このまえブレーメンに住んでるドイツ人と話をしていたら、彼が日本に住んでいたころ、近所の神社で開かれるフリーマーケットが楽しみだったと言う。
「神社でやるのが面白いデスネ」と言うから、ドイツでは教会でやらないのか聞いたら、「そんなワケないよー」と笑われたでござる。
フリーマーケットはアクセスが良くて、人の集まるところで開かれるのが世界の常識で、教会やその前の広場ならその条件に合ってるような気がしたんだが、そんな発想はドイツ人に切り捨てられて、やや傷ついた。
では、ドイツでフリーマーケットはどこでやるのか?
彼の住んでいたところでは日曜日に、スーパーマーケットの駐車場でやっていたと言う。
付近の住民が野菜や果物、花、手製のアクセサリーなんかを持ち寄って、同じ住民を相手に自由に売るというやり方は日本のフリマと変わらない。
週末の日曜日に開催されるというのも同じだ。
でもなんで、スーパーの駐車場でフリマをするのか?
特に野菜や果物はスーパーでも売ってるはずで、値段や質が違うとしても商品はかぶるし、駐車場でフリーマーケットを開いたら、かなりのスペースを取られてしまう。
しかも出店料はたぶん無いか、あっても格安だと彼は言う。
日曜日という稼ぎ時に、スーパーがよく開放してくれたな。
話を聞くと、ドイツ人は細かいコトを気にしないし、近隣住民の交流を大切に考えるスーパーマーケットは、多少の売上を犠牲にしてもその場を提供する。住民もその気持ちを理解しているから、普段の買い物はそこでする、というあったかい話ではなかった。
それは単純に「ドイツのスーパーは日曜日に休むから」と。
キリスト教で安息日になっている日曜日は、仕事を休んで教会に行ってお祈りをすることが1000年以上前からあるドイツの伝統で、現在ではドイツの「閉店法」によってそれが法的に定められているという。
といっても、開店の許可を取って営業している店はあるし、国内でも州によって違いはあるらしい。でもドイツでは基本的に、日曜日にスーパーやレストラン、カフェは営業をしていない。
だからスーパーはその日に駐車場を開放しても、損することも困ることも特にないらしい。
そう言えば、そんな事情を知らない日本人旅行者が「どっ、どういうことだ」と日曜日のドイツで、買い物も食事もできなくて困ったという話を聞いたことがある。
そのドイツ人は無宗教に近いから教会には行かず、日曜日は家族とゆっくり過ごす大切な時間と考えている。
日本にはキリスト教のような安息日なんて無いし、日曜日にスーパーやコンビニを休みにすることは現実的に無理。
でも週に一度、こんな「家族の日」があってもいい。
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