【パレスチナ情勢】マクドナルドに見る日本と海外の違い

 

「マクドナルドがある国同士は戦争しない」

アメリカのコラムニストであるトーマス・フリードマンが以前、『黄金のM型アーチ理論』でそんなことを提唱して話題を集めた。
これは、経済が発展し、マクドナルドで食事を楽しむ中間層が育った国は、もうすべてをぶち壊す戦争をしようとは思わないという考え方だ。
でも実際には、2022年に「マック保有国」であるロシアとウクライナで戦争がはじまってしまった。

「マクドナルドがある国同士は戦争しない」理論、完全終了

マクドナルドはグローバルで人気があり、各国に店舗を持っているから、政治や宗教などを原因とるする国際問題が発生すると、関係ないのに巻き込まれてダメージを負うケースがある。
いま中東で行なわれているハマスとイスラエルの戦争でも、マクドナルドが理不尽にたたかれた。

 

この戦争がはじまると、イスラエルのマクドナルドがイスラエル軍に、数千人分の食事を無償で提供し、兵士には割引を行うと発表。
するとSNSでは、出どころはよく分からないが、イスラエル軍兵士がマックの商品を美味しそうに食べる動画が投稿され、これがパレスチナを支持する人たちを刺激した。

 

パレスチナ寄りの人はこの動画を見て、こんな怒りコメントを書き込んだ。

Meanwhile Palestinians are dying of hunger and have nothing to drink
(一方で、パレスチナ人は飢えて死に、飲むものすらない。)

これに対し、イスラエルを支持する人はこう反論。

What did Hamas eat before their massacre?
(ハマスは虐殺を行うまえに何を食べていたのか?)

コメント欄ではこんな場外乱闘が続き、ウンザリした人がこんな書き込みをする。

Religious people are the most vile , disgusting and horrible people on earth

宗教に熱心な人たちは地球上で最も卑劣で不快で、恐ろしい存在だ。

 

イスラム教徒の知人がシェアした絵。
ガザの子どもたちが、イスラエル軍のミサイル攻撃を受けていることを表している。
しかし、彼はハマスのテロによって、イスラエルの子どもが犠牲になったことはスルー。

 

パレスチナ問題について、イスラム教徒の立場は基本的に反イスラエルで、パレスチナの人たちを兄弟のように考えている。
イスラエルにとってアメリカは世界最大の支援国で、イスラエル軍に食事を提供すると発表した影響もあり、いまアラブやイスラム圏では不買運動がはじまるなど、マクドナルドに対する風当たりはかなり厳しい。
トルコやエジプトなどでは、マクドナルドの店舗の窓ガラスが壊された。

エジプトのあるインフルエンサーが、

「この飲食店はなくなるべき。これが私たちにできる最小限のことだ」

と話すと、マレーシアのSNSではこんなコメントが注目を集めた。

「マクドナルドのフライドポテト1つが、イスラエルに与える弾丸1発になる」

イギリスにあるマクドナルドでは、ある男が店舗に入ると、パレスチナの旗の同じ赤と緑色に染めた数十匹の生きたネズミを床にぶちまけた。

エジプトやクウェートなどの中東諸国にもマクドナルドはある。
ヨルダンやオマーンのマックは「私たちはイスラエルのマクドナルドとは違う」、「ガザの人々を支援する」といった声明を発表した。
カタール、トルコ、サウジアラビアなどのマクドナルドはガザ地区に寄付金を渡し、積極的に支援する意思を見せている。

 

宗教や政治でもめやすい地域のマクドナルドは大変だ。
2013年にイスラエルのマクドが、パレスチナ自治区のユダヤ人入植地へ店を出す提案を受けたが、イデオロギーを理由にそれを断った。
すると、イスラエルの住宅相が怒り、国民にボイコットを呼びかけた。
「フライドポテト1つが、イスラエル軍の弾丸1発になる」と非難している人たちは、イスラエルのマクドがかつて、パレスチナの人たちに配慮した事実に気づいていない。それか無視している。

 

パレスチナとイスラエルの支持者によるデモ in アメリカ

 

日本はこうした騒ぎとは無縁。
マクドナルドについて、最近メディアで見たニュースと言えばこれぐらいなものだ。

 

来年1月に全国のマクドナルドで、「楽天ポイント」と「dポイント」の取り扱いが終了することが決まった。
これによって、dポイントの“二重取り”ができなくなるなど、全国の「ポイ活勢」が大打撃を受けるというニュースがあった。

日本は歴史的に、ユダヤ教やイスラム教の影響が本当に少なく、それに欧米のようなユダヤ人差別もなかった。
パレスチナ問題については中立的で、これからハマスとイスラエルの戦争がどう進展しても、日本がどちらかのサイドにつくとはっきり示すことはない。
ほとんどの日本人は「宗教に熱心な人たちは恐ろしい」と思うだろう。
だから、日本のマクドナルドはいつも平和だ。

 

 

ヨーロッパ 「目次」

中国を知ろう! 「目次」 ①

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【ソ連にマクド】“笑顔のサービス”が社会主義国に与えた衝撃

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。