先日1月22日は「カレーの日」だった。
1982(昭和57)年のこの日、全国学校栄養士協議会が小中学校の給食でカレーを出したことにちなんで、こんな「カレー・デー」が爆誕したとか。
給食の定番メニューになるなど、いまではすっかり日本の国民食となったこの食べ物。
アニメキャラの設定では「カレー好き」の要素を入れるだけで、庶民的なイメージができて親しみを持たれる。
この言葉の語源は、ソースなどを意味するインド南部のタミル語「Kari(カリー)」というのが有力だ。
インドで生まれたカレーは日本ではイギリス人が伝えた西洋料理で、その後は独自に発展していったから、現在の日本のカレーはインドのものとはかなり違うのだ。
日本で働いていたインド人がお土産でレトルトカレー(たしかボン)を買って、家族に食べさせたら「悪くない」、「なかなか良い」という割と高評価が返ってきたあと、ネタバレでそれは日本のカレーだと伝えると、「えええっ。これはカレーだったのか!」と家族みんなが驚いたという。
日本のカレーがそれほど本場と違うのはスパイス(香辛料)がないから。
完全にゼロかは知らんけど、ボンカレーやココイチのカレーをインド人に食べてもらって感想を聞いたら、きっと「ここにスパイスはない」と言う。
インドでスパイスのないカレーは、味噌のない味噌汁のようなものだ。(たぶん)
ポーランド人が日本で感激した「カレー体験」
日本のカレーを食べたことのあるインド人に感想を聞くと、「甘いからオレの口には合わねえ」と言う人がいたし、「インドのカレーとはまったく別の食べ物。でも、あれはあれでオイシイ」と気に入る人もいて、これは本当に舌による。
変わったことを言っていたのは、「Kari」の由来とされるタミルナドゥ出身のインド人女性だ。
「日本のカレーもいいけど、やっぱりインドのものにはかなわない」と言うのに、彼女は日本でインド人シェフの作る本場のインドカレーよりも、ココイチとかの日本カレーの方が好きだと言う。
その心は?と思ったら、日本のカレー店は「本格的」をアピールするくせに、実際には日本人向けの味になっていて、自分には物足りないからだとか。
日本に来たころはインドの味を期待して店に入ったら、そういう「日本では本格的インドカレー」が出てきて何度も失望させられた。
まさに「カレー詐欺」。
手加減抜きでガチのインドカレーを出す店ならいいけど、日本でそんな店は本当に少ない。
「これなら私に厨房へ入らせてほしい。もっとおいしいカレーに作ることができる!」と豪語する彼女は、もう日本のインドカレーを口にすることはなくなった。
こういうガッカリ体験をさせられて、高いお金を取られるぐらいだったら、はじめから日本のカレーを食べに行った方が彼女的にはいい。
ココイチのメニューには当たりはずれがあっても、裏切られたことは一度もない。
だから安心感があるし、想像を超えたトッピングも楽しめるし、さらにインド・カレーの店よりも安いから好き。
ということで彼女は本場のインドカレーを食べたかったら、自宅で自分の好きなスパイスを組み合わせて至高の一品を作るし、日本のカレーを食べたくなったら近くのココイチに行くという新しいライフ・スタイルが定着した。
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まあ、そもそも、ブログ主さんもよくご存知の通り、日本のカレーはインド由来の料理じゃないですから。
日本の「自称インドカレー」が、実際には本物のインドカレーとは似ても似つかないから「カレー詐欺だ!」と言われてもねぇ。
日本のカレーは海軍の食事を通じて英国に由来するものであること。その事実を、そのインド人にも教えてあげる方がいいかもです。
(日本語にはtheがないので、どうしても「その」が増えちゃいます。なお冒頭の「まあ」は、Well… かな。)
「カレー詐欺だ」というのはインド人がつくる本格インドカレーのことです。
日本のカレーは気に入っていますよ。