以前、日本と韓国政府が竹島(韓国では独島)について対立したとき、知人のアメリカ人からこんな質問をされた。
「なんで日韓はいつもあの島でもめているんだ? 日本にとって竹島ってどんな島なんだ?」
さて、あなたが外国人からこんな質問をされたら、どう答えますか?
個人的には、次の3つの観点で答えたらいいと思う。
・日本政府はどう考えているか?
・今竹島は、どんな状態にあるか?
・この問題の解決のために、日本は何をしているのか?
まず竹島について外務省のホームページは、竹島は歴史的事実,かつ国際法上も明らかに日本固有の領土であると強調している。また、韓国による竹島の占拠は国際法上、何の根拠もない不法占拠であると非難している。
これから日本の子どもたちが使う教科書では、「韓国による竹島の不法占拠」について、これまでより詳しく説明されているという。
産経新聞の記事(2015.4.6)
公民では17世紀初めから鳥取藩の漁民が竹島で行った漁業の記録の存在や、韓国の不法占拠を受け、日本が国際司法裁判所に委ね、平和的に解決するという提案を韓国が拒否していることを紹介した。
ということで、先ほどの3つのポイントはこれだ。
・日本政府の認識は、竹島は日本固有の領土。
・現状は、韓国が不法占拠している状態。
・日本は解決に向けて、国際司法裁判所で判断してもらうことを提案しているけど韓国がそれを拒否している。
いろいろ言ったらキリがないから、とりあえずこれだけ言ったらいい。
日本の立場からすると、唯一の正解は「竹島は日本の領土」だ。でも最近、岸田外相がそれを言って韓国を怒らせた。日本の外務大臣がそれ以外の見解を述べたら、それこそ大問題になるのだけど、あちらはそれを認めてくれない。
そんなことは個人レベルでもある。
韓国人の友人とタッカンマリを食べていた時、なぜかそんな話題になって、「竹島(独島)は日本(韓国)固有の領土である」という点で、お互いにまったく引けなくなった。
そんなときに必要なのは、フランスの啓蒙思想家ヴォルテールが言ったこんな態度だ。
「君の意見に賛成できないが、君が意見を述べる権利は死んでも守る」
「独島は韓国のもの」という意見には賛成できないとしても、韓国人がその意見を言う権利は認めないといけない。あちらはどう思うかわからないけど。

タッカンマリ
韓国は「君の意見に賛成できないが、君が意見を述べる権利は死んでも守る」という態度の反対側にいて、岸田大臣が「竹島は日本固有の領土である」と言うと、「妄言」と呼んで大反発した。
朝鮮日報の記事(2017/1/17)
「日本政府はかつての帝国主義の歴史を振り返り、真摯(しんし)な省察と反省および謝罪をすべき」と主張した。
独島:韓国与党「岸田外相の妄言、日本政府は謝罪を」
自分と異なる意見には賛成できないどころか、真摯な反省と謝罪を要求するのが韓流政治だ。同じことで日本が韓国に「妄言」という侮辱語を使ったら、韓国はその無礼を絶対に許さない。
韓国の立場からしたら、妄言を吐く人間は「右翼」になる。
中央日報の社説(2012年11月23日)にその具体例が紹介されている。
・日本が独島(ドクト、日本名竹島)に対する領有権主張を強化した。
・日本が慰安婦問題について、強制性を否定する立場を強化した。
日本の立場では以上の主張は当然のことでも、韓国では「極端な右傾化」とみなされる。つまり、韓国の基準を当てはめると、今の日本人のほとんどは「妄言を吐く右翼」ということになる。
この認識のギャップの違いはもうどうしようもない。
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コメント
コメント一覧 (2件)
日本人、アメリカ人にとっても「竹島帰属問題」とは、sf国際条約・社会正義実現のあかしです。とくにアメリカ人にとっては、「李承晩ライン」自体がバンフリート氏報告書でも見られるように、49諸国の国際社会正義に対する背信・反逆行為。
李承晩ラインはひどい話です。
でも、韓国側は「質より量」で、竹島が韓国領であることを世界で宣伝しています。
日本ももっと積極的に国際社会で声をあげないとダメだと思います。