【閏年の話】日本でのトラブル・由来・イギリスの文化

 

きのう、全国チェーンのドラッグストアでシステム障害が起きて、処方せんの登録や会計ができなくなった。
関係者なら、頭の中が真っ白に初期化されるようなこのトラブル、発生した原因は、きのう2月29日が4年に1度の「閏(うるう)日」だったことにあるらしい。
2024年に、日本の大企業がこんなシステム障害を起こしたと知って、あきれるネット民。

・どんなクソシステムだよw
・情けないw
でもうちの会社が関わってるかもしれないから、ほどほどにしておこう
・日本のITは日付け手入力してるんか?
・未経験の文系新卒1年目に全部任せたんかってレベル
・手作りの温かみを大切にしてるんや😠

世界的な先進国である日本で、きのう発生したトラブルはこれだけじゃない。
神奈川、新潟、岡山、愛媛では、免許証を作る機械に閏年の設定がされなかったから、運転免許証を発行することができなくなった。

日本は「元号」を使っているから、来年どっかで、今回と同じような問題が起こるかもしれない。
システム上では昭和がまだ続いている場合、来年2025年は「昭和100年」になり、「昭和0年」と誤認識される可能性がある。
この「昭和100年問題」はその界隈ではわりと有名だから、もう対策はとられていると思うけど。

 

「閏」という漢字は中国で作られ、はるか昔に日本へ伝わった。
日本ではこんな漢字がなかったから、それと似ている「潤」の字と重ね、「うるう」という読み方をするようになったと言われる。
中国語の「閏」はなんで「門に王」なのか?
「閏月」は特別な月だったから、通常は月の初めに宗廟(そうびょう)で祖先を祭っていた王がこの月は外に出ず、宮殿で過ごしていたことが由来とされる。

 

閏年を英語では「leap year」と言う。
leap は「タイムリープ」のリープで、動詞なら跳ねる、名詞なら飛躍という意味がアリ。
イギリスでもこの年は特別視されていたようで、昔は女性は閏年のときだけ、男性に結婚を申し込むことができるという伝統があった。

1288年にスコットランドのマーガレット女王が制定した法律では、男性が女性のプロポーズを拒否した場合、罰金を支払うことになっていたという。

Supposedly, a 1288 law by Queen Margaret of Scotland (then age five and living in Norway), required that fines be levied if a marriage proposal was refused by the man

Leap year

 

現代の日本でこんな法が制定されたら、トラブルどころじゃなくて、システムエラーがかわいく見えるようなパニック状態になるのは必至。

 

 

日本 「目次」

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。