まいとし春になると、アメリカの首都ワシントンD.C.で「全米桜祭り」(National Cherry Blossom Festival)が開かれる。
これは1912年に日本からワシントンへ、桜が贈られたことを記念して行われるイベント。
アメリカ人にも愛されているこの桜は、まいとし日米の友好親善に貢献してくれる“日本大使”だ。
そしてこの行事が始まると、隣国の「いっちょかみ」が日本でよく話題になって、もう春の風物詩になった感がある。
韓国メディアの聯合ニュースTVがこんな報道をした。(2023.03.25)
遺伝子分析してみると、ワシントンにある桜は韓国の済州にある王桜と“兄弟”であることが確認された。
だから、「全米桜祭り」の故郷は日本ではなく韓国だったのだ!
워싱턴 벚나무의 고향이 일본이 아니라 한국??
[지구촌톡톡] 봄봄봄 봄이 왔어요…미국서 벚꽃 꽃망울 ‘톡톡’
벚나무 표본 채취해 유전자 분석해보니…
워싱턴 벚나무,
제주산 왕벚나무와 같은 형제로 확인!
日本統治時代(韓国では日帝強占期)に、日本人が韓国の王桜を改良してアメリカへ寄贈したという。それでワシントンの桜はきれいだけど、韓国人としてはちょっと苦々しいエンディングだと。
でも、これはおかしい。
「全米桜祭り」にある桜の大部分を占めるソメイヨシノについて、その起源は済州の王桜という説は確かにあった。
はたして日本やワシントンにある桜の“故郷”は韓国だったのか?
王桜のゲノムを解読した結果、この説は間違いであることが確認されて、韓国メディアが「虚しい結末」と肩を落とす。
韓国経済新聞/中央日報日本語版のコラム(2018.09.15)
日本のソメイヨシノの起源が済州という学説も正しくなかったということが最近、韓国の研究陣によって明らかにされた。
【噴水台】ソメイヨシノ起源論争の虚しい結末
日本の桜の原産地は済州だから、花見は私たちの伝統だと主張する「自己欺まんだけはもうやめるべきだ」とコラムは厳しいことを書く。
ソメイヨシノは日本人が作り出した品種で、韓国の桜と関係ないことはアメリカ農務省のサイトでも説明されている。
P. yedoensis native to Korea can be considered different from Yoshino cherry of hybrid origin from Japan based on ISSR markers and rpl16 haplotypes.
統治時代に日本が韓国の桜の木を改良して、アメリカへ寄贈したという資料は日本には一切存在しない。
いい加減で無責任な情報をメディアが発信した結果、誤解した韓国人から「ワシントンの桜は済州島産だ」という主張が寄せられることがあるから、日本の専門家はわりと困っているらしい。
FNNプライムオンライン(2021年3月31日)
「彼らは接ぎ木で桜を大量生産する技術があることも知らずに、思い込みだけで連絡してくる」と呆れて話していたのが印象的だ。
【解説】ワシントンDCの桜は韓国産?杜撰な取材で拡散する嘘
ワシントンの桜の故郷は日本ではなく、韓国だったーー。
韓国メディアのように「自己欺まん」とは言わないが、もうこんな春の風物詩や“いっちょかみ”はもうやめるべき。
そうすれば、韓国の人たちが「ちょっと苦々しいエンディング」を感じる必要もなくなるのだから。
コメントを残す