どうする日本の電気代高騰? ブラジルの刑務所を見てみよう

 

「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」

明治の日露戦争で東郷平八郎が率いる連合艦隊がロシアのバルチック艦隊と戦う直前、全軍の士気を高めるために秋山 真之(さねゆき)がこんなメッセージを発した。
この日本海海戦で歴史的な勝利をおさめた日本は、自国の主権や自由を守ることができた。

さてきのう、わが政府が電気代の値上げを認めたというニュースを見た。
これによって6月1日から、一般家庭では月の電気代が2000~5300円ほど上がることになる。
さっそくツイッターで、「電気代が払えない」がトレンドに入ったのも仕方ない。
ただこれは東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京、北海道の大手電力7社のことでほかは関係ない。
この7社に「わかりやすい説明を丁寧に行ってもらうこと、徹底的な経営効率化を進めていくことを強く求める」と述べた西村経済産業大臣。
これからやってくる夏と冬、生存をかけた戦いに臨む国民には「各員一層奮励努力せよ」と聞こえたのでは?

ネットの反応を見ると勝ち組/負け組に分かれていた。

・給料は1円も上がんねーのに暴虐
・関西電力大勝利
・電気ウナギや電気ナマズのブームがくるな
・1日1食でエアコンもつけられない
そんな夏がやってくる
・光熱費倒産の時代がやってまいりました

 

電気ウナギやナマズもいいのだけど、ここでは日本の反対側にあるブラジルの取り組みに注目してみよう。
ブラジルのある刑務所では、受刑者に自転車型の発電機をこがせてこがせて、またこがせることで電気を生み出しているのだ。

 

 

これはやりたい人だけがするもので、このバイクをこげばこぐほど懲役刑が短縮される。
この器具自体は1ミリも動かなくても、「オレはシャバ(未来)に近づいている!」という実感があれば受刑者も満ち足りた気分で足を動かす予感。
こうして生まれた電気は街の照明に使われるという。

これには刑務所にとっては過密状態の解消、受刑者にとっては自己の価値を回復させるといった目的があるらしい。

NBCニュース(July 11, 2012)

all aimed at thinning out notoriously overcrowded prisons and cutting down on recidivism by helping restore inmates’ sense of self-worth.

Inmates at Brazil prison pedal for electricity – and their freedom

*10年ほど前のニュースだから、ひょっとしたらもう廃止されたかも。

 

「町のために電気をつくり出すと同時に、自由を勝ち取っています」と受刑者は満足そうに語り、 そのおかげで明るくなった遊歩道を市民が犬の散歩やジョギングを楽しんでいる。
こんなウィン・ウィンはなかなかない。

日本海海戦でバルチック艦隊と戦う連合軍はZ旗を掲げた。
アルファベットで「Z」は最後の文字だから、「この戦いに負けたら日本はオワリですよ」ということを全軍に示したことになる。
月の電気代が 40%以上も上がったら、経営者には本当に死活問題で後がなくなってしまう。
そうなる前に何かチエはないものか。

 

 

【日本の多文化共生】刑務所でインド人のヨガはダメなのか?

世界よ、これが日本の夏だ。蒸し暑さに外国人「軽く死ねる」

試合終了からのゴミ拾い。日本人のマナーと世界の反応。

移民毎年20万人受け入れ? 多文化共生社会を考えましょ「目次」

欧州の移民問題:外国人の自由や権利VSその国の価値観の尊重

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。