スシローが自信をもって出したこの本格的スイーツ、いま巷ではけっこう人気があるらしい。
#高貴なマダガスカルショコラのプリンパフェ💖#マダガスカル産カカオ豆 を使用した #テオブロマ 土屋氏こだわりのショコラパフェ!
フルーティな風味と爽やかな香りの #本格チョコレート🍫の味わいが魅力的な逸品です😍#スシローカフェ部が世界的ショコラティエコラボ pic.twitter.com/fD8zS9c8Ra— スシロー (@akindosushiroco) January 23, 2022
世界中のどこの国にもあるチョコレート。
このふるさと(発祥の地)はアメリカ大陸で、古代メキシコでカカオは「神様の食べ物」といわれていた。
そのころのチョコレートはカカオ豆をすりつぶした濃厚な飲み物で、それにトウモロコシの粉、バニラ、唐辛子などを混ぜて飲んでいた。
大航海時代にアメリカ大陸へ渡り、その未知なる飲み物を知ったヨーロッパ人はカカオを持ち帰る。
唐辛子は苦くて口に合わなかったので、かわりに砂糖(かハチミツ)や牛乳を入れて彼ら好みの甘い味にする。
19世紀の中ごろイギリス人がいまのような固体のチョコを開発したことで、チョコレートは飲み物から食べ物になる。いまの日本のスーパーやコンビニにあるチョコの起源はコレ。
チョコレートの語源は、「酸味(xococ)」と「水・飲み物(atl)」 を意味するアステカ民族のショコラトル(xocolatl)だとか。
世界中で生産されているチョコレートの中でも、なんで特にマダガスカルのものがおいしいのか?
その理由を知人のマダガスカル人にたずねると、何といってもまずカカオが違うらしい。
伊豆のワサビがおいしいのは、流れる水などの自然環境がワサビ栽培に合っているから。
良質なカカオを育てるのも同じで、マダガスカルの土壌や気候はカカオ栽培には最適だから、世界的に高く評価されるカカオ豆を生産することができる。
そのカカオを使って、植民地時代にフランス人がチョコレート作りを始めた。
スイーツ作りでは世界トップクラスのノウハウを持つフランス人が、上質のカカオを使って作るチョコレートは、もう文字を読んだだけで最高に美味しい予感しかしない。
それをさらに発展させた現代のマダガスカル・チョコレートは世界的にも人気で、ついにスシローデビューを果たす。
ということで、マダガスカルのチョコはめっちゃ美味なんだろうけど、日本で有名なのはやっぱりこっち。
チョコレートはフランス語ではショコラ(chocolat)になる。
日本でおなじみのゴディバも、海外の空港にあるギリアン(Guylian)もベルギーのチョコだ。
世界的に有名なチョコレートの製造元があるベルギーのフランダース地方は、「チョコレートの首都」なんていわれることもある。
ベルギー・チョコがいまのような高い地位を獲得した理由には、ヨーロッパによるアフリカ植民地支配が関係している。
高校世界史で太文字で出てくる「アフリカ分割」は、とても重要な出来事だからおぼえておこう。
ドイツのビスマルク首相はコンゴとニジェールの問題の協議をつうじてアフリカ植民地化の列強の利害を調整する会議の開催を提唱し、1884年にベルリン会議が開かれた。
イギリス、フランス、イタリア、ベルギーなど14か国が参加したこの会議によって、コンゴはベルギー国王レオポルド2世の領地となる。
ベルギーはここでカカオ栽培を始めたものの、コンゴの土壌や気候は向いていなかったようで、多くの質の良いカカオを育てることはできなかった。
それを聞いたレオポルド2世は、「マダガスカルでワサビを育てるようなものか…」とため息をついたという。しらんけど。
とにかくそういうことで、ベルギーは他のヨーロッパの国からカカオを仕入れるようになる。
結果的にこれが良かった。
ベルギーではいろいろな種類のカカオをうまく混ぜ合わせることで、独自の美味なるチョコレートを作ることに成功した。
そんなことでベルギー・チョコの評判は広がり、「チョコレートの首都」という名声を獲得するまでになる。
良質な素材の味を活かしたのがマダガスカルのチョコで、様々なカカオ豆を絶妙に配合したのがベルギーのチョコ。どっちも美味しいけど、発想や方法はまったく違う。
日本の自然がカカオ豆の栽培に適しているとは思えないから、目指すとしたらベルギー・スタイルか。
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