韓国の全国どこにでもあって、国民のソウルフードと言ってもいい食べ物が「キムパブ」。
キムは「海苔(のり)」、パプは「ご飯」の意味で、野菜や卵などをご飯に包み、海苔で巻いて作るこの食べ物は要するに日本の「のり巻き」だ。
知人のアメリカ人がこれで失敗をしたことがある。
彼がニューヨークに住んでいて韓国系の女性と付き合っていたころ、彼女の家でこれを出されて、「やった!ボクはスシが大好きなんだ!」とよろこんだら、「ちがう!これはキムパブだ。日本のスシじゃない」と怒られた。
それで“正しい”発音を教わったとか。
日本人でも間違えてしまいそうなキムパブ
このキムパプの起源は韓国なのか、それとも日本なのか?
その歴史をめぐって韓国日報がこんな記事(コラム)を載せた。(2022.03.05)
김밥의 원조는 한국일까, 일본일까
キムパプを日本起源とする根拠にはこんなものがあるという。
・海苔は日本統治時代に生産が増えた。
・朝鮮時代に韓国人がキムパプを食べたという記録はなく、“日帝強占期”に社会全体に普及した。(あれ?これで終わりでは?)
・昌慶苑での桜花遊び(花見)などでピクニックをするさい、弁当に入れるメニューにキムパブがあった。東亜日報(1930年)の『婦人の知っておくべき春の料理法』という記事に、サンドウィッチと一緒に「キムサムパプの(海苔包みご飯)」の料理法が掲載されている。
対して、キムパプが韓国固有の食べものだとする根拠がこちら。
・韓国人が海苔を食べたという記録が13世紀の歴史書にあり、海苔の養殖は1650年ごろに行われた。日本人が海苔を食べたのは18世紀の前半だから、我々のほうがかなり古い。
・白菜の葉っぱに海苔とご飯を包む「ポクサム」という食べ物があって、洌陽歳時記(1819年)などにその記録がある。
こう見ると、韓国起源説は根拠が薄い。
韓国人は日本人より早く海苔を食べていたことや韓国にはサム(包む)文化があるため、「海苔をご飯に包んで食べる文化が自然に存在していたと推論するのである」という。
でもこれは記事を書いた人の推測だから、根拠としてはスライムなみに弱い。
そして、裏切ってほしい予想を裏切らないのが韓国さん。
サラリとこんな主張を混ぜ込む。
ウリナラの初期のキムパプが朝鮮時代頃に日本に伝わり、日帝時代に新たな形態でウリナラに逆輸入されたという主張もある。
力作お疲れさまでした。
でも大変申し上げにくいことに、日本人と海苔には古代から深い関係があって、縄文時代の遺跡から海苔とみられる化石が見つかっているのだ。
それに702年に施行された大宝律令には、租税の一つとして海苔が明記されている。それちなんで、大宝律令が施行された「大宝2年1月1日」は西暦702年2月6日だから、この日は「海苔の日」という記念日になっている。
18世紀の前半って…。千年の時差は誤差では済まされないですぞ。
さらに「ポクサム」については現在のキムパプとの関連はなく、日本品種の海苔やジャポニカ米を一般人が食べるようになったのは、日韓併合以降だと キムパブ に説明がある。
キムパプの「韓国起源説」はこんな感じにときどき話題になるんだが、韓国政府編纂の『韓国伝統文化事典』ですでに否定されている。
10年ぐらい前に韓国へ行ったとき、(2022年のいまなら70歳近くになる)韓国人の日本語ガイドが、以前はノリマキと言っていたのに、近ごろはキムパブと言うようになったと話していた。
ただ、キムパブと海苔巻きは違う。
韓国人の味覚に合わせて酢飯を使ってないし、ごま油がたっぷり塗られている。
ということで結論をいうと、キムパブは日本の海苔巻きを由来とする食べ物だけど、独自のアレンジが加えられた韓国の食文化だ。
自国民もまどわすようないい加減な情報を、メディアが流さないようにしてください。
これだと、「やった!ボクはスシが大好きなんだ!」とよろこぶ外国人に、「ちがう!これはキムパブだ。」と言ったあと、「私たちのキムパプが日本へ伝わって海苔巻きになった」と起源を主張する人が出てくるかもしれない。
別に韓国人が何を言おうが勝手だし、よほどのことがない限り腹が立つこともないですが。
感情的判断が優先で、事実を事実として認めることができない。
サイエンスの根本は、事実の積み上げからその背景メカニズムを抽出し、理論化して、予想・応用できるようにすることです。
寿司を起源とし新たに創作したキムパブでいいのにね
ことごとく朝鮮起源のものなんてないのに、韓国は起源説を唱えるのが好きですね
カレーはインドのものだし、ラーメンは中国、ピザはイタリアだと大半の日本人は認識しているし、日本起源だなどと訴えない
そうなんですよね。
キムパブが韓国文化であることだけを主張すれば問題ナシです。
ビールはメソポタミア文明かエジプト文明で生まれたモノで、ドイツ人はその起源を主張しません。
それを独自にアレンジしたドイツビールを自国の文化と考えています。