「あなたたちは本当によくやってくれた！」
そんな感謝の気持ちを伝えるつもりで、無自覚で人種差別行為をしてしまった。
2018年のサッカーワールドカップで韓国がドイツに勝利した時、そんなかなりレアな事件が発生する。
これで結果的にメキシコの決勝トーナメント進出が決まったから、メキシコ人はよろこびを爆発させて、韓国企業へ大量のお菓子とビールが届けられたり、韓国人なら特別割引を受けられる店が登場したりした。
でも、韓国人に「ありがとう」の気持ちを伝えるために、メキシコ人が指で両目の端を持ち上げる「つり目ポーズ」をしたから、これは東洋人への差別的行為だと国際的に炎上した。
メキシコ人が行為の意味を知らなかっただけで、韓国に対する感謝はガチだから、韓国人としてはどう反応していいか困ったらしい。
ここまでひどくはないとしても、外国人に話を聞くと似たようなことをする日本人がいる。
悪意なんて一切なく、純粋に相手をホメたつもりなのに、言われた人には差別的に聞こえて、気分を悪くさせる残念なケースもあるらしい。
その外国人は20代のイギリス人女性の白人で、日本の学校で英語を教えていた。
ある時彼女は友人に誘われて、日本人は有料でネイティブは無料で飲み食いできる「英会話飲み会 in 居酒屋」に参加する。
だからそこにいる日本人さんは日々英語を学んでいて、お金を払っても外国人と英語で話す機会がほしい人たちだから、彼女のような人材は熱烈歓迎される。
もともとタダメシの代わりに英会話の相手をするつもりだったから、英語能力の低さから退屈な話題になってもニコニコ付き合っていたし、「あなたの血液型は何ですか？」という意味不明でやや失礼な質問をされても笑顔で答えた。
そんなイギリス人でも「ええ…」と引いてしまったのが、日本人女性が発したこんなひと言。
「あなたの鼻はとても高いですね。あこがれます」
この鼻は努力や才能で手に入れたのではなくて、生まれつきのものだから、そこをホメられてもうれしくない。
そもそも人種的な特徴をみんなの前で指摘されて、「そこにシビれるあこがれる」とか言われても、なんか人種差別的なニュアンスを感じて不快だったらしい。
このまえそんな不愉快なことがあったと友人のアメリカ人女性に話すと、「私も日本人の友人から、『あなたの肌は白くてうらやましい』と言われてショックをうけた」という話を聞いた。
そのアメリカ人としては白い肌よりも、健康的に見える茶色い肌を良く思っていたから、こう言われてウンザリしたと。
悪意ではなく完全な善意からの言葉だけど、配慮や知識がないから、言われたほうは腹が立つ。
「日本人のこんな細い目にあこがれる」と外国人につり目のポーズをされたら、このイギリス人やアメリカ人の気持ちが分かるかも。
「韓国人ありがとう！」と心からの感謝を込めて、つり目ポーズをしたメキシコ人と共通する部分がある。
こんな発想をする日本人は多いらしい。
外国人向けメディアの「SAVVY TOKYO」に、日本人の考え方について欧米人が注意すべきことが書いてある。
人の見た目について指摘することは日本では日常茶飯事で、それは外国人に対してだけではない。
多くの日本人は、太った、髪が少なくなった、ニキビができたなど、人がすぐに直せないことを平気で口にする。（そうか？）
Pointing things out about physical appearance is an everyday thing here in Japan, and not only directed to foreigners. Many Japanese people won’t hold back when making verbal observations about people having put on weight, losing hair, having acne and other things people can’t fix immediately.
日本人にはホメ言葉のつもりでも、欧米人にはそう聞こえるか微妙なフレーズが次の５つらしい。
・あなたの鼻はとても高い。
・あなたは足が長い。
・肌が白い。
・目がとても丸い（大きい）。
・顔がとても小さい。
この点は気を付けて言わないと、無自覚の差別的行為と受け止められるかもしれない。
相手をホメようとして実は傷つけるのは、無邪気なぶんだけタチが悪い。
ということでどんな動機でも、基本的に身体的特徴には触れないほうが吉。
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