ことしの夏、ハワイはとんでもない不幸に見舞われた。
アメリカで起きた山火事としては、過去100年で最悪の山火事が発生して、観光地のラハイナは壊滅的な被害を受けた。(ハワイ・マウイ島山火事)
ハワイ王国の時代には首都だったこともあるラハイナは、ハワイ語で「残酷な太陽」を意味する。
人々にとっては、それほど強烈な日差しに感じたのだろう。
日本に話を移すと、この国の夏の暑さも外国人には「残酷」だ。拷問と言っていい。
今回は、日本の夏を経験した外国人の感想を紹介しよう。
ある日、カナダ人が8月の後半に自分のスマートフォンを見ると、画面にこんな表示がされていました。 彼女はどう思ったでしょうか
8月後半のある日、カナダ人が自分のスマホを見ると、画面にこう表示されていた。
それを見て、彼女はどう思ったか?
「In what world is this “nice”?」
(何がどうなったら、気温33度が“nice”になるんだ?)
カナダに住む友人はこの投稿を見て、こんな励ましのメッセージを送った。
・素敵な日ね、地獄にしては…。
・本当に悲惨だ。
こっち(カナダ)へ来いよ。
今日の最高気温は22度で、本当に”良い天気 “だ。
気温が22度なら、きっと全人類にとって「Nice weather」だ。
でも、「良い天気」の条件は国や地域によって違う。
以前、日本に住んでいたインド人が日本語のレッスンを受けていた時、日本人の先生が「きょうは良い天気ですね」と笑顔で言った。
すると、生徒のインド人たちは不思議そうな顔をして、「先生、きょうは晴れています。だから、それは変ですよ」と反論する。
インドは基本的に暑い国だから、彼らにとっては、曇りでちょっと雨が降るような天気が「Nice weather」になる。
空からシャワーが降ると、暑さはやわらぐし、作物もよく育つ。
ここで脱線。
日本語には「お湿(しめ)り」という言葉があって、昔の日本人は「よいお湿りで」と挨拶を交わしていた。
この「湿り」とは雨を指す。
久しぶりに雨が降って、地面を湿らせるような天気の日に、日本人は「よいお湿りで」と笑顔で言っていた。
インド人の感覚からすると、これが「いい天気」になるはずだ。
閑話休題
去年の9月に日本へやってきたドイツ人は、飛行機を降るとすぐに強烈な熱気と湿度に包まれて、「なっ、なんだこれは!」と驚いた。
カナダ人のように、「What in the world is this?」(これはいったい何なんだ?)と感じたと思われる。
スマホで確認すると、ドイツを出発した時は気温が15度だったのに、いまは30度と一気に倍になっていた。
それに加えて、ドイツでは考えられないような高い湿度だったから、この歓迎は一生忘れられないものになると思ったらしい。
気候区分では、熱帯に属するスリランカやインド南部の人に聞いても、日本の暑さと湿度のコンボに比べると、母国の夏の方が過ごしやすいと太鼓判を押す。
*「熱帯」とは一年を通して暑く、冬がない気候を意味する。
だから、最高気温だけなら、温帯の日本も負けていない。
ルワンダ人も、日本の夏はルワンダより気温と湿度が高いから、自転車に乗るのは特にツライと弱音を吐いていた。
日本の夏は、じつは東アフリカを超えていたのだ。
すべてがそうではないとしても、この事実は日本人にって意外では?
ということで、いろんな外国人の感想を聞くと、日本の夏の太陽は「ラハイナ」で、高い湿度も加わって、すさまじく不快に感じるらしい。
逆に考えると、日本人はすでに高レベルの熱耐性を身につけていることになる。
だから、世界中のたいていの都市なら、暑さに負けることはない。
おまけ
最近、外国人がSNSに「Tokyo finally cools down(東京がやっと涼しくなった)」と投稿した。
すると、こんな返事がきた。
・Tokyo’s weather is too hot
東京の天気は暑すぎる。
・yeah, just like sauna
ああ、まるでサウナだ。
・we already know that
そんなことはみんな知ってる。
(以下、日本語のみ)
・日本の夏はサマーソニックのためだけなら、外出することができる。
桜のシーズンが一番だよ。
・6月に東京へ行ったけど、その時すでに暑かった…。
・先週まで東京にいた。毎日、湿度との戦いだったよ。
・暑いうえに湿度も高いなんて、ホント最悪。
・日本に3年ほど住んでいて、いまはアメリカにいる。
日本の食べ物もトイレも恋しく思うけど、夏だけは絶対いらない。
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