ハウス食品が1978年に発売した「とんがりコーン」は、なんであんなに尖(とん)がっているのか?
もう50年近く経つのだから、いつまでもナイフみたいにとがってないで、もう少し丸くなってもいいのでは?
見ると思わず指にかぶせたくなる、「とんがりコーン」のあの円すい形に疑問を持ったことのある人は多いと思われ。
あの元ネタになったのはアメリカのスナック菓子「ビューグルズ(BUGLES)」で、ビューグルズとは口で吹いて大きな音を出す楽器(たとえばラッパ)のことをいう。
その楽器の円すい形の先端部分にヒントを得て、アメリカのお菓子メーカーが「ビューグルズ」を作って、そのメーカーと提携したハウス食品が日本で発売したのが「とんがりコーン」。
カナダ人はクリスマスの時期に、いろんなスナック菓子を交ぜてソースをかける「ナッツ・アンド・ボルツ」をよく食べる。
ビューグルズはこのマストアイテムだ。
でも今年、ビューグルズが販売中止になってしまったから、カナダ国民は絶望的な気分になる。
そんな彼らが「とんがりコーン」に注目して、代わりこれを使うようになったことで、カナダの公共放送局CBCは「日本のビューグルズがクリスマスを救ってくれるようだ」と伝えたという。
朝日新聞(2022/12/24)
カナダのクリスマスを救う日本のあの菓子 販売中止の商品そっくり
「とんがりコーン」はいわば「日本版ビューグルズ」だから、互換性がとても高いから問題ないとしても、まさか本家の人たちを救うことになるとは!
ナッツ・アンド・ボルツの一例
ネットで調べてみると「ビューグルズ」の味にはオリジナル(たぶん塩)、ナチョチーズ、チョコレートピーナツバター、キャラメルの4つがある。
一方、「とんがりコーン」には明太チーズ、チーズ、のりマヨネーズ、焼きりんご、焼きとうもろこし、はちみつバター…と新しいフレーバーがつぎつぎ誕生していて無限増殖の状態だ。(とんがりヒストリー)
知り合いのアメリカ人とイギリス人は日本のキットカットについて、日本酒、イチゴ、栗、きなこ、バナナ、あずき、ほうじ茶…といったバラエティーの多さに、「なにこれ、信じられない!」と驚く。
友人のドイツ人は日本で抹茶やオレンジ、チョコ味のバームクーヘンを見て、「なんであんなに種類があるの?」とあきれて感心した。
日本人は好奇心モリモリなのか、飽きっぽい性格なのか分からないが、欧米にあるお菓子を取り入れるといろんなフレーバーを開発して、独自のお菓子にしてしまう。
その結果、オリジナルからの発展、または変態(もとの姿から変化した形態)っぷりに欧米人がビックリして、よくSNSに新発見をアップする。
日本人には何でもない「抹茶キットカット」でも、「なにその緑のキットカット!」と驚く外国人は多い。
アメリカの場合はスナック菓子に限らず、食べ物はとにかく量で勝負。
重さ 75gの「とんがりコーン」に対して、本家アメリカの「ビューグルズ」は 213gと約3倍もあるのだ。
日本のファミリーサイズがあちらではノーマルサイズという感じ。
それでいてセール中なら1個2ドルほど、110円で換算すれば約220円で買えるという。
日本のお菓子は基本的に量より質で、いろんな味を考案してバラエティー豊かなところに特徴がある。
だからカナダ人が「ナッツ・アンド・ボルツ」で新しい発見をするかもしれないし、日本人がいろんなナッツやスナック菓子をぶちこんで和風ナッツ・アンド・ボルツを作ってもよし。
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