「李奉昌(イ・ポンチャン)」という韓国人をご存知だろうか。
1932年に桜田門で昭和天皇の乗った馬車に手りゅう弾を投げ、殺害しようとする「桜田門事件」を起こすも失敗し、捕まって処刑されたテロリスト。
ただ李奉昌の見方は、伊藤博文を暗殺した安重根と同じで日韓で大きく違っている。
日本政府(菅官房長官)は公式の場で安重根を「テロリスト」と言ったが、韓国では正義を行なった「義士」として英雄視されている。
李奉昌も同じで、日本では天皇を殺害しようとしたテロリストでも、韓国では義士とされている。
韓国の中学校の歴史教科書のなかで、李奉昌についてこんな説明がある。
「躍動する韓国の歴史 明石書店」から。
この韓国の歴史教科書では、李奉昌(イ・ポンチャン)の他に尹奉吉(ユン・ポンギル)も紹介されている。
上海で日本人に向かって爆弾を投げつけて2人を殺害した尹奉吉も、日本ではテロリスト、韓国では義士と評価が正反対だ。
ユン・ポンギルの行為を韓国の歴史教科書では「義挙」とし、こう評価する。
彼の義挙は国内外で独立のためにたたかっていた人々に希望と勇気を与えた
「躍動する韓国の歴史 明石書店」
天皇を殺害しようとした李奉昌にもこれと同じく、韓国では「正しい行ないをした人」と考えられているはず。
日韓では価値観や考え方が違うから、認識が変わるのは仕方ない。
ただ韓国の学校では、日本にとってはテロリストを「英雄」とみる教育を受けていて、それが韓国人の「日本人観」をつくっていることは理解しておこう。
同じ人物でも、国によって評価が違うことは世界中である。
たとえばマゼランは16世紀の大航海時代、世界一周の航海に出かけて、彼の部下は人類で初めてそれを成し遂げた。
マゼラン自身はその途中、フィリピンで「ラプ=ラプ」という人に殺される。
この戦いでマゼランは命を落とした(大航海時代 増田義郎 講談社)。
マゼランを殺したラプ=ラプは「侵略者を倒した」ということで、今のフィリピンでは英雄になっているが、ポルトガルがラプ=ラプを「英雄」と見ることはないはずだ。
ラプラプ(ウィキペディア)
安重根・尹奉吉(ユン・ポンギル)・李奉昌(イ・ポンチャン)もラプラプと同じで、国によって見方はそれぞれ違う。
でも、こんなことをするのは韓国だけでは?
中央日報の記事(2017年03月01日)
海外の韓国歴史遺跡にハングル案内パンフレットを提供してきた女優のソン・ヘギョが、三一節(独立運動記念日)を迎えて「海外で会った私たちの歴史物語-東京編」案内パンフレット1万部を東京全域に配布した。
(韓国の表現だと)李奉昌義士の投弾義挙地および殉国地など、東京にある韓国に関わる歴史遺跡について全面カラーで詳細に紹介しているパンフレット(韓国歴史遺跡)を、韓国の女優が東京で配布した。
イ・ボンチャンが投弾をした場所というのは、彼が昭和天皇を殺害しようとしたところで、つまりはテロ現場だ。
それを詳しく紹介するパンフレットを、相手国の首都で配布するという話は聞いたことがない。
こんな大胆な発想があるのは韓国だけだろう。
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