【セレンディピティ】日本や海外で世界的発見を生んだ“偶然”

 

大変ご好評いただいている、だと?

 

 

手がすべって持ってたラーメンが落下して、「捨ててもいいけど、一口ぐらいは」と思って口に運ぶと、ソフトクリームとラーメンの相性はマリアージュ(絶妙、相思相愛)だった。
思わぬ偶然から、こんなラーメンを開発してしまったという。

…なんて話をしても、このビジュアルなら信じてしまいそう。
実際の誕生秘話は置いといて、ここでは偶然から生まれる発見や幸せ、セレンディピティ(serendipity)について書いていこう。
1754年の1月28日、イギリスの作家ホリス・ウォールポールがスリランカの童話『セレンディップの3人の王子たち』を基に初めてこの単語を使ったことを記念して、日本セレンディピティ協会がその日を「セレンディピティの日」に制定したとか。

予想外の偶然から幸運をつかみ取ること、または思わぬ幸運な発見をする能力をセレンディピティという。
「ソフトクリームを落としたら、美味なラーメンができてしまった!」ということなら、セレンディピティによる発明品だ。
この話は物語性があって面白いし、教訓もあるから話題になりやすい。
では、日本と海外で実際にあった“偶然”による大発見をみていこう。

実験材料のグリセロールとコバルトを間違って混ぜてしまい、「捨てるのも何だ」とそのまま実験したら見事に成功してしまい、田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞した。

外国人の研究員が「m」の文字に気づかずに、触媒の濃度を1000倍にするというミスをしたことが、白川英樹さんが後にノーベル化学賞を受賞するほどの大発見につながった。

ニュートンはリンゴが落ちるのを見て、万有引力を思いついたという。
フレミングが培養実験で間違ってアオカビを混入させたことで、抗生物質のペニシリンが見つかった。
第二次世界大戦で多くの兵士を感染症から救ったことから、ペニシリンは医学史上、最も重要な発見ともいわれる。
これもセレンディピティによるもの。

ニトログリセリンを運んでいるとき、たまたま容器が壊れたことからノーベルがダイナマイトを発明した。これで「ダイナマイト王」と呼ばれるほどの大金持ちになった彼は、その資産からノーベル賞を創設する。

日本セレンディピティ協会によるとクリームソーダも偶然の産物だ。
ある人がクリームとシロップと炭酸水を合わせた飲み物を売っていたら、クリームがなくなってしまい、かわりにバニラアイスクリームを入れたところ、これが大受けしてクリームソーダが誕生した。
*ソースは協会のHPの記述しか見つからなかったから、ちょっと半信半疑。
でも話の内容はまさにセレンディピティ。

他にもクリップやマジックテープもそうだし、ふとした偶然による発明は世界に山盛りあるのだ。

でも、リンゴが落ちるのを見れば誰でもニュートンになれるワケもなし。
「果報は寝て待て」的な発想ではなくて、それまでに常人にはできないような努力を重ねて、十分な知識や技術が備わったあとに、神さまが素敵なプレゼントをしてくれる。
セレンディピティはきっとそんなものだ。
しかし、この言葉はホント覚えにくい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。