ユーチューブで、外国人がアップした日本の歴史を紹介する動画を見た後、コメント欄を読んでいたら、こんな質問をする外国人がいた。
「Are there any good aspects about the Japanese colonization of Korea?」
(日本が韓国を植民地支配したことで、なにか良い面はあったのだろうか?)
すると、ある韓国人がユダヤ人にこう質問してみればいいと言う。
「What good aspects about the Nazi and Hitler did to Jews??」
(ナチスやヒトラーがユダヤ人にしたことで、どんな良い面があったのか?)
彼は続けてこう書き込んだ。
「JAPAN thought they are Better Human Asain Race
The way how Japan thought others (other people) was like animals..
it’s shocking stuff to believe JAPAN have done such thing horrible thing to baby, woman, kids for science, manythings were done on purpose, while they were all alive and conscious」
日本人は、自分たちがほかのアジア人よりも優れた人種と考えていた。
日本はほかの人種を動物のようにみていた。
日本が赤ちゃん、女性、子どもたちに、あえて生きたまま“こんなひどいこと”をしたなんて信じがたい。
このコメントには、人が手術台に乗せられ、解剖実験を受けているような写真が添えられていた。
“こんなひどいこと”の中身がそれ。
ただ、これはドラマか何かの画像で、実際の映像ではない。
彼は日本軍の731部隊のことを言っているのだろうけど、この部隊の活動について詳細は分かっていない。
韓国では、731部隊は意識のある人間に対し、残酷な人体実験をしたことが“歴史的事実”とされていて、『京城クリーチャー』にもそんなシーンがあった。
しかし、朝鮮統治において、日本が韓国人を動物にように扱い、女性や子どもに人体実験をしたというのはとんでもない作り話だ。
ナチスと日本がしたことを「同じ」とする歴史認識は、韓国社会では常識の範囲内に、というかド真ん中にある。
たとえば、ハンギョレ新聞はそれを前提として、「謝罪しない日本」を批判した。(2022-09-17)
日本はいつドイツを見習うのか
この中央日報のコラムも同じ主張をしている。(2012.09.07)。
戦争犯罪の前でドイツとあまりにも違う日本
全国紙が繰り返しこんな報道をするから、韓国のネットユーザーもあんな書き込みを当然のようにするようになる。
しかし、こうした「日本=ナチス」論には根拠がなく、事実と違う。
ヒトラーをはじめナチス党員が、自分たちアーリア人を「優れた人種」と考え、ユダヤ人を「劣等な民族」と見なしていたことは、さまざま発言や資料で明らかになっている。
ナチスは「ユダヤ人問題の最終的解決」として、ユダヤ人の全滅を決め、強制収容所を建設し、殺虫剤で使う毒ガスで次々と殺害した。
ナチスはこうして、600万人のユダヤ人を虐殺を行ったし、人体実験もしていたから、上の主張はナチス=ドイツに対してはおおむね正しい。
しかし、戦前戦中の日本にこんなホロコーストをした事実はない。
むしろ“逆”だ。
日本の「日韓併合」は韓国ではこう呼ばれている。
慰安婦や徴用工問題も同じで、日本の加害性を強調するために「強制」というワードを付け加えることが多い。
「日本の朝鮮統治で“良い面”はあったのだろうか?」という質問の答えと、日本とナチスを「同じ」と考えることの誤りについては、国際政治学者の舛添要一氏の主張を聞けば理解できる。
アメーバタイムス(2019/04/2)
「戦前の在日朝鮮人はハングルで投票することもできた。お互いに歴史の勉強を」舛添氏、韓国国会議長の発言ヒートアップする日韓両国に苦言
このころ、慰安婦問題を解決するために、韓国の文喜相国会議長が天皇に謝罪を求める発言をして、日本を激怒させた。
外務省は韓国側に強く抗議し、菅官房長官も「韓国国会議長の一連の発言は甚だしく不適切でコメントする気にもならない」とあきれかえる。
この反応に韓国側が反発し、日韓が熱くなっていたから、舛添要一氏がテレビ番組で、日韓がお互いに歴史を知らないといけないと主張した。
舛添氏はこんな話をする。
「日本にいる朝鮮の人には選挙権も被選挙権もあった。これは私の親父が戦前に北九州にあった若松市議会議員選挙に出馬した際のポスターだ。名前にハングルのルビが振ってある。」
当時、日本政府は朝鮮人や台湾人に対し、投票する権利や立候補する権利を認めていた。
朝鮮人は朝鮮の名前で立候補していて、漢字やカタカナを読めない人も多かったから、ハングル文字にはルビが必要になった。
舛添氏によると、北九州の若松市では一時期、市議会議員の約 30%が朝鮮半島から来た人たちで占められていた。
しかし、舛添氏が韓国の大学でこの話をすると、「“そんなのはでっち上げで嘘だ“という反応しか戻ってこなかった」という。
統治時代には、日本人・朝鮮人・台湾人は法的には平等で、地方参政権だけでなく、国会議員の選挙権と被選挙権を持っていた。
実際、朴 春琴(パク チュングム、ぼく しゅんきん)のように、衆議院議員になった朝鮮人もいる。
朝鮮の名前はもちろん、ハングル文字を使って投票することも認められていた。
朴 春琴は、選挙権を与えない欧米の植民地支配を非難した。
もちろん、日本の統治下で、苦しい思いをした韓国の人たちがいたことは事実で、それを無視することはできない。
しかし、日本が「朝鮮人絶滅計画」を立てて強制収容所を建設し、虐殺した事実なんて存在したしない。
ナチスはユダヤ人の生存権を認めず、「害虫」のように抹殺していた。
投票権があり、国会議員になった朝鮮人がいたことだけを見ても、日本とナチスと同一視することは間違いだとわかる。
これは歴史に対する冒とくだ。
それにしても、作り話を歴史的事実と主張し、事実を聞くと「そんなのはでっち上げで嘘だ」と反発されると、歴史問題を話すことは不可能になる。
衆議院議員当選を祝う朴春琴
ナチスの支配下で、こんなユダヤ人がいたわけない。
釜山でたくさんの市民が海水浴を楽しんでいる。
“ナチスと日本がしたことを「同じ」とする歴史認識は、韓国社会では常識の範囲内に、というかド真ん中にある。”——– 事実です。
韓国ではナチス=日本だし、ドイツは反省して謝りましたが、日本は全く反省もせず謝罪もしないと怒っていました。しかし、日本の朝鮮統治とナチスのユダヤ人虐待はまったく異なります。
日本は朝鮮を「日本の領土」に併合し、朝鮮人も「日本人」に同化させる政策を施行しました。
それで”内鮮一体”という標語まで作りました。種族そのものを抹殺しようとしたナチスとの比較は、それ自体が「語不成說(理屈に合わない)」ものです。日本は朝鮮に数百の学校を作り、朝鮮人を教育しました。 資格のある朝鮮人は日本の会社、公職で働くことができました。日本の=ナチスって。 話になりません。
日本をナチスと同一視することは間違いで、それを海外の外国人に伝えると二重の間違いをしていることになります。
でも、韓国社会では、それは「正しい行為」と見なされるのでしょうね。