二十四節気によれば、(2024年は)きょう7月6日から「小暑(しょうしょ)」に突入する。
日本の夏がホンキを出しはじめるころで、これから日に日に暑さが厳しくなっていくから、国民は本格的な迎撃態勢をととのえないといけない。
ちなみに、小暑~大暑~立秋までが暑さのピークになるから、遠くにいる知人の健康を気にかけて、この期間に暑中見舞いを出すことがお約束になっている。立秋までに相手に届かない場合は「残暑見舞い」になる。
*「暑中」とは小暑と大暑をあわせた期間のこと。
小暑を迎える数日前、東京では35度を超え、23区内に住んでいるインド人がSNSに、出身地のバンガルール(旧バンガロール)の気温をならべてこんな投稿をした。
「Getting roasted 🥵 🥵 🥵 meanwhile B’lore ⛅️」
(体が焼かれる 🥵 🥵 🥵 一方、バンガルールは…。)
このメッセージを見た彼女の友人は、
Come to Bangalore 😂
(バンガルールに来なよ)
Don’t forget to hydrate 🥵
(水分補給を忘れないで)
と笑ったり心配したりしていた。
東京では8月がいちばん暑く、2023年のこの月の平均気温は 29.2℃(平均最高気温は 36.7、最低気温は 22.2℃)だった。
一方、バンガルールでは4月ごろが最も気温が高く、この月の平均気温は 28℃(平均最高気温は 34°C、最低気温は 22°C )なり。
バンガルールで 37°C を超えることはかなりレアで、2010年の4月、27年ぶりに気温が 37.6度に達した時はニュースになった。バンガルールの4月の最高気温は、1931年4月30日に記録された 38.3℃だ。
8月の東京は場所によっては 39℃を超えるから、きっとバンガルールの観測史上最高記録を毎年のように上回っている。
しかも、日本の夏は温度と湿度が最凶タッグを組んで人に襲いかかる。
東京の8月(2023年)の平均湿度 78%に対し、バンガルールの4月の平均湿度は約 40%とかなり低い。
つまり、東京に比べて、インドのバンガルールは涼しく快適で、過ごしやすいのだ。
ただし、それはバンガルールの話。
この都市はインド南部の高原にあり、標高は 920mと高く、気候はほかの都市よりも涼しいため、「インドのガーデン・シティ(庭園都市)」と呼ばれている。
「インドのシリコンバレー」と称されるほど、バンガルールで IT産業が発達した理由も、冷涼な気候がコンピューター環境に良いからだとか。
こんなインドの楽園から来た人が日本の夏を体験すると、「Getting roasted」と弱音を吐くことになる。
インドの面積(328.7万km2)は世界で7番目に広く、日本の約9倍もあるから、場所によって気候が大きく違う。
最北部には、「ヒマ(雪)」と「アラーヤ(家、住みか)」の合成語であるヒマラヤ山脈があり、そのあたりの夏はバンガルールよりも涼しく、冬は死ぬほど寒い。実際、過去には凍死した人もいたはずだ。
しかし、首都デリーのあたりはまったく違う。
今年の5月、デリーは熱波に見舞われ、各地で最高気温が 45.2〜49.1℃に達し、52.9℃を記録したところもあった。まぁ、気温 52.9℃はインド人から見てもおかしいから、観測装置に異常が発生した可能性もあるという。
日本に伝わるインド情報は、デリーあたりのものが多いから、「インド=ホット」のイメージが定着したと思われる。
インド人が日本の夏を経験した場合、基本的にはみんな「暑い…」と言うだろうけど、感じる不快レベルは出身地によって左右される。
デリーから来た人なら、「体が焼かれる…」とまでは感じないのでは?
日本の夏の”異常な”暑さに、外国人観光客の反応は?アジア人編
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