分の生活をより重視していることになる。
これはいい傾向。
韓国でこんなふうに実利を中心に考える人が増えれば、「反日」についても感情的な反応は減ってくるだろうから、日本との関係もきっと今より安定していく。
ただ、そんな時代が今世紀中にやってくるかは分からない。

 

 

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4 件のコメント

  • > 反日・嫌韓の一番大きな原因は両国の政治家にある。
    > 彼らが注目を浴びるために、必要以上の激しい言動をするからいけない。

    その見解には全く賛同できません。一番大きな原因は「韓国の」政治家ですね。
    日本では、まだまだ、注目を浴びるために「必要以上の激しい言動をもって韓国に対する非難」を政治家がすれば、メディアや世論から叩かれる風潮も強いですから。慎重な政治家はそんなリスクをおかしません。

    > 元慰安婦・徴用工問題といった国民の情を動かす問題よりも、輸出厳格化の方が大きな問題とするなら、それは国益や自分の生活をより重視していることになる。(改行)これはいい傾向。

    ははは、その見方は全く外れています。なぜなら、その2つの問題に対する「重視度の違い」は「自分が実感できるほど時代が近いかそうでないか」の違いに起因しているだけ、根っこは同じ「反日感情」に基づく短絡な考え方であるからです。そもそも、核兵器にも利用できる重要な戦略物資を韓国がちゃんと管理しないから、日本が輸出管理を厳格化しなくてはならない。

    ***

    ところで「在日」というのは、最近韓国から日本にやってきて現在たまたま滞在中ということですか? それとも親の代から日本在住の韓国籍の人? どちらの意味ですか?
    あるいは、ブログ主さんが意図的にその点をわざと明言しないということ?

  • 実利を求める韓国の若者が増えて日韓関係が好転することは望ましいが、韓国の立場では、そのような若者たちがますます韓国を台無しにしているようです。物質主義的思考が世界最上級ということはとても悲しい韓国の現実です。

  • >その見解には全く賛同できません。
    個人の見方はそれぞれ違いますよ。

    >「自分が実感できるほど時代が近いかそうでないか」の違いに起因しているだけ
    なぜそう言い切れるのでしょう?

    >どちらの意味ですか?
    それを特定する意義はありません。

  • それは私も思いました。
    カネ・車・家といった物は大切ですが、幸せの第一条件になるのはさみしいですね。
    家や不動産は文政権で大きくなった問題でしょう。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。