友人のドイツ人は30代の男性で、日本が好きで日本の大学に留学して、今はドイツに戻って元気に働いている。
今回はそんな彼との会話を紹介しよう。
ーーこのまえアメリカ人と話をしてたら、「アメリカで天皇を知っている人はたぶん 50%もいない。でも、ニンジャならみんな知っている!」と言っていた。
ドイツでも忍者は有名?
あなたはどんなイメージをもっている?
もちろん、ニンジャはドイツでも有名だ!
ニンジャは音を立てないで移動して、姿を見せない暗殺者って感じがする。
子供のころに見たテレビや映画では、よく人を殺していたから、残酷でダーティーな印象を持っていたけど、『ナルト』とかを見てイメージが変わった。今では完全な悪者とは思っていない。
個人的には、『キル・ビル』で服部半蔵(千葉真一)が刃を作って、主人公の女性に授けたシーンがかっこよくて印象的だった。
ーー君は日本のアニメが好きだと言っていたけど、最近は何か見た?
『キルラキル』や『SAO』を見た。
日本のアニメは絵がすごくきれいで細かいところが、欧米のアニメと違うんだ。あれはきっと国民性も関係しているね。
そう言えばドイツではクリスマスに、日本のアニメをずっと流すチャンネルがあったから、それを見たことがある。
ナルト、暗殺教室、ドラゴンボールZ、傷物語、フェアリーテイル、君の名は、7つの大罪なんかを放送していた。
ーー日本のアニメがアメリカで放送されると、アメリカ社会の価値観から、内容や表現が変更されることがある。
日本に比べると、アメリカではタバコや銃、性的な表現なんかが厳しい。
『ワンピース』を見るとそのことがわかる。
『ワンピース』では、
・タバコがチュッパチャプスみたいなアメになっている。
・戦いのシーンで血が消えている。
・銃が水鉄砲になっている。
・女性キャラの胸元が隠れて谷間が見えない。
といった改変がおこなわれた。
ドイツでもそんなことがある?
そんな話は聞いたことがない。
はっきり分からないけど、アメリカのように変更はされていなくて、日本と同じものがドイツでも放送されていると思う。
アメリカでは銃が身近にあるし、10代がアニメの影響を受けて犯罪行為をしやすくなるからだろうね。
日本やドイツはアメリカよりは安全だし、人びとのマナーも良いから、アニメやマンガの規制がゆるくて表現の自由度が高いんだよ。
ーー日本で印象に残っている場所は?
それは秋葉原。
ドイツでは中古ゲームを売っている店がとても少なくて、週末に開かれるマーケットへ行くと、使わなくなったゲームを売る人がたまにいる。
秋葉原に行ったら、信じられないほど大量の中古ゲームがあったし、本当に安かったから買いまくったよ。
秋葉原は不思議な空間で、アニメの世界から転移してきたような、変わったコスチュームを着ている若い女がたくさんいた。
ドイツ人の私には、ディズニーランドみたいな夢の世界のようだった。
でも、そんな女性にカメラを向けて、何度も写真に撮る日本人の男がいて、女性がにらんでいたよ。失礼で、空気を読めない日本人もいるんだね。
ーーメイドカフェには行った?
それは最初から決めていた。
店にはいろんなコースがあって、私はその中の一つを選んで、オムレツと飲み物をオーダーして、メイドと簡単な歌を歌ったりゲームをしたり、一緒に写真を撮ったりした。
楽しかったけど、一回でいいかな。
京都で舞妓さんと遊ぶ体験をしたことがある。
そこでも食べて飲んで、舞妓さんと話をしたりゲームをしたり、一緒に写真を撮ったりしたから、メイドカフェと似ていると思った。
メイド体験は舞妓遊びの現代版みたいだったね。
ーー知人の中国人は秋葉原で買い物をした後、明治神宮へ行った。
そしたらクレイジーな空間から、静かで平和的な雰囲気にガラリと変わって、とても印象的だったと言っていた。
君もそんな体験をしたことがある?
それはないけど、その中国人の気持ちはわかる。
高度に発達した社会の中に、独特の伝統文化が息づいている。
それは日本の個性であり、大きな魅力だね。
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